足関節安定性障害について考える

こんにちは!

今回は足関節安定性障害について考えていきたいと思います!




足関節安定性障害

・足関節安定性障害は前外側不安定性が多い
他にも遠位脛腓靭帯結合の損傷による前下脛腓関節不安定性、距骨下関節の靭帯損傷による距骨下不安定性がある


機械的安定性障害

遠位脛腓靭帯

・足関節底屈位から背屈位になるとき脛腓間は約1~2mm離開する→腓骨は外方・後方・外旋が関与し、前下脛腓靭帯の切除は腓骨の外旋不安定性増大との関係がいわれている

・遠位脛腓靭帯の損傷は一般的は足部の外旋、過度な背屈により生じるとされるが過度な内返しや外返しでも起こる


距腿関節

・前距腓靭帯損傷では前方不安定性は増加するが内返し不安定性は変化はみられない

・踵腓靭帯が損傷することで内返し不安定性は有意に増加する

・前下脛腓靭帯損傷でも内返し不安定性は増加する



距骨下関節

・前距腓靭帯・踵腓靭帯の複合損傷例の28.8%で頸靭帯の損傷を認める


距骨下関節

・頸靭帯や骨間距踵靭帯は内反捻挫時に半数以上の割合で合併損傷しているという報告がある→近年では前距腓靭帯・踵腓靭帯の複合損傷の28.8%で頸靭帯の損傷を認めた


評価

遠位脛腓関節

・疼痛の有無によって評価するテスト
→external rotation test、squeeze test、dorsiflexion with compression test、stabilization test


・動揺性を評価するテスト    
→cotton test、fiblar transration test


距腿関節

・一般的には距腿関節をストレスX線撮影による前方引き出し検査や距骨傾斜角が用いられる

・徒手によるものは診断制度も明らかになってないものもあるので判別には注意が必要



距骨下関節

・足関節背屈10°で固定した状態で踵骨に対して外旋、内返しを行い動揺性を見る方法や、medial subtalar glide testがある→medial subtalar glide testは陽性例はX線撮影でも不安定性を認めたとされるが検査の信頼性や診断制度は不明



バランス評価

・バランス評価では両脚立位・片脚立位・タンデム肢位、両脚立位から片脚立位時の体幹や骨盤の動き、star excursion balance test(SEBT)などがある→SEBTは従来では8方向だったが近年は前方、後外側、後内側の3方向で行うことが多い



足関節安定性障害に対するアプローチ

遠位脛腓関節

・脛腓関節の離開を防ぐ、距骨の外旋などを防止するテーピングを行う


距腿関節

・subtalar sling tapeというテーピング法は足関節の前外側不安定性を制動するのに効果的

・距骨の後方滑りを誘導するモビライゼーションなどもある


バランス障害に対するアプローチ

・静的バランストレーニング→バランスマット、バランスディスク
 動的バランストレーニング→hop to stabilizationトレーニング

・足部・足関節の皮膚、関節、筋腱からの感覚入力の向上を目的に距腿関節のモビライゼーションや足底マッサージ、下腿三頭筋のストレッチがある

筋機能に対するアプローチ

・トゥウォークやトゥサイドステップ、カーフレイズなどがありゴムチューブでの負荷を加えたりなども行う




慢性足関節不安定症(CAI)

・繰り返しの足関節捻挫などにより慢性的な足関節捻挫の再発や主観的な足関節不安定感がある場合は慢性足関節不安定症(CAI)という

・CAIは靭帯の機能不全に由来する機械的不安定性、機能的障害に由来する機能的不安定性や主観的不安定性が関与する

・健側に比べCAI側では距骨が脛骨に対して約1mm前方変位しているといわれている→距骨の後方滑りが制限され足関節背屈制限の原因になる

・CAIでは足関節の外返し筋の反応遅延や筋力低下が認められる

・CAIにおけるバランス機能障害に関連する因子は

①足関節外側靭帯や関節包の求心性神経線維の損傷
②足底感覚の低下
③体性感覚入力障害による視覚情報への依存
④足関節背屈可動性制限
⑤足関節外返し筋力低下 があげられる


・足関節の底屈・内返し方向への関節位置覚が低下する

・歩行時に足関節や前足部の内返し、下腿の外旋が増大し、足関節背屈が減少する

・股関節では、ストップや切り返し動作において股関節の屈曲や外転の増大が報告されている


いかがだったでしょうか。

足関節の安定性障害は臨床でも比較的に遭遇することが多い疾患だと思うので何回でも見直しておきたいですね!

ではまた✋


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