八丁味噌蔵〈カクキュー〉直伝の「味噌煮込みうどん」「味噌カツ」のレシピ
大河ドラマの放映をきっかけに、いま注目を集めている愛知県岡崎市。ここには東海地方を代表する調味料があります。
それは、味噌煮込みうどんや、味噌カツなどで使われている八丁味噌です。江戸時代より370年以上、人々に愛される伝統の調味料として全国的に知られています。
岡崎城より八丁(約870メートル)西にある八丁村(現:八丁町)で生まれたことが名前の由来と言われる八丁味噌。その特徴は、大豆と塩のみで木桶で仕込み、自然の温度変化に任せた天然醸造、2年以上の長期熟成で造られていること。
この結果、見た目は一般的な米味噌に比べ、水分含有量が低く、硬い質感で
赤黒い仕上がりになります。
味わいは香ばしい大豆のうま味が凝縮されていてコク深く、唯一無二の芳しさ。
栄養価も高く、風味絶佳なため、海外からもヘルシーな食材として近年注目を集めています。
今回は世界に2軒しかない江戸時代から続く八丁味噌蔵の中から、1645年創業の〈カクキュー〉が運営する食事処〈食事処休右衛門〉の調理スタッフに、ご家庭でも作れるようにアレンジして頂いた八丁味噌を使った定番レシピをふたつ教えていただきましたのでご紹介します。
味噌煮込みうどんのつくり方
<材料> (1人分)
うどん:1玉分
干ししいたけ:1枚
長ネギ:1/4本
油揚げ:1枚
卵:1個
かつおのだし汁:200ミリリットル
鶏スープ;200ミリリットル
八丁味噌:35g
<つくり方>
1.土鍋とは別の鍋にお湯と干ししいたけ、八丁味噌を入れて溶かし味噌ベースをつくる。
椎茸は取り出す。
2.1人前の土鍋に1を入れ、カットした油揚げもいれる。
3. 2に鰹出汁と鶏スープを入れて煮立たせる。
4.うどんを加え4分煮込む。
5.食べやすい大きさにカットしたネギと卵を加え、1分煮込んだら出来上がり。
<つくり方、素材選びのポイント>
①一般的な味噌に比べ八丁味噌は硬い質感のため、味噌漉しを使いヘラで擦りつけるようにして溶かしていきましょう。
②うどんは味噌スープと一緒に煮込むため、味噌煮込みうどん用の塩分控えめで加水率低めの生麺の使用がおすすめです。これによって味噌煮込みうどんならではの、“アルデンテ”なうどんに仕上がります。
もし一般的なうどんを使う場合は、下茹でして塩分を抜いてから手順5のタイミングで加えましょう。
③八丁味噌は味が豊かなため、いつもより多めの鰹節で鰹出汁を取っておくことでバランスの良いスープに仕上がります。
④八丁味噌の風味に負けないよう、味の濃い卵を使うのがおすすめ。〈食事処休右衛門〉では岡崎の地鶏・岡崎おうはんのプレミアムランニングエッグを使用しています。
味噌カツのつくり方
<材料> (1人分)
豚肉(ロース):120グラム1枚
卵:1個
パン粉:10g
塩・こしょう:適量
小麦粉:適量
千切りキャベツ:適量
炒りごま:適量
揚げ油:適量
【A】(つくりやすい分量)
「八丁味噌」または「赤出し味噌」:80グラム
砂糖:30g
水:適量
<つくり方>
1.豚ロース肉は筋切りにしてたたき、塩・コショウで下味をつける。
2.豚ロース肉全体に小麦粉、溶き卵、パン粉の順につけて、170度に熱した油で揚げる。
3.味噌ダレをつくる。鍋にAを入れ、弱火にかける。ヘラで絶えず練り合わせ、全体が馴染んだら出来上がり。お好みで削った柚子、ごま、山椒などをアクセントに入れると風味が増す。
4.カツに味噌ダレをたっぷりとかけ、炒りゴマをちらし、お皿に千切りキャベツを添えて完成。
<つくり方、素材選びのポイント>
①〈食事処休右衛門〉では、抗生物質、ホルモン剤不使用のブランド豚「いさむ・ポーク」をカツに使用しています。
②揚げ油は菜種油とラードをブレンドして使用することで、豚の旨みがありながらも重たすぎないカツに仕上がります。
③味噌ダレは耐熱容器にAを入れ、レンジでチンしてつくることもできます。
煮込んでも風味が飛ばず、おいしく仕上がる八丁味噌料理はいかが?
八丁味噌は一般的な味噌と違い、長く煮込んでもエグ味が出ず、風味が飛ばないため、調理に失敗しづらいのも大きな魅力。特に、煮込みうどんやおでんなどの長時間煮込む料理に向いています。
またホイコーローや、カレーなどコクのある料理の隠し味としても有効です。著名な料理人にも愛されるカクキューの八丁味噌なら、自宅でも簡単に本格的な味わいが楽しめますよ。
<カクキュー八丁味噌 協賛プレゼント企画>
カクキューのヴィンテージタイプの八丁味噌が抽選で20名様に当たります!
『みたすくらす』が、日本のローカルをテーマにしたウェブマガジン『コロカル』とコラボレーション。コロカルでは八丁味噌の一風変わった製造風景や、味噌同様に熟成されてきたその歴史に迫ります。こちらも合わせてお楽しみください。