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大人たちの心を揺さぶらせた、男の子のエモい一言とは

あなたが言われて嬉しい言葉は何ですか?

「いつもありがとう✨」
「頼りにしています✨」
「かっこいい✨かわいい✨」

いろいろあると思いますが、

建設会社で働く私が言われたい言葉は
「子供たちにお仕事体験をさせたい」です。


かつては3K(きつい、汚い、危険)と言われていた建設業の仕事。

IT化が進み、働き方改革が推進され、女性の活躍も増えてきましたが有効求人倍率はまだまだ高い状況が続いています。

職業別の有効求人倍率ベスト5

1. 建設躯体工事(10.10倍)
2. 土木(6.97倍)
3. 建築・土木・測量技術者(6.70倍)
4. 保安(6.35倍)
5. 採掘(5.02倍)

引用:ハローワーク情報サイト~ハロワのいろは~



建設業のものづくり


建設業の仕事の魅力の一つに、
大きなスケールの「ものづくり」>
があります。

何もなかった場所にできる大きな構造物。

多くの人や車が行きかう道路や橋。
仕事や学び、遊び場として利用されるビルや施設。
建設という仕事は、ヒト、モノ、情報の交流が生まれるきっかけを作りだします。

そして、自分が携わってきた構造物が完成したときは、自分の仕事の価値を実感できる瞬間です。


そんな建設という素晴らしい仕事を多くの子供たちに体験させてあげたいと思うのは当然ですよね。


ドローンと重機に触れる現場体験会


昨秋、「御社の仕事を子供たちに体験させていただきたいのですが」と嬉しい電話をいただきました。
放課後等デイサービス『アビリティキッズ』からの依頼でした。

放課後等デイサービスとは?

支援を必要とする障がいのある子どもの療育または発達支援や居場所づくりを目的として放課後や休日、夏休みなどに預かる施設です。

引用:放課後等デイサービス『アビリティキッズ』


アビリティキッズを利用する子どもたちは小学1年生から高校生まで幅広く、これまで、社会性や礼儀などを身に付ける学習のほか、課外学習として就労に向けた職業体験や見学を実施してきたそうです。


男の子が多く利用しており、ドローンや重機に興味があるということで、建設業への職業体験を希望されたとのこと。

おぉぉぉぉ~~~!
嬉しすぎる依頼!

ドローンもある!
重機もある!
現場の見学もできるよ~!ってことで

アビリティキッズの子どもたち用のオリジナル体験プログラムを用意することにしました。



現場見学当日。

集合場所の現場事務所には「おはようございます!」と元気いっぱいの子どもたちの声が響きます。

体験プログラムの内容は

  1. 建設業のお仕事説明

  2. 現場説明・工事内容

  3. 現場見学

  4. ドローン・重機体験

お仕事説明や現場説明・工事内容を、専門用語を交えながらも写真やイラストを使って説明すると、子どもたちはメモを取ったり、積極的に手を上げて質問してくれました。


礼儀正しい挨拶や、熱心に耳を傾けてくれる子どもたちの姿を見て、本当に障がいがあるの?と感じるほど。
一方で、子どもらしい一面も見せてくれます。


工事現場に移動すると、ドローンや重機を見て目を輝かせています。

ドローン体験では、スマホの画面を見ながらドローンを上下左右に移動させたり、回転させたりしながら、10ⅿ先の的の輪にドローンを通していきます。
少し説明を聞くだけであっという間に操作を覚え、どの子たちもとても楽しそうな顔を見せてくれました。

重機体験では、ミニショベルに乗り、土の掘削を行います。
オペレーターと一緒に乗車し、レバーを下げたり上げたりして上手に土を掘っていきます。

あっという間の体験会でしたが、建設業の仕事を身近に感じられたようです。


テレビ取材の際のコメントに感涙


体験会には、新聞社とテレビ局の取材が来てくれていました。
そこで、インタビューを受けた一人の男の子がこんなことを言ってくれました。

「僕たちのためにいろんな施設とか家とか橋を作ってくれてありがたいと思いました」


いやいやいやいや、私が子どものころ、「ありがたい」だなんて考えたことすらなかったです。当たり前のようにそこにあって、何も考えずに当たり前のように使っていました。

「誰かが作ってくれたから利用できる」という思考や「ありがたい」と他人を敬う心は、一日やそこらで育まれるものではありません。


アビリティキッズでは、「社会性」の向上にむけたソーシャルスキルトレーニングを行っているそうです。

ソーシャルスキルトレーニングとは、対人関係や集団生活を営みやすくするためのスキルを身につける訓練のこと。
言葉の使い方や話を聞く姿勢、人と関わるうえでの大切なことを子どもたちが指導する先生と一緒に確認し、心の発達につなげているそうです。


私たちの仕事を「ありがたいと思った」と言ってもらえるなんて、施工者冥利に尽きます。

後日届いた、子どもたちが作成のワークシート。

自分たちで振り返りを行い、内容をまとめ、グループごとに発表までしたそうです。



素晴らしい子どもたちに出会え、私たちにとっても有意義な時間となりました。


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