開張足・外反母趾

こんにちは!

今回は開張足・外反母趾についてやっていきます!



足趾障害に関わる関節

①リスフラン関節
・第1趾列の運動は距骨下関節外返し位で増大し、内返し位で減少する
・第5リスフラン関節は背屈時には外返し、底屈時には内返しが起こる

②MTP関節
③IP関節



足趾障害とアーチ機能

①横アーチ

・主な役割は衝撃緩衝である

・中足部後列→舟状骨と立方骨による立方舟関節

・中足部前列→楔状骨が楔間関節と楔立方関節を構成し中間楔状骨が頂点となる また第1~5中足骨頭が前足部における横アーチを形成し第2中足骨が頂点となる

・横アーチの低下の原因として
①ウィンドラス機構の破綻
②外側縦アーチの過剰な低下
③横アーチを支持する靭帯構造の破綻と筋機能の低下 がある

・立脚後期での足関節背屈時には母趾内外転筋の同時収縮により母趾中足骨および基節骨の安定性を向上させる→ウィンドラス機構が破綻すると内側縦アーチと横アーチの過剰低下が起こる

・前足部の不安定性増大に伴い中足骨は内転し、横アーチの低下により外反母趾が助長される


②外側縦アーチの過剰低下

トラス機構の破綻などにより立方骨降下が起こると外側縦アーチが破綻し、第5中足骨が外転し内反小趾の原因となる
また立方骨の過剰低下が起こると楔舟関節の不安定性増大するといわれ、これにより第1リスフラン関節の過剰な底屈・外転を引き起こす→軸回旋が不安定になり母趾内外転筋の拮抗力が破綻、結果外反母趾へと繋がる


③横アーチを支持する靭帯構造の破綻と筋機能の低下

・前足部を保持する靭帯(背側中足靭帯、底側中足靭帯、深層中足靭帯)が破綻すると前足部の横アーチの低下が起こる

・横アーチを支える外在筋としては前・後脛骨筋、長腓骨筋がある

・後脛骨筋機能不全は内側縦アーチ、横アーチの低下の原因になる、また長腓骨筋は収縮することで横アーチ、第1趾列の安定化に貢献する

・内在筋としては母趾内・外転筋、底・背側骨間筋が足部剛性に関与する



X線評価

①外反母趾角(HV角)

母趾基節骨と第1中足骨のなす角度。正常は9~15°、軽度20~30°、中等度30~40°、重度40°以上

②第1~2中足骨間角(IMA1-2)

第1中足骨の長軸と第2中足骨の長軸がなす角度。第1中足骨の内反をみる。平均は9~10°

③第1~5中足骨角(IMA1-5)

第1中足骨の長軸と第5中足骨の長軸がなす角度。開張足をみる。
正常値の平均は25°で、30°以上が異常

④内反小趾角(第5中足趾節角)

第5中足骨の長軸と第5基節骨のなす角度で、内反小趾をみる。
正常値の平均は10°で、12°以上で異常


・フットプリント


・母趾伸展テスト(ウィンドラス機構の評価)

・前足部の評価

前足部のアライメント評価はThe Foot Posture indexにより評価する


・内側縦アーチの評価

①第1趾列のアライメント評価
第1中足骨の位置が第2~5趾に対して底・背屈していないかをみる

②舟状骨高の確認
→舟状骨高の下制が大きいとMSt時にCOPが過度、急激な内側移動が起こる

③後脛骨筋の機能不全
踵骨の過度の外反が起こると屈筋支帯が伸張され後脛骨筋腱が圧迫されることで後脛骨筋は機能不全を起こす→後脛骨筋の筋力低下なのか、機能不全なのかを見極めることが必要になる

・外側縦アーチの評価

①立方骨
立方骨の下制は距骨下関節回外、踵立方関節の不安定性、踵骨の前方傾斜などが原因のものが多い
外側縦アーチの構成要素のなかで大事になるのが立方骨になる→立方骨に付着している短母趾屈筋、母趾内転筋斜頭線維、短小趾屈筋はアーチ構造に必要なトライアングルを形成している
立方骨は外側縦アーチの要になるため可動性と偏位を評価する→立方骨に付着している内在筋を促通すると立方骨のリアアライメントが改善されやすい


②長腓骨筋
第1中足骨と内側楔状骨を引き寄せることで内側縦アーチを高め、第4・5列の固定と第1列の底屈、ショパール関節軸に対し回内作用を発揮する
ICからMStにかけて踵立方関節を回内させ骨性支持を高め、MSt以降に第1列を底屈させ母趾側支持を促す


③小指外転筋
内側縦アーチの低下により前足部外反、距骨下関節回内位となり、足部外側への荷重が減少し外反母趾となっている場合、小指外転筋は活動減少による廃用性萎縮を認めることがある

・立ち上がりの特徴

①座位~殿部離床まで
下肢は足底で荷重を受けるための準備として大腿四頭筋や大殿筋、ハムストリングスの緊張が高まってくる、足関節は体重を支えながら背屈してくる必要がある
外反母趾を呈していると足尖に荷重をかけることが出来ないので、身体重心の前方移動は不十分となる
股関節屈曲も制限され、体幹の過度な屈曲代償が起きてくる


②殿部離床~足関節最大背屈まで
股関節屈曲が止まるタイミングで膝の伸展が起こり、殿部が座面から離床してくる、この時に足関節最大背屈位となり床反力が起こる
外反母趾だと足尖の荷重が減少するため後方重心となり大腿四頭筋に過剰な収縮が起こり、PF関節にストレスがかかる
扁平足でも足部回内により膝関節外反ストレスによる脛骨大腿関節や鵞足部痛が起こる


③足関節最大背屈~股関節伸展終了まで
殿部が浮いてくると距腿関節底屈、膝・股関節伸展、骨盤帯前方移動、頭部後方移動を伴いながら、身体重心が上方移動する伸展活動になる


・外反母趾の歩行

通常の歩行では長母指屈筋が活動し蹴りだしが起こるが、外反母趾を呈していると長母指屈筋は活動低下し滑らかな歩行が行われない
主な特徴として

①ヒールコンタクト直後の重心の内側偏位、以降スタンスフェーズ全域にわたる足部回内、MStでの膝の外反モーション、MSt以降の膝関節屈曲・足関節背屈増大、TSt~PSwにかけて足趾の蹴りだしがみられないため距腿関節の底屈の動きが低下していることが多い

また前足部荷重が減少するため床反力を得られずフォアフットロッカー機能が低下する


②母趾での支持機能低下とMTP関節部の疼痛を伴うと、IC~MSt時に足部を回外位にしてTSt時に反対側の下肢に転換させるために過回内が生じることもある→両側性の場合は体幹、下肢の内旋や左右への重心移動により歩行することもある


③横アーチ・内側縦アーチの低下によりTSt~PSwにかけて前足部の剛性が保てず前足部が過回内し、前足部内側の圧が高まり母趾への荷重伝達が困難とあなる→前足部のCOPが前足部~急激に母趾以外の他趾に移動することがある



・足趾の筋機能評価

主にMTP関節の屈曲・伸展・外転の筋力を評価する

・屈曲筋力はMTP関節全体を屈曲出来るか確認する DIP、PIPのみの屈曲の場合は足趾屈筋の機能不全を疑う

・伸展筋力は足関節の背屈の代償が起きていないか確認する

・外転筋力は足趾の開排にて評価する


足趾機能障害の治療

・治療としては内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つに対するアプローチを行う

・横アーチ低下の原因の一つに中足骨の内転があげられる 前足部の開張が横アーチの低下を起こす(開張足)→楔舟関節、リスフラン関節の底屈方向への可動性改善を図る

・横アーチに対するアプローチとしては他にも母趾・小趾の外転筋のエクササイズや母趾内転筋エクササイズ、ショートフットエクササイズなどを用いて横アーチを高めつつ足趾機能の改善も図る



いかがだったでしょうか。

外反母趾は中々難しいところもありますが一つ一つ丁寧に評価して施術をしていきたいですね!


ではまた✋


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