暗黒女子/秋吉理香子

ある女子高で、最も美しくカリスマ性をもつ女生徒が死んだ。
一週間後に集められたのは、女生徒と親しかったはずの文学サークルの仲間たち。
ところが、彼女たちによる事件の証言は、思いがけない方向へ――。
果たして女生徒の死の真相とは?全ての予想を裏切る黒い結末まで、一気読み必至の衝撃作!

映画にもなった作品。映画は序盤ちょっとだけ見て最後まで見なかったので(つまらなかったとかではなく気分の問題)、結局この話どうなるんだろと読む前からワクワクしていた。

ちなみにWikipediaでこの作品を調べると、あらすじでモロにネタバレを食らうので(ああいうネタバレ込みの全てのストーリー記載しちゃうのどうなの……)ネタバレ踏みたくない人は絶対に読まない方がいい。


秋吉さんといえば以前読んだ「絶対正義」のイヤミスっぷりが凄まじく読んでいる間中ずっと「キッッッッツ!!!!」と言いまくっていたので、今回も丸く収まらないだろうなあと思いながら読んでいた。

文学サークルでの殺人事件ということで、サークルのメンバーが1人ずつ小説形式で今回の事件について知っていることを語っていくという形で進んでいく。

それぞれこの人が犯人だろうと指摘していくのだが、全員バラバラの人を指摘するし、それ以外にも矛盾する部分も多く、誰の言うことが真実で嘘なのか、真犯人は一体誰なのか、最後まで面白く読むことができた。

正直なところ何となくこうだろうなとオチは想像できたのだが、真相を語られると悪意の強さにすごく驚かされた。そうだろうとは思っていたけど!

事件について登場人物の手記を基に紐解いていくというスタイルは、以前読んだアガサ・クリスティの「五匹の子豚」を思い出した。それぞれ違う人を「こいつが犯人だ!」と言っているところとか、食い違う証言とかすごく進め方が似ていると思った。


イヤミスではあるものの、絶対正義ほどの胸糞悪さはなく、お嬢様学校という舞台設定やシチュエーションは雰囲気があってとてもよくサラッと読みやすい1冊だと思った。

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