【ライフ】生活ログを残してみる
Googleカレンダーにログを残す
リタイアしたシニアにとって、『キョウイク』と『キョウヨウ』は、とても大切らしい。
むろん、『キョウイク』は教育のことではなく、『キョウヨウ』も教養を意味しているわけではない。
それぞれ、『今日、行くところがある』と『今日、用事がある』の略語だそうだ。何とも、オヤジギャグ的な匂いのするオチである。
要するに、「リタイアしたシニアが何もせずに家でボーッと過ごしていたら、精神を病んでしまいますよ。何ならボケてしまいますよ。」という一種の警告なのだろう。
予定と言えば、会社勤めの頃はGoogleカレンダーを利用していた。予定表は関連部門内で公開され、仕事の予定もプライベートの予定も同じカレンダーで管理していた。もっとも、プライベートの予定は、時間のみを公開し内容は非公開にしてはいた。
ヘタに中間管理職などをやっていたものだから、自分が主催する会議や事業部の定例会議の他、部下や関連部門がスケジュールの空きを狙って入れてくる会議でGoogleカレンダーは埋め尽くされていた。
特に、リモート会議が常態化してからは、会議室の移動も不要となり、一日に7件の会議が入っている日も珍しくなかった。朝から晩まで会議漬けである。
もっとも、実際のところは、それでは業務が回らなくなるので、優先順位をつけて適当にサボっていたし、片耳で聞きながら別の作業をしていることもしょっちゅうではあった。
仕事上の課題は目白押しであり、そのための対応という意味では、無駄な会議というものは存在しないが、一方では、人間の対応力には限界があるのだと実感しつつ、会議をこなしていたように記憶している。
参加者のスケジュールを参照しながら簡単にリモート会議の設定ができるシステムは、まさにDXの賜物だが、何事も過ぎたるは及ばざるが如しなのである。
そのような日常を送っていた自分が退職したらどうなるだろうか。退職した途端に、あれほど埋まっていたGoogleカレンダーがスカスカの真っ白けになってしまったのだ。
むしろ、それを望んでリタイアの道を選んだわけだし、そうなることは頭では理解していたつもりであったが、実際に目にすると、ちょっとした衝撃であった。
もっとも、リタイアしてからも意外とやることはたくさんあり、けっして手持無沙汰だったというわけではない。
特に、最初の1年は、役所関係の手続きの他、会社員時代には時間がなくてできなかったが本当はやっておきたかったタスクが山のようにあり、それらをこなしていたので、まあまあ忙しかった。その他、日々の暮らしでも、やるべきことはたくさん出てくる。
ただ、それら生活のタスクは、仕事のタスクとは違って、決まった日時に絶対にやらなければならないという縛りが基本的にはない。あるのは、自分で設定した何となくの緩い期限だけである。
そういった類のタスクは、Googleカレンダーで管理するには適さず、ToDoリストで管理すべきタスクである。
そのため、相変わらずGoogleカレンダーはスカスカの真っ白けだったのだ。
そこで、思い切って、Googleカレンダーの使い方を変えてみた。
具体的には、カレンダーに予定も記入するが、合わせて実績も記入するようにした。
日々の買い物や、外食、通院、散歩、映画を見に行くなど何でもいい、とにかく実行したことをGoogleカレンダーにログとして残していくのだ。
そうすることで、Googleカレンダーが再び隙間なく埋まるようになった。何も記載のない日はない。同時に、心の隙間も満たされたような気がしてきた。
日々の振り返りにもなるし、『今日も何かした』という心の安寧にもつながるので、リタイアしたシニアには、Googleカレンダーで生活ログを残してみることをお勧めする。
Googleマップにログを残す
ログを残すということでは、もう1つ、Googleマップも活用している。
Googleカレンダーの生活ログは手入力であるが、Googleマップのログは自動で残る仕組みだ。
できれば、両者を同期してくれるとありがたいのだが、そもそもGoogleカレンダーでは、ログを記録するような使用は想定されていないようであり、今のところ両者の同期機能は実装されていない。
Googleマップでは何をログとして残しているかというと、位置情報に基づいた訪問履歴を残している。
設定は簡単で、Googleの『位置情報を使用』をONにするだけで、記録が残るようになる。
Googleマップの『タイムライン』を開けば、日々の訪問履歴が確認できる。位置情報に基づいた訪問履歴なので、時々間違いもあるが、そんなときは修正が必要である。
秘密の行動を誰にも見られたくないときは、『位置情報を使用』をOFFにすれば記録されなくなる。履歴の消去や修正も可能なので、家族へのアリバイ作りが必要な方にも安心だろう笑。
また、『タイムライン』では、マップ上に過去の訪問履歴が点状にプロットされるため、地図上のどの地域を多く訪れていたかを視覚的に確認することが可能だ。
自分の場合は、7年ほど前から履歴を残しているので、海外を含めて仕事上やプライベートで訪れた訪問先を地図上で確認することができる。さらに、何年前に訪れたかも表示してくれるので、過去の振り返りに便利だ。
これが、もし自分が生まれたときからの記録が残っていたら、もっとよかったのにと妄想する。これからのデジタル・ネイティブな子供たちの中には生涯記録を持つ人間が出現してもおかしくない。
一方で、このような個人情報がクラウド上に保存されることに心理的な抵抗を感じる人がいるかもしれない。そのような人は、『位置情報を使用』をOFFにしておけばいいのだ。
確かに情報が漏洩した場合には、犯罪利用も懸念されるが、個人的にはそれ以上のベネフィットを感じている。
そもそも、自分のようにVIPでもない市井の人間の個別なプライベートな行動情報には、さしたる価値があるとも思えない。
人生の残り時間がどのくらいあるのかはわからないが、Googleマップでの訪問ログはこれからも継続していくつもりだ。そして、時々、自分の歩んだ道を振りかえってみたいと思っている。
こんな便利なことが自動で、しかも無料でできるなんて、すばらしいことだ。
「ありがとう!Google!」
※本記事は、社会問題に関する個人の見解を述べたものです。特定のサービスを推奨したものではありません。また、特定の団体、個人を誹謗中傷する意図はありません。
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