知ることから、Feel India.【#3】飛行機乗り換え〜初めてのインド編
クアラルンプールの空港に着き、フリーWi-Fiに繋いで先に到着している彼女に連絡した。
僕が乗っていた飛行機の到着が遅れたこともあり、駆け足気味にスターバックスでチキンボールサブとアイスラテ、それにペットボトルの水を購入する。
関空でもペットボトルの水を3本買っていたので、合計4本。これだけあれば、一晩過ごすのに余裕を持てるだろう。
盲点だったのは、乗り継ぎとはいえクアラルンプールからデリーに向かうのも国外に出ることになるから、飲料を持ち出せなかったこと。
アイスラテは一口だけ口をつけて捨て、水は全て没収された。
水なしインド旅行の始まりである。
手荷物検査を終えて数分の間にチキンミートボールサブを食べ、機内へ。
19:00(マレーシア時間)
飛行機が飛ぼうとしてる。忘れないために、起きたことや感じたことをなるべくスマホでメモを取っているのだけど、スマホを触っていたら乗務員に「スマホを操作しないで」と怒られた。
でも後ろの席で電話してる(おそらく)インド人は何も言われていなかった。
既にインドは始まっているのかもしれない。機内にはもう嗅いだことがない独特の匂いがしている。
19:45頃(マレーシア〜インドの時差に合わせて時計の表示も変わり、もはや時間の感覚がわからなくなってくる)
機内食らしき匂いがした。
アルミホイルを開けると、何かの粉焼いたナンのようなもの(今ならこれがチャパティさだとわかる)と、チキンカレーに「その国っぽい」米と野菜のあえ物が入っていた。
慣れない香辛料の匂いに少しエズきながら、完食。
ふと外を見ると雲の隙間が夕焼け空が燃えていた。
前の席ではインド人が日本のアニメを観ていて一瞬脳がバグる。
映画一本でも観れば到着すると思っていたら時差で時計がどんどん巻き戻しされていき、途中で時間がほぼ進んでいないことに気づいた。
機内で書かなければいけない紙(パスポート情報やら目的地など)を搭乗員に渡されていたが、質問項目に書かれている英語に自信がなかったので彼女の元へ行く。
席がガラガラだったので少しだけ居座り、なんやかんやと話して、それ以降は自席で寝落ちしていた。
途中からインドの夜景を拝むことができた。
ところどころ淡いオレンジ色の光が多く、炎が揺らいでいるように見える。その光の隙間を縫う影の数で、人の密度を感じられた。そして、どの建物も低く、歪な正方形が並ぶような街はまるでパズルのようだった。
あと後ろのインド人着陸前後ずっと電話してた。
ニューデリー空港に着いた直後は入国審査にビビったり、手配していたタクシードライバーとの合流に手間取ったり、なんやかんやであまり写真を撮れなかった。
手配していたタクシードライバーと合流するために空港の外に出る。
思ったほどでは無いけどそこはかとなくジメッとしてる温度と湿度。
土と花と香辛料と人のフェロモンが混じったような匂い。
そして鳴り止まないクラクションの音。
なんか…インドっぽい…。
彼の車でホテルまで送ってもらう。
インドの運転は「荒い」と言うよりも、「日本では考えられない合理性」を感じた。とにかく隙間を埋めるように車とトゥクトゥクがひしめき合い、クラクションを鳴らしながら我先にと前へ詰めていく。
それで成り立っているのだから、彼らの「運転に対する倫理観の共有」はある意味信頼できるのだろう。
高速道路らしい大きな道路に入るとその密度は緩和され、滑らかに車は進行していく。
初めて観るインドの街並みに、驚きと興奮を覚えながらシャッターを切る。
そうしてタクシーはホテルに着いた。警戒心がまだまだ尖っている僕は、ホテルのドアマンにすら怯えを感じ、タクシーからホテルまでの数mの距離に全力を注いで移動した。
そして初めてチップを渡した。細かいお金を持っていなかったので100ルピー。
インドでの初めての宿は、想像していた「インドらしいホテル」とは違い可愛いデザイン。今回の遠征では宿代だけはケチらず、水回りが綺麗そうで布団が綺麗そうなところを選んだので、少し安心した。
たまたま同じホテルに日本人のおじさんが住んでいて「こんばんは」と話しかけられた。「日本人!?」と返事をしてしまい、少し笑われる。
談笑した後に2階の外に面している踊り場でタバコを吸った。
脇道から大声と共に、数名の青年が走り出してきた。一人が追われる形で三名が追い、もう一名は後から大型バイクに乗って追いつく。追われる一人が集団リンチにあい、蹴りが入ったタイミングで周りの大人達が止めに入った。
初日の夜にヤバいもん見てもうたぁ…という気持ちで、夜だけは本当に気をつけとうと心に誓う。
ついに上陸したインド。
ホテルが大通りに面していることもあり夜から朝までクラクションが鳴り響いていたが、そこにストレスを感じる間も無く寝落ちとクラクション起きを繰り返した。
長かった1日目が、こうして幕を閉じた。
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