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ミナコちゃんの話

イマジナリーフレンドという言葉をご存知だろうか。

イマジナリーフレンド(英: imaginary friend)とは、心理学、精神医学における現象名の1つである。学術的にはイマジナリーコンパニオン(IC)という名称が用いられる。「想像上の仲間」や「空想の遊び友達」などと訳されることは多いが定訳はない[1]。インターネット上ではIFと略されることもある。

Wikipedia


自分にしか見えない空想上の友達のことをイマジナリーフレンドというそうだ。
私にもかつてイマジナリーフレンドという存在がいたことを思い出した。
成長と共に見えなくなっていくものが一般的とされており、つい最近までそんな存在が居たことすら忘れていた。

思い出したきっかけは隣に住む5歳年上のお姉ちゃんと出会った時。
久しぶりに出会うお姉ちゃんと思い出話に花を咲かせていたときの一言。

「ミナコちゃんって覚えてる?」

ミナコちゃん?だれ?
一瞬そう思ったのだが、すぐに思い出すことができた。
私の友達の名前だ。

「深兎ちゃん、ずっとミナコちゃんと喋ってたよね。私には見えなかったけど。」

そう言ってお姉ちゃんは笑った。
お姉ちゃんと別れ、1人になってからもミナコちゃんという名前が頭の中でリフレインしていた。

ミナコちゃん。
同い年の女の子。
背も同じくらい。
水色の服を着ていたような気がする。

近所に同年代の友達がいなかった私は、無意識的に友達のミナコちゃんを創り出していたのだろう。
そんなミナコちゃんの話に、5つ歳上のお姉ちゃんは付き合ってくれていたのだ。

ミナコちゃんの存在を鮮明に思い出したのに、言われるまで完全に忘れていた存在。
同い年だったはず。誕生日は知らないが、ミナコちゃんも同じく30歳になる年。

忘れていてごめんね。
ミナコちゃんはどんな三十路になってますか。
また話せたら、どんな20数年だったのかお互いに話そうね。

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