見出し画像

ネガティブケイパビリティ~モヤモヤしたっていいじゃない

小学生2人を子育て中の40代の私。
家事と育児と仕事との両立・バランス…
っていうのは、ファミリー世帯の親のテーマです。

私も例外になく、第1子が産まれた時から今までもですし、これからもしばらくこのテーマに並行していることでしょう。

私にとって、時間がかかったり特に好きでない家事は「作業」。
「こなす」。
料理はその1つであり、タイパ(タイムパフォーマンス)を優先して、
宅配サービスを利用しています。

他にも、掃除もそんなに得意ではないので、
効率良く終われるように、洗剤を絞って複数の設備で使いまわしたり、
掃除機はサイクロンの中身やフィルターを掃除するのがめんどくさいから紙パック式のマキタ。
床掃除もお掃除ロボットをレンタルして集中的にする。

ただ、一方で、
タイパばかりを意識することに疑問を持つこともあります。

タイパとか効率とかばっかり?


それがHPやインスタに過去に挙げた下記の記事。

20代の頃から、看護師の仕事にも影響されたのでしょう、効率を意識して、
生き急いでいた私は、
効率を考えて過ごすことを全うだと思っていたし、自分の子供たちにもそれを求めてしまうことも今もしばしばあります。

何かを決定したり決断する時も、割とすっぱりと結論を出すことが多い。
頭の中で整理することがいつの間にか自動的に出来るようになりました。
だから、日記を書くというのが今は超絶苦手です。


「ネガティブケイパビリティ=モヤモヤ」はネガティブな概念?


けれど、
実はその一方で、ずっとモヤモヤして明確な答えが出ずにいることがあります。
グルグルと堂々巡りで、ずっと思い続けている。
効率重視で生きてきた私はこのモヤモヤが「悪」だという思い込みみたいな罪悪感を持ち続けていました。

最近、「ネガティブケイパビリティ」という言葉を知りました。
知ったきっかけは、教育界で有名なある方のブログからググったNHKの「クローズアップ現代」という番組の特集。


「ネガティブケイパビリティ」とは要は「モヤモヤする力」。
すぐ解決できない事柄を結論を急がずに抱える「力」。
「ネガティブ」という言葉が付いているので、よろしくないことだというイメージがありそうだけど、
モヤモヤすることは何かを発掘できるクリエイティブな能力だと解説されていました。

今の私を救う概念でした


今の私の状況に似ていて、言い得て妙でした。
小学生からの目標通りに看護師になり、タイパやコスパやライフワークバランスを意識して生活をし、自分のしたいことも次々に決めてきた私。

現代社会が成長・拡大する流れに従順に従ってきたその反動でしょうか。
40代半ばになってきてゆとりを持ちたくなったのかもしれません。
頭が追いつかなくなったのかも…。
兎に角、老いをも意識するほどにこのモヤモヤに対する暗い気持ちを持て余していたのです。

なので、この特集に、この「ネガティブケイパビリティ」という概念に、すごく救われました。
なんだ、悩んでいいんだ。
暫く置いてみてもいいんだ。
「悩む」ということ自体にそこまで追い詰められていたことにも気づいたのです。

このモヤモヤと対話することについては、
看護師育成の場でも患者と接する際のマニュアルとして取り入れられているそうです。
精神的に不安定になりやすい患者に、性急に答えを出すことをしないように教えているそうです。
私の学生時代には「傾聴」という言葉で教わったので、そこから一歩踏み込んだ看護技術ですね。


こどもたちにもモヤモヤさせよう!


で、この概念。
身近にも当てはまることがありまして。

こどもたちです。

私は義務教育を受けている時には将来なりたい職業を決めました。
でも、自分の子供たちには「早くから決めなくていい」と思っています。
受験生や高校生のタイミングで将来を見据えた進路を考えることになりますが、
「十分モヤモヤしながら、青春を謳歌してほしいな」と願います。
何なら、もし大学に行くと取り敢えず決めて大学に通っていても、モヤモヤしていていいと思っています。
単純にそれができなかった私の羨ましさもあるのでしょうが、
子供たちには敢えて、自分の将来を早く決めつけないでほしい。
当事者意識を持って、自分で責任を持って進んでいってほしいからです。

だけど、親が出来る範囲で子供が興味を持ったものを応援するし、子供には様々な経験はしてもらいたい。
その上でモヤモヤさせたい。
VUCAという時代だからこそ、じっくり悩み考え、本質を見極められる人になってほしい。



そして、これは私自身の心の変化ですが、
40‐50代を境に、効率主義と少しずつ距離を取っていこうかと思っています。
これが実はモヤモヤしていること。

私が「木の家が好き」だとか「ゆったりと庭仕事をしたい」だとか「少し田舎に住みたい」だとか最近言っているのは、自分のこれまでに対しての反省や疲れがあるから。
24時間が早く過ぎてしまうと感じるのは、モヤモヤする時間やぼーっとする時間が十分にないから。

モヤモヤしながら、これからモヤモヤできる時間を少しずつ広げて、
着地点を見つけたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?