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現場目線で語る、LUMIX S9と「ある2本のレンズ」が風景・スナップ・人物を撮る夏の旅行で超快適だった理由。あと、一個だけ弱み。

三谷です。

先日、こんな記事を書きました。

友人との四国二日旅を写真と共に振り返る日記かつフォトセットみたいな記事ですが、こちらの記事に掲載している写真は全てLUMIX S9で撮影したものです。

大炎上してたやつですね!

まぁ正確に言うとこのカメラが炎上した訳ではないのですが、とは言えキッカケがコイツやったもんで良くも悪くも注目度が高まったカメラではあります。

一方で、具体的な使用感やどんな写真が撮れるかについては、あんまり情報が回ってこないな〜という印象です。

と言うことで今回の記事では、四国での旅撮影を通じて感じた「LUMIX S9」や「LUMIXのレンズを組み合わせたシステム」の利便性に強み、ちょっとした弱みなどなど、前回の記事では語れなかった「道具軸」の話をします!

既にLUMIXをお使いの方には耳タコな話も含まれますが、「うんうんやっぱりそうだよね!」って温かく共感いただけると幸いです。

ちょっと前置きというか前提条件が長くなってしまうかもなので、本題だけ気になる方は「S9が旅撮影にマッチしているポイント」に飛んでください!


■S9ってどんなカメラ?

スペックや特徴は公式からも出てるので、こちらではあくまで個人的な所感でS9を紹介します。ある程度ご存じの方は読み飛ばしてもらってもOK。


三谷がS9を人に紹介するとき、ざっくりこんな感じで紹介します。

・写り◎
・利便性◎
・コスパ◎
・妥協点に理解がないと事故る

写りはもちろん利便性がかなり高いカメラです。ただし、妥協点への理解はあった方が良いお付き合いができます。

後に続くトピックと被りますが、特徴はやはり「小型軽量でフルサイズ」「LUTボタンや強力な手ブレ補正による写真・動画双方におけるクリエイティブな撮影体験」など、目の前のシーンに集中できる機能が十分に備わっています。

一方で、その小型軽量を実現するために「ファインダーレス」「グリップレス」「メカシャッターレス」「コールドシュー」など、カメラっぽい形したカメラに一般的に搭載されているなんやかんやを排斥したことによる不便さは否めません。

とは言え、これらが無いと撮れないかと言われると、そういうことでもない。

メカシャッターってなに?
コールドシューってなに?
って人も多いと思うんです。

あったら確かに便利だけど、これらを排除することで、小型化等の優位性を最大限に保つことができる。

ここが「妥協点の理解」です。

というか、カメラは欲を言い出せばキリがなくて、「僕が考えた最強のカメラ」を実現するには多大なコスト、大型化、熱処理問題などなどが発生するのです。つまりキリが無い。

そういった視点でS9は、一般利用には十分すぎる機能が備わり、「それらの機能が無くてもなんとかなる」「それらの機能が必要なら他のカメラを使った方が良い」と、使い分けがしやすいカメラと言えます。

細かなスペックや機能についてはこちらをご覧ください。

■今回の旅行で使用したカメラとレンズ

S9を持つわい(左)。
顔の大きさとカメラの小ささが相まって、ちょうどカメラが顔の半分くらいのサイズになっていますね。

■カメラ
・LUMIX S9
■レンズ
・LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.
・LUMIX S 18mm F1.8

これだけです。

この組み合わせにした理由は、すべてのトピックをご紹介した最後に振り返りとしてお伝えします。

一応サブ機でスナップ用コンデジを持っていきましたが、28-200で近しい焦点距離の写真が撮れたことと、手元にS9を置いていたのであまり出すことはありませんでした。

ホテルにチェックインして軽装で晩御飯を食べに行く時なんかはスナップ用コンデジの方が身軽でしたが、それ以外は首からかけてるS9でサクッと撮れたなって所感です。

■S9が旅撮影にマッチしているポイント

なんでもない写真だけど気に入ってる鰻丼。
これは28-200mmのハーフマクロの恩恵。

LUMIX S9
LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.
F4 SS1/30 ISO500

それでは本題に入りましょう。

■焦点距離の縛りから解放される「ハイブリッドズームとクロップズーム」

LUMIX S9
LUMIX S 18mm F1.8
F1.8 SS1/320 ISO320
35mm判換算焦点距離:30mmで撮影

LUMIXでは、S9より「ハイブリッドズーム」と「クロップズーム」と呼ばれる2種類のズーム機能が搭載されています。

簡単に説明すると、

■ハイブリッドズーム
ズームリングの操作のみで、本来の焦点距離以上のズームができる
■クロップズーム
画面上のバーのスライド操作のみで、本来の焦点距離以上のズームができる

という機能です。ハイブリッドがズームレンズ、クロップが単焦点レンズ向けの機能になります。

これらのズーム機能の嬉しいところが、1mm単位で焦点距離を変えられるところ。18mm単焦点が、20mmにも、24mmにも、28mmにも、35mmにもなってくれます。

例えば上の写真は、18mmの単焦点レンズを使用していますが、クロップズームを活用して30mmで固定して撮影しました。

しかも、RAWだと本来の焦点距離で撮影したデータとして残っているので、「現場でクロップズームで撮影したけど、やっぱ広角が良かったかもな」って時のリカバリーもできます。

本来はこう撮れていました。

LUMIX S9
LUMIX S 18mm F1.8
F1.8 SS1/320 ISO320
35mm判換算焦点距離:18mmで撮影


左:18mm 右:30mm(クロップズーム)
パッと見の比較用で横に並べましたが、実際の画像サイズは右の方がトリミングされている分小さいです

「後でトリミングしたら良いじゃん」ってのはまさにその通りなんですが、それはあくまで結果論で、現場での撮影体験は大きく異なります。

機能についての詳細は、こちらの記事をご覧ください。

で、今回の使用機材に対して、これらのズーム機能を具体的にどう使用したかが以下の通りです。

■風景や暗所などのガッツリ撮影
LUMIX S 18mm F1.8にクロップズームを組み合わせて、18mmか30~35mmで固定して撮影
■移動中や食事中などラフに撮影
LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.にハイブリッドズームを組み合わせて、実質28-620mmのレンズとして標準〜超望遠スナップ

わかりますかね。

例えば、人によっては「普段は35単が好きだけど、風景用に広角も持って行った方が良いよな」「荷物を減らしたいから便利ズーム一本が楽だけど、明るい単焦点が一本あると安心(だけど焦点距離を選びづらい)」みたいなことってあると思うんです。ていうか僕がそうです。

ですが、これらのズーム機能を使うことで、
・18mm単焦点は35mm単焦点にバケる
・28-200mmでも十分だけど、もうちょい望遠でも撮れる
という使い方もできるんです。

もちろん、双方とも実際にはカメラ内でクロップしているだけなので画質やボケ感は本来の焦点距離のレンズに比べると劣りますが、スマホやPCで見るだけならそこまで気になりません。

むしろ荷物を減らせる恩恵の方が、多くの人にとっては大きいでしょう。

実際、jpgでセレクトしていると、特に30~35mm近辺の写真はどっちのレンズで撮ったかほぼわからないくらいでした。

■フィルター共用であらゆるシチュエーションにコスパ良く対応

NiSiのAllure Softを使用。
強烈な朝日の光が少し和らぐ。

LUMIX S9
LUMIX S 18mm F1.8
F1.8 SS1/5000 ISO100

これはS9というかLUMIXのレンズの魅力ですが、LUMIXのSシリーズレンズは多くのレンズをΦ67mm径で統一しています。

F1.8シリーズを始め、S9のキットレンズでもあるLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6やLUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.、今年発売されたLUMIX S 100mm F2.8 MACROもΦ67mmですね。

つまり、あらゆる焦点距離での撮影に対して、フィルター共用で様々なシチュエーションにコスパ良くアプローチできるということ。

K&FのCPLフィルターを使用。
水面の反射を抑え透明感を強調。

LUMIX S9
LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.
F6 SS1/125 ISO250
同様にK&FのCPLフィルターを使用。
海の青がドシンと重く表現されている。

LUMIX S9
LUMIX S 18mm F1.8
F1.8 SS1/2500 ISO125

実際に、今回使用した18mmF1.8と28-200mmは双方共にΦ67mm、持ち出したフィルターはNisiのAllure SoftとK&FのCPLの2枚です。

S9のズーム機能を使うことでレンズを減らし、レンズ径が一緒のレンズを選ぶことでフィルターも減らす。

この辺りの利便性を考えてくれるところが、LUMIXらしいなって思いますね。

■本体は小さいがバッテリー持ちは良好

スナップ用コンデジをお持ちの方はご理解があるかと思いますが、小さいカメラほどバッテリーも小さくなりがちですよね。

S9と同等サイズのカメラってAPS-Cとかでは多いと思いますが、やはりこちらも少し小さめのバッテリーが多い印象。

日常には困りませんが、旅行のように一日中撮ってたり、シャッター枚数が多くなると少しでもバッテリー容量は大きい方が安心です。

で、S9はバッテリーがS5IIやG9PROIIとおんなじなんです。結論、写真撮影だけならそこそこ保ちます。

てか、たぶんS9の中身ってほぼ「センサー」「手ブレ補正ユニット」「バッテリー」で占めてるんじゃないですかね。そんくらい、本体に対してバッテリーが大きいです。笑

動画も撮る場合はやはり消費が激しいですが、それでもS9で撮りたい動画レベルなら十分かなって感じです。どうにも足りなければモバイルバッテリーで充電できるし。

既にS5IIやG9PROIIをお持ちの方は、バッテリーを共用できるのも嬉しいですね。

■撮って出しの美しさ

LUMIX S9
LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.
F7.1 SS1/200 ISO160
フォトスタイル:スタンダード

まあこれは若干蛇足というか、言わずもがな感はありますが、LUMIXはやっぱjpg撮って出しが超綺麗。

これは、撮ってる時のテンションの上がり方と、撮ってすぐに友達に見せて「めっちゃ綺麗!」って言ってもらうためにもとても大切な要素です。

テンション上がって撮影後すぐに友達に見せびらかしました。

LUMIX S9
LUMIX S 18mm F1.8
F4 SS1/500 ISO100
フォトスタイル:スタンダード

S9は外観こそ小さいですが中身はほとんどS5IIなので、絵としてはS5IIとおんなじ写真が撮れます。

LUTボタンがあるのも超快適ですが、ぶっちゃけ慣れてなかったらフォトスタイル:スタンダードで十分だと思います。もしくはフォトスタイル:ナチュラル。個人的にはスタンダードでちょいコントラスト下げくらいが好きです。

■S9の旅撮影で一個だけ苦労したこと

これくらいピーカンで日向にいると画面は見えづらい

夏の炎天下でファインダーレスはキツい。笑

モニターの輝度をMAXの+3にしても何も見えないです。笑

しかも、S9はシューに電子接点がないから外付けファインダーも付けれないんですよね。

LUMIX S9
LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.
F6.6 SS1/125 ISO320

まあ、ある程度なら画面を見なくても撮れるし、ピントや構図がズレてたらズレてたで味わい深さが感じられる作家さんとかなら良いとは思いますが、「キッチリ構図のガチピンフォトグラファー」とかだとファインダーがあるカメラの方がミスショットは防ぎやすいでしょう。

■機材の選定理由、そしてまとめ

今回の旅で持ち出した機材はこれだけ

まとめ、と合わせて、記事内容と共に「今回の旅の機材の選定理由」を振り返ります。

■想定していた被写体やシチュエーション
・移動中のスナップ(徒歩・助手席)
・食事(記録的に簡単にしか撮らない)
・風景(海や川などの水、朝日や夕焼けなどの逆光、星景などの暗所)
・一緒に行った友人(記録・ポートレート)

■カメラ
・LUMIX S9
 →軽くて小さなフルサイズで荷物を減らした旅行に最適
 →小さいけどバッテリーはフルサイズ機と同じで保ち良し
 →手ブレ補正が強力なのでジンバル入らずで動画も撮れる
 →LUTボタンも付いててリアルタイムLUTがより快適
 →仕事じゃないしシングルスロットでもOK

■レンズ
・LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.
 →ハーフマクロも付いてる万能レンズ。20-60mmと比較してレンズ内手ブレ補正がついているのも安心。
・LUMIX S 18mm F1.8
 →言わずもがな明るくて広い単焦点レンズ
 →クロップズームと組み合わせることで広角から標準域なら無理なくボケ感も楽しめる

■その他
・CPLフィルター
・ソフトフィルター
 →レンズ2本がΦ67mmでフィルターを共用できる

で、撮れた写真が、こちらの記事の感じ。

めっちゃ綺麗じゃないですか。
僕は満足しています。
僕が満足していたら僕の人生は幸せです。

LUMIX S9は、「撮影」という行為をより身近に、シャッターボタンを押す動作を軽くしてくれるカメラです。

「ちゃんと撮らなきゃ」を少し忘れさせてくれるというか、撮って楽しい、見せて嬉しい、だからもっと撮りたい(=結果的に撮れ高が増える)みたいな感覚があります。

でっかいカメラとでっかいレンズを振り回すのも好きなんですけど、旅行中とかにダレてくると「ん〜、これくらいならカバンからわざわざカメラ出すのも面倒だな」みたいに思っちゃうこともあるんですよね。

カメラとレンズが小さいと、フィジカルの弱さだけでなく、そういう「メンタルの弱さ」も補ってくれるのは個人的に嬉しいです。笑

LUMIX S9は旅行はもちろん、散歩やデート、ただのお出かけにも便利なカメラであり、それらの撮影に合ったレンズも豊富なのがLUMIXだなと思います。

こんなもんかな。

今回は以上です!

こちらの記事が、S9、ひいてはLUMIXをご検討されている方の参考になれば幸いです。

カメラのことや写真のことで、こんな記事書いて欲しい!というリクエストがありましたら、コメントお待ちしております!


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