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地平線まで広がるnoteで輝く文章をみつける楽しさ

 私は文を書くのも好きだけど、読むのも好きだ。noteを初めて1か月、いろんな人のnoteを読んだ。「この人、プロでしょ!?」ってくらい上手い文章や、ビジネスや行政に真剣に携わっている、文字通りのプロフェッショナルが書いた記事がゴロゴロ転がっている。

 でも、そういう記事は必ずしもフォロワーやスキ!が多いとは限らなくて、スキ!は少ないけど、良い文章に出会うと、独占した気分になるのと同時に、この書き手の素晴らしい文章がもっと世に広まってほしいなと思う。

 今日は2010年代のブログを思わせるようなユルくて笑えるエッセイを書いているnoteに出会い、思わず本業のXでツイートしてしまった。ほんの少しでも励みになって、ユルい文を書き続けてくれればいいな。文章の好みのジャンルは人それぞれだけど、笑ったり、勉強になったり、勇気づけられたり、誰かのためになる文章がnoteに沢山あるといい。

 一方でnoteには、せっかく書いたのに読んでくれる人が少ない、と悩んでいる人が多いようで、「フォロワーを増やす方法」、「スキ!をたくさんもらえる記事の作り方」、「noteでマネタイズする方法」ってジャンルの記事もすごく多い。

 そりゃ、文章を書いてアップしてスキ!をもらえるのはうれしいし、フォローワーが増えたらとってもいいなと思う。好きなこと書いて、マネタイズできたら、そりゃもうウハウハでしょ。

 短期間である程度のフォローワーやスキ!を増やすのは簡単で、相互フォロー、相互スキ!の互助会に入ればいい。だけどそこはギブアンドテイクの世界だから、自分がスキ!してもらえる代わりに、自分も読みたくもない文章を読んで、好きでもない文章にスキ!をしなければならない。で、たぶん相手がアカウントとして十分成長したら、フォローは外される。もしかしたら自分が外してやろうと考えているかもしれない。用済みはポイする修羅の世界。でもそれって、noteを始めたときにやりたかったこととはだいぶ違うんじゃないかな。

 先日、本業で消費者センターから報告を受けた。無駄に高い布団や、どう考えてもいらない百科事典を買わされたとか、「無料で家電や家具を引き取る」と言われてお願いしたら高額請求された、こんな「あるある話」も相変わらずセンターに寄せられる一方で、若い人からは脱毛・エステの支払いトラブルや、情報商材についての相談が増えているという。

 ネットを使った情報商材は巧みにできている。ネット広告で「SNSを使って●●円稼げる方法を伝授」みたいな情報商材を見かけるが、多くの場合、その方法は「『SNSを使って●●円稼げる方法を伝授』をX万円で売る」というもので、ようはネズミ講だ。「伝授の書」を売っている人も、誰かからその「伝授の書」を買っていて、本当に儲かっているのは一番初めに売った人だけだ。

 noteの世界で量産される「フォローワーを増やす方法」、「マネタイズする方法」系の記事の本質が、「『フォローワーを増やす方法』、『マネタイズする方法』という記事を書くこと」ではないことを祈っている。

 結局のところ、すべての人に刺さる文章になんてないんだから、文を推敲して、アップして、読んでくれる人がいたらうれしいなと待つしかない。日記だったら読者はゼロ人だけど、noteなら誰かが読んでくれる。リアルで5人、10人に文章を読んでもらうことなんてないから、ネットってすごいよね。

 あとはnoteの運営の努力も信じてる。noteのコンセプトからして、埋もれたる逸材が書いた良い文章が、それに刺さりそうな人にレコメンドされる仕組みづくりに日々励んでいる(と思う)。しっかり頑張ってくれ。おれたちゃ、それを信じて書こうじゃないか。

 自分のEvernoteを読み返していたら、作家の村上春樹さんの言葉が出てきた。「初心者のうちは書き直しがすべてです。漫然とあちこち書き散らすのではなく、局地に集中すること。我慢強くトンカチ仕事に励むこと。そこからきっと自然な何かが出てきます」

 トンカチをキーボードに変えて、何かが出てくるまで文を書こう! そして、世の中に埋もれたる、才気あふれる文を、私は読みたい。

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