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勉強する意味って? Vol.77
中学受験 高校進学 大学入試
「何のために勉強するの?」
この問いにあなたはどう答えますか?
『むこう岸』 安田 夏菜(著)
その問いを考えさせられる作品でした。
2人の主人公
ひとりは
努力の末に超難関名門中学校に入学する少年
もうひとりは
父を亡くし、母は病を患ってい、保育園に通う妹の世話をし、生活保護を受けながら一家を支える中学3年生の少女。
出会うはずのないエリート男子と底辺女子の人生が交錯する
生活保護を不正受給する人がいる一方、生活保護を受けられない本当に困った人もいる。
生活保護だけに関わらず、支援してくれる制度を知らない人や申請の仕方すら知らない人も多くいるはず。私はこの本を読んで色々と知ることができました。
公的職員、ボランティアスタッフなど、人数や予算が限られている以上、差し伸べる手にも限界があります。
こちらから申請する「申請主義」にならざるを得ない。しかし本当に困った人が手を差し伸べてもらえるような仕組み作りは必要です。
保護を受けるに至った経緯は人それぞれ、賛同できないような理由の人もいるでしょう。
しかし、その家の子供には全く別の問題です。
この本の中でも描かれているように、保護される子供はどうか負い目を持たないでほしい。
いつか自分が同じ経験をした人を助けるために、保護という形で投資してもらっていると考えればいい。
運よく裕福な家庭に生まれた人やエリートの人。今つかんでいる成功、これからつかむであろう成功から得たものを、自分のためだけに使うだけではなく、困っている人たちにその才能を少しでも使ってほしい。
ルールを変えたり、新たなルール作ってほしい。決して金銭的なものだけが支援ではありません。
この物語の主人公も受験だけの勉強から、人に勉強を教える喜びを通じて、本当の知識や学ぶ意味を実感していきます。
家庭であれ、仕事であれ、学校であれ、ともに過ごす時間が長ければ長くなるほど、ともに過ごす人たちから認められると、より幸福感が増えていきます。
そんな認めてもらえる場を『居場所』といいます。
私が言っていることはきれい事です。
でも理想や希望もなく同じような毎日が繰り返されるだけなら、生きる意味はどこにあると思いますか?
私たちの国でも格差が表面化し広がりを見せつつあります。互いが「むこう岸」として対立するのではなく、誰かが橋渡しをしなければいけません。その役は
あなたかもしれない。わたしかもしれない。
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