英国散歩 第12週|ロンドン冬の風物詩・ハイドパークの移動式遊園地「Winter Wonderland」【前編】
ロンドンの冬の風物詩ともいわれる、移動式遊園地「ウィンター・ワンダーランド(Winter Wonderland)」に行ってきました。
今回は、【前編】でその会場であるハイドパークのざっくり紹介(ほぼ余談)、【後編】でウィンター・ワンダーランドの紹介という構成です。
※2021年12月19日一部追記。
都会のオアシス、ハイドパーク
遊園地があるのは、ロンドンにある王立公園「ハイドパーク(Hyde Park)」。
付近は、バッキンガム宮殿、高級デパートのハロッズ、交通ターミナルのパディントン駅、高級住宅街のノッティングヒルなどが位置するような、ロンドン中心部です。
ハイドパーク自体の広さは約140ha。隣接するケンジントン・ガーデン(98ha)と合わせると、その広さはさらに約240haという規模に。
東京都心の代表的な公園・緑として思いつく、新宿御苑、代々木公園、上野公園、明治神宮の森を全部足した面積(239.1ha)とちょうど同じくらいです。とにかく広いです。
まさに、ロンドン中心部における広大な都会のオアシスです。
余談①東京、大阪、ロンドンの公園面積
ロンドンは、都市の無秩序な拡大(スプロール化)を防ぐために、都市の周縁部に「グリーンベルト」という緑地帯を設けていることはよく知られていますが、都心部における緑も非常に豊富です。
少し古いデータですが、こちらの大阪市資料によると、ロンドンの人口一人当たりの公園面積は、東京都の約3.6倍(東京23区の約8.4倍)、大阪府の約4.7倍(大阪市の約7.2倍)となっています。
もう一つ見てみると、こちらの国土交通省資料によると、人口一人当たり公園面積は、ロンドンは東京23区の約6.3倍となっています。
それぞれどのエリアで比較するか、また、どの種類の公園まで含めるかなどで数値が変わるため、厳密な国際比較は難しいですが、これらを見る限りロンドンの方が東京、大阪よりも人口一人当たりの公園面積は広いと言えそうです。(今後また調べてみます)
※そういう意味では、冒頭でハイドパークを「都会のオアシス」と表現しましたが、都心部に他にも多くの公園・みどりがあるロンドンにおいては、その「オアシス感」はやや薄めかもしれません。
東京23区、大阪市、ロンドンの都心部の大規模な公園・みどり等の面積を参考までに列挙しておきます。
ちなみに、NYのセントラルパークは341haと別格の広さ。BIDで有名なブライアントパークは3.9haと、比較的小ぶりなサイズです。
<東京23区>
・明治神宮の森:73ha
・新宿御苑:58.3ha
・代々木公園:54ha
・上野恩賜公園:53.8ha ※以上4つの合計面積:239.1ha
・皇居:115ha
<大阪市>
・花博記念公園鶴見緑地:122ha
・大阪城公園:105,5ha ※以上2つの合計面積:227.5ha
・長居公園:66ha
・天王寺公園:26ha
<ロンドン>
・ハイドパーク:約140ha
・ケンジントンガーデン:98ha ※以上2つの合計面積:約240ha
・リージェンツパーク:166ha
・プリムローズ・ヒル:25ha
・セントジェームズパーク:34.5ha
・グリーンパーク:20.8ha
余談②世界初の万博会場
ハイドパークは、1851年に開催された世界初の万博、第1回ロンドン万国博覧会の会場です。
その際に建設された会場建物は「クリスタルパレス(水晶宮)」として有名で、産業革命を経験し、世界の工場として繁栄していたイギリスの存在感を世界中に強く知らしめる場となりました。
余談③サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン
おそらく建築系出身の方々にはおなじみの「サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン」もここ(正確にはハイドパークに隣接するケンジントンガーデン)にあります。
2000年から始まった、ひと夏限定のパビリオン。毎年世界中の著名な建築家・アーティストがパビリオンを設計し、過去日本人建築家も多く手掛けています。
それぞれの写真はこちらなどから。
<過去パビリオンを手掛けた建築家の例>
2000年、ザハ・ハディド
2002年、伊東豊雄+セシル・バルモンド
2009年、SANAA
2013年、藤本壮介
2019年、石上純也
ほぼ余談でしたが、【前編】ハイドパークのざっくり紹介は以上です。
次回、【後編】ウィンター・ワンダーランドの紹介に続きます。
References
The Royal Parks, "HYDE PARK MANAGEMENT PLAN" (2014)
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