見出し画像

映画『キャッツ』観た感想はかなり辛口。

観終わった直後、この映画を一言でいうと、、、

『ネコちゃんのコスプレ上手くできたでしょー!これミミもシッポもスっゴい自然に動くんだよ!!』

って言いたい映画、かな。

画像1

Catsは舞台は観たことなく、今回の映画が初見。

予告編、凄くカッコよくて楽しみにしていたんだけど、、、

これはダメ。
面白くなかった。

予告編見たとき以上の感動が何も無い。いやそれ以下かな。

予告編はワクワクしたもんね。
本編は、、、それがなかった。


「入り込めない」
「ダンス、歌唱の見せ場が少ない」
「映画の良さが出てない」

終始、誰の目線か分からない。
物語の進行が誰の目線か、というのは大事なこと。

それによって、本編全体のメッセージ性とか、方向性とか、誰に感情移入して観進めるか、、などが決まってくるから。

この映画はずーっと第三者目線。
傍観者の目線。

終始、上から箱庭の中の出来事を俯瞰しているかの様な感覚になる。

それはそれで手法としてはアリだし、良いはずなんだけど、、、ね。

物語がファンタジーというか「或る夜の出来事」というか「千夜一夜物語」の中の1話、、的なもので、架空の世界のハナシ。

そういう物語があってもいい。
けど、だとすると観客を引き込んで「さあ!一緒にこの世界をご覧!」という感じの引き込みというかスタンスでないとシラけてしまってダメだよね。

これはネコの世界だから、ネコになりきれない自分、ネコに感情移入できない、という事ではなく。

だって、「猿の惑星」では自分ならこうする、アイツは悪い、コイツがカッコいい、、などと登場人物の誰かに感情移入して観てる。

メリーポピンズもシェイプ・オブ・ウォーターも、アラジンも、ライオン・キングでさえも、架空の話とは理解しているが、感情移入はできる。

アナ雪だって、リトル・マーメイドだって、マダガスカルでも、ズートピアであっても。

ネコだから、ありえない話だから、という理由ではない。

目線が大事ってこと。

世界観に入っていけない。
最初は、説明だから仕方ないかなあ、と導入のシーンを多少ダレるけど長いなあと思いながら観てた。

ここ、少し寝てしまった。


そして。
この手のミュージカルだと、形式的にそれぞれのパートというか、キャラクターの魅せ場が楽しみになる。

このキャラはどんな風なのかな?
何が得意でどんな披露をするのかな?というの。

それがね、、、魅せきってない。
短いというか、魅せてくれてないというか。。。

それぞれの演者の凄い、というところもないし。

俳優としての演技的な迫力、地力は感じるけど、歌とダンスは、、不足感が先に出る。

見応えのあるシーンを期待してるのに。不満が募る。

イアン・マッケラン、俳優としては好きなんだよ。ジュディ・デンチも。

でも、、、歌と踊りの魅せ場としては、物足りなかったな。

よく聞く「ミュージカル嫌い。突然意味なく歌い出すし。。。」という言いぶんに加担するかのような仕上がり。

もしも上のような人がいたとしても、グレイテスト・ショーマンのショーアップされた魅せ場には圧倒されるし、歌唱とダンスの凄さを観るだけでも十分に響くものがあると思うんだよね。

オペラ座の怪人にしても、レ・ミゼラブルにしてもアマデウスにしても。

歌唱だったり、楽曲だったり。
迫力そのものに惹かれる。

この映画は歌唱シーン以外は臨場感のための楽曲挿入がほとんどない。

セリフもほぼ歌だから歌ってないときは無音状態。

これがね、緊張感として良い効果になるのは舞台だからなんだよね。俳優の息遣いや鼓動が近く感じられるのは。

映画でしかも目線が傍観者目線となると、気まずい沈黙でしかない。シラけに繋がる。

そして、更に。

傍観者目線なハズが、妙に顔のアップが多い。

コレは、、、、
舞台に比べて映画の良いところのハズなんだけど。

舞台だと遠いから演者の顔や表情は小さくて見えないからね。

それなのに良さ、として感じるよりも“なぜこんなにこの子のアップばかり?”って感じてしまう。

それくらい、意味なくアップが多い。しかもそれが可愛い(笑)

メチャメチャ可愛い。

でもね。この子の可愛さをアップにしたかったのか??
それで、ミミが動くところを魅せたかったのか??って思ってしまうほどに、アップ責め。

可愛いんだけどさ。ヴィクトリア。
踊りをもっと魅せてよ。
踊れる人なんでしょ??って。

個人個人のパーツの魅せ場もねえ。。。なんか古いし。

ゴキブリの表現だけはやけにリアルじゃんか、、、みたいな。

群舞のシーンも物足りない。

予告編でカッコ良かった群舞のシーンは本編では魅力なかった。

うーん。。。。

あんなに個性的な姿で、独特のシチュエーションなのに。もったいない。

メリーポピンズの煙突工のダンスとか、グレイテスト・ショーマンの群舞のシーンは凄かったなあ、とイヤでも思い出してしまう。


映画だからこそ、の良さが出てたのはタップダンスのシーンで足元がアップで観れたことだな。

せっかくの登場人物(猫)の大きさに合わせた部屋、キッチンや車両なんかのセットがあるのにあんまりワクワクしたシーンにはならなかったなあ。。。

だれかアテにして観たい演者がいたとしても観て不足感あっただろうし、舞台より良かったと言えるシーンがあまり感じられなかった。

メリーポピンズは前作の映画も舞台も観てないけど、舞台観てみたいなと思ったし。

レ・ミゼラブルも、オペラ座の怪人も同じ。でも、これは舞台観たくはならなかったな。。。


最後にジェニファー・ハドソンの「メモリー」が凄い迫力とソウルがあって良かったのが救い。

この歌唱の途中から目線が下に降りてきて、登場人物たちの目線になってた。

ハドソンに同情と尊敬を感じているところでここだけ映画的な魅せ方。

結局、この映画で良かったのはグリザベラ役のジェニファー・ハドソンの歌唱とエンドロールのテイラー・スイフトの歌。
あとはヴィクトリア役のフランチェスカ・ヘイワードのネコのコスプレの出来が異常に良かったこと。

あ、ネココスプレのできはオールドデュトロノミー役のジュディ・デンチとミストフェリーズ役のローリー・デヴィッドソンも凄く良かった。

そんなわけで、他人にはおススメはしないなあ。

五段階評価のときに
5……文句ナシ、全ての人におススメ
4……興味関心がある人なら面白い。
3……好きなら観てみても良いのでは?
2……好きでも観てもツマランだろうな
1……他のことしたほうがいいよ

という感じで思ってるんだけど、、、この映画は2かな。


NOTE手探りで始めたばかりです。もしサポート頂けるととてもありがたいです。撮影に関する技術、機材、スポット情報と映画レビュー投稿の共有に役立てたいです。