テレビには流れない話。話者の態度をよく観察して、「より確からしい」ことを洞察する訓練を。『コロナワクチン失敗の本質』 宮沢孝幸 鳥集徹 宝島新書

(10月10日記)


本書のテーマ

は、「コロナワクチンとコロナ対策への疑問と欺瞞ぎまん」でした。

私は、これまでコロナについての本の紹介、レビュー、言及は、極力、しないことにしてきました。理由は、相反する主張が錯綜さくそうし、識者・学者・医者の誰の説を信用していいのか、調べるために少なくない時間と費用がかかるからです。
ことは、最悪、皆さんの生命にかかわることゆえ、謝ってすむ話ではなく、自分の言葉に命をかけている私としては、軽はずみな発言は、したくないというおきてがあったからでした。
本の紹介、レビューをする人は、己の言葉、見識に責任を持たねば、美しい言葉、うわっつらの言葉だけで、知識の根拠にとぼしいことを述べています。
真に自分は、その言葉を使うに足るのか、厳しく自問する必要があることをきもに銘じておかねば書評子など、やってはいけません。自分の浅い考えで、読者を誤った方向に導引することは有害なのです。という私が、「この人は信頼していい!」と感じたのが宮沢さんでした。


『コロナワクチン 失敗の本質』
宮沢孝幸
鳥集徹
宝島社新書

彼は京大の医生物学研究所ウイルス共進化分野の准教授です。1964年生まれなので58歳になります。
対談相手は医療ジャーナリストの鳥集とりだまりさんで、この人、医学知識レベルが高い人でした。この職の中にもレベルが低い人が多い中、「おっ」となりました。鳥集と書いて「とりだまり」、珍名の一つです。
脱線を許してもらいますが、問1、「小鳥遊」と書いて、何と読みますか?こういう姓の人がいます。答えは終盤に。

宮沢さんの書を読むのは初めてではありません。

『京大おどろきのウイルス学講義』
『ウイルス学者の責任』(共にPHP新書)

も読了ずみですが、皆さんの生命にかかわることゆえ、慎重を期して、地味に知見を蓄積させてきました。その上で、大丈夫!!となったわけです。皆さん、自分の言葉には命をかけるくらいの誠実さ、責任を「常に」「誰にでも」持って下さい。

本書を一言で書くと、「コロナワクチンは善ではない」です。2021年以来、国はワクチン接種を進めていますが、効果についてはコロナ終息とは遠いというのが現実です。
さらに有効性だけではなく、安全性についても疑問符が付いています。
2022年7月8日に公表された厚労省のデータでは、コロナワクチン接種後に、「重篤じゅうとく」と報告された事例は7460件、接種後の「死亡」も1770人になっていました。
ワクチン接種が始まった以降、日本国内の死者数は増え、2021年は前年比約6万7000人増、2022年は4月まで既に前年比4万2000人増となっています。
全てがワクチンと断定できずとも、死者数の増加は、「医療体制も含め」コロナ対策の失敗ではないか、と鳥集氏は述べていました。
ちなみに本日10月10日のコロナでの死者数は4万5557人、感染者数は2157万4921人です。

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