敏感すぎて生きづらい人のこころがラクになる方法【読書メモ】

今回は、長沼睦雄氏著『敏感すぎて生きづらい人こころがラクになる方法』を読んで、ためになったところを要点のみまとめて行こうと思います。

HSPとは

HSPとはHigh Sensitive Personの略で、日本語に直訳すると感覚処理過敏性です。
具体的にどういう人を言うのかというと、
・深く処理する
・過剰に刺激を受けやすい
・感情の反応が強く、とくに共感力が高い
・ささいな刺激を感知する
…といった気質を持った人のことであり、この気質は生まれながらに与えられたものであるといいます。

周囲の刺激を感知しやすく、またそれに左右されやすいHSPの方は、なんらかの生きづらさを感じていることもしばしば。本書は、HSPの方々の生きづらさが少しでも楽になるための方法を提示してくれています。

自分軸をもつ

本書では冒頭に"自分軸をもとう"と投げかけます。
自分と他人の境界線が脆かったり、自分を大切にして優先する"自分軸"が弱いと、周りに振り回されてしまうのです。HSPはその敏感な気質故、HSPでない人に比べて様々なことに気がついたり、共感力の高さ故に他人の問題であっても自分ごととして捉え助けようとしたりするところがあります。だからこそ、自分のしたい選択肢よりも、周囲が求めている選択を優先してしまうことが多いというのです。なかには、幼い頃から周りが望む行動を選択し続ける中で、"すべき選択"と"したい選択"の区別がつかなくなっている人もいます。

自分軸を持つことは大事!それはわかった!!
…でも実際に自分軸に基づいて行動するのは難しいという方がほとんどでしょう。そういう方のために、本書では、自分軸に基づいた行動決定をするための方法論を示してくれているので、以下に一部抜粋していきます。

①損して得とれ
 嫌なもの・ひと・こと からは思い切って離れる
→自分の感情に善悪をつけずに、"どうしたいか"で判断するよう心がける。世間体をつくろうよりも、心身ともに疲れ果てているあなた自身を守ることの方がずっと大切!

②自己肯定感・自己重要感
 自分のしたことを善悪で判断せず、客観的に「人」と「こと(問題)」に分けて考える
→失敗したことは失敗したこととして、自分を責めることはやめましょう。そんな弱いところがあっても大丈夫。弱さは長所でもある!"強い人間とは、自分のにある弱さも、自分の一部だと認められる人"だと著者は言います。

③思考のくせをとる
それは本当に自分の考え?
→「〇〇すべき」「〇〇すべきでない」「〇〇しなければ」といった価値観を「べき思考」と呼びますが、HSPや自己肯定感が低い人は「へき思考」にとらわれやすい傾向にあります。でもそれは周りからの刷り込みや自分自身の思い込みがほとんど。他にも、HSPに特徴的な思考のくせには、白黒(0-100)思考、極端な一般化、部分的(悪い点ばかり)焦点づけ、相手の言葉に対する飛躍的深読み、過小評価/過大評価…などなあります。こういった思考のくせに注意して、本当に自分の考えなのか立ち止まって見直してみるのもいいかもしれません。

④インナーチャイルドを甘えさせる
 心の中の幼い自分の親になったつもりで、自分に声かけする
→甘えさせると甘やかすは別物です。抱いた感情を受け止め、頑張ったことはしっかり褒め、辛い時は精一杯寄り添い励ます…。多少自分勝手でも大丈夫なので、自分の本心に寄り添う機会をもちましょう。

まとめ

本書では40ステップに分けて、自分軸をもって生きるためのヒントを提示しているほか、15のワークで自己理解の機会を与えてくれています。

私が本書の言葉の中で心に残っているのは、
"自由とは他者から嫌われること"
という一節です。都合のいい人でい続ける限り、自分を利用してくる人に振り回されてしまいます。そうならないように、気に留めておきたいものです。

最後になりましたが、周りに振り回されて疲れ果ててしまっているあなたは、是非本書を手にとってみてほしいと思います。

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