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東京に住みたいけど住めないそんな外国人が急増中!?

外国人入居者お断りの理由は
大家さんの単なる不安

「いつか日本に住んでみたい!」。外国人が帰国する際、こう言い残すケースは少なくありません。滞在中のおいしい食事、清潔な街、時間の正確さ、行き届いたサービスに感動してくれたのは、日本人としては嬉しいですね。が、そんな外国籍の方々が、いざ「日本で暮らすぞ!」と戻ってくると、前回の感動はどこへやら…。あの優しかった日本人の違った面が見えてくるといいます。それは住まい探しのときに起こります。「40%」。これは東京でマンションやアパートを貸す大家さんが、外国人の入居はNGとしているパーセンテージ。街かどの空き物件情報や、不動産屋さんに出まわる募集の図面では、今日も堂々と「外国人不可」と印字されています。では、外国籍の入居者を大家さんが断る、その理由は何でしょう?実は特にはないのです。大家さんが口を揃えていうのは「なんか不安だから…」。ほとんどがこれです。

1番の要因は言葉の壁
日本語ができるとやっぱり安心

「日本語は大丈夫ですか?」。これは外国人を紹介する際に、大家さん側から開口一番に聞かれる決まり文句。外国人の日本でのアパート探しで最初に訪れるハードルは、日本語でのコミュニケーションが可能かどうか。万が一の緊急時に迅速な対応ができないことへの不安や、そもそもの英語への苦手意識などにより、入居を敬遠されるケースがほとんどです。英語のリテラシーが低いと言われがちな日本人にとって、「言葉の壁」は一番の要因ともいえます。言葉の壁解消に向けた取り組みとして、当社は日本語学校を運営しています。日本語を学びたいというクライアントのニーズも多かったため、学問と文化の観点で日本語教育を実施してきました。日本語スキルの向上はもちろん、「日本語勉強中!」のレッテルがあれば、大家さんも受け入れやすくなるのではないでしょうか。

2番の要因は偏見の壁
国籍ではなくモラルに注目を

日本でアパートを借りたい外国人に対するもうひとつのハードル、それは「偏見の壁」。国の文化や慣習に対して偏見を持たれている大家さんがまだまだ多く存在しています。たとえば、欧米人はホームパーティが好きだから大勢を部屋に招くのではとか、ラテン系の外国人は大音量で踊るのではといった偏見。また、ある国の方は香辛料の臭いが部屋に染みつくから入居はさせないといった声も珍しくありません。外国人はゴミ出しのマナーが悪いと決めつけている大家さんもいます。はたして実際にそうなのか?これらは外国人特有の慣習なのか?私も騒音やゴミ出しに関するトラブルは耳にしたことはありますが、すべて日本人によるトラブルでした。日本の不動産業界は、外国人に対する多くの偏見で溢れていることに危機感を感じています。偏見は、借りる側からすると差別とも捉われかねない問題です。国籍は関係なく、大切なのはモラルです。

外国人は古い物件も評価
紹介につながるメリットも

外国人の賃貸需要は高まっているにもかかわらず、供給が思うように伸びていない東京の賃貸市場。なかなか入居者が決まらない募集図面には「外国人不可」の記載が…。条件欄で門前払いとは非常に勿体ないと感じています。日本人からしたら古いと感じる物件も、外国人が見たら「レトロでクールな日本の家」と映るケースが多々あるものです。これは外国人のニーズの特徴。築年数が経った部屋を新品のようにリノベーションするのではなく、修繕・リユースによって日本らしさを感じるサスティナブルな空間に設えてみましょう。コストを抑えつつ新たな借り手を見つけられることは、空室対策につながる大きなメリットだと考えられます。もうひとつ外国人に貸すメリットは紹介のルートができることです。入居者と良い関係が築くことができれば、口コミなどでも評価が上がりますし、その後、友人・知人の紹介につながるケースも多いです。

まとめ

1.「外国人入居者お断り」の現状を知ろう
よくよく考えたら外国人入居NGな理由は見当たらない!?まずは現状を知ることから始めます。

2.言葉の壁を越えよう
日本に暮らす外国人は日本語のレベルアップが見込めます。貸す側も英語にトライしたいです。

3.偏見の壁をなくそう
知識がない人ほど国籍だけをたよりにステレオタイプな捉え方をしがちです。改めましょう。

4.外国人に物件を貸す2つのメリットを意識しよう
ひとつは古い物件を費用を抑えて貸せる可能性、もうひとつは友人知人の紹介をしてもらえる可能性です


銀座の不動産会社「株式会社東京中央建物」社長。”多文化共生社会への貢献゛を掲げて、外国人に向けたアパート探しの事業を手がけています。マイノリティの立場で考え、誰ひとり取り残さない賃貸の実現を目指していきます。

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