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英国散歩 第5週|ケンブリッジはザックリこんなまち②大学のまち(前編)

ケンブリッジ市は、市域内にケンブリッジ大学(学生数約2.4万人(2020年))を抱える大学のまちです。
市内にキャンパスを持つもう一つの大学、Anglia Ruskin Universityの学生と合わせ、市人口約12万人のうち約2割を学生が占めるとも言われます。

日本で最も学生割合が高い都市とされる京都市でも10%ほど(東京23区では6%弱)なので、ケンブリッジ市の学生割合はとても高いと言えそうです。
ちなみに、ケンブリッジ市の居住者の平均年齢は35.4歳。京都市、東京23区は大体45〜46歳です。


では、ケンブリッジ市にはどうしてこんなに多くの学生が住んでいるのか。
その背景には「カレッジ」の存在があります。


カレッジ(college)とは

日本語では「学寮」などと訳され、端的には、ハリポタのグリフィンドールやスリザリンのようなイメージで、すべての学生が学部(faculty)とは別に1つのカレッジに所属します。
ケンブリッジ大学には31のカレッジがあり、それぞれのカレッジが寮(accommodation)や教会、図書館、食堂などの施設を所有・運営し、自分たちの学生の生活面をサポートします。
同じくイギリスの名門オックスフォード大学などでも、カレッジ制が取られています。


研究基盤の学部(faculty)と生活基盤のカレッジ(college)がちょうど縦軸横軸のような関係で、そのマトリクスの各セルに各学生が収まっている形かなと思います。

イギリスの中でも物価が高めなケンブリッジ市に、これだけ多くの学生が住まうことができているのは、このカレッジが学生向けに(比較的廉価に)住宅を供給しているためと考えられます。


また、ケンブリッジ市に学生が多く住んでいる理由を考えるうえで、「カレッジ」と合わせて重要なのが、ケンブリッジ大学が学生向けに提示している「居住条件(Terms of Residence)」です。


(後編に続く)

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