(美達の蔵出しオススメ)『媚びない人生』ジョン・キム

<お知らせ>

『安倍晋三元総理追悼論』(高木書房)を是非、読んで下さい。先日、レビューを公開しています。


安倍晋三元総理追悼論
深田匠
高木書房

現在までの最高の書であり、これ以上の内容の書は、たぶん出ません。著者の情熱と誠実さと公正さも卓越しています。一家に一冊、友人・知人にも配って下さい!! 


<本文>

※2014年9月に旧ブログに投稿した書評です。ご留意下さい。近年、文庫化されました。書影は文庫版です。

本書は2012年の刊行ですが、内容が素晴らしいので取り上げました。

「自分と向き合い、悩みなさい。そして、どんな瞬間においても、自分のことを信じなさい」

こんなメッセージで始まる本書の著者は、慶應義塾大学大学院のメディア・コミュニケーション研究所の准教授をしている人でした。学生からは、最も厳しいゼミと認知されているそうですが、本書は夢と希望、焦りと不安に揺れる青春まっただ中の彼らに、「今この瞬間から内面的な革命を起こし、これからの人生を支える真の自由を手に入れるための姿勢や考え方、そして行動指針を提示したもの」です。

「従順な羊ではなく、野良猫になれ」「やけど、しそうな熱い言葉」とオビにありましたが、本書はそのフレーズを裏切りません(本当にマグマのように熱々でした。これは人間を熱して鍛えてくれます)。

早速ですが、著者の言葉を列挙します。

「自分が今、苦悩していること、さらには社会や未来と戦っていくことそのものが、実は大いなる成長の糧となるのだ」

「孤独な体験や苦しい体験は、後の自分を強くし、幸せにしてくれる」

「強くなければ、実は本当に自分が求める人生を生きていくことはできない」

ここで著者が求める強さとは、

金・名誉とか外面的なものではなく内面的なもの、
自身の尊厳に対するリスペクトを払えること、
辛い逆境でもいつでも受けて立つ気概を持てること、
自分の全ての行動に対し結果に対し、全責任を負う決意の持てること、
何事にも縛られず、とらわれず、物事をありのままに受け入れられる大きさ、動じないこと、
生きる全ての瞬間を人生の最後の瞬間になるかもしれないという緊張感を持ち、その瞬間に全ての心血を注げる、その緊張感や集中力を死ぬその最後の瞬間まで持続できること、

としています。

ここまで言うと、厳しいからとか、世間の人が受け入れやすく、少しマイルドにしようという姑息さ、あざとさが一片もないのが爽快です。

著者は、周りに評価されていく中で、社会的に生きていきやすい自分を作り上げていくことをペルソナと呼び、必要なのは、失われた自分を取り戻し、本当の自分と向き合っていくことと述べています。そのための考え方・行動指針を挙げているのですが、若い人はもとより、年代を問わず、共感できることが並んでいました。

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