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細かすぎるけど伝わって欲しいショパン(誕生~4、5歳)

初めに

 クラシック音楽の知識を身に着けようと時代順にバッハ、モーツァルト…と伝記を読んでいた時期に、ショパンを可愛いと思ってしまい、ショパン関連の書籍を漁り始めた。
 そんな偏った自分が、少しでも多くの方にショパンを知っていただこうと思い、このシリーズを始めることにした。題して「細かすぎるけど伝わってほしいショパン」。通常の伝記にはあまり書かれない情報もどんどん盛り込もうと思っている。ショパンをよく知らないという方にも、そこそこ知っているという方にも、等しくいるかいらぬか分からない情報まで詰め込もうという方向性である。連載形式にして、ひとつひとつの記事はさくっと読めるよう心掛けた。

お名前は?

まず、ショパンのフルネームをご存じだろうか?
ポーランド語表記
Fryderyk Franciszek Chopin(フリデリク・フランチシェク・ショペン) 
フランス語表記
Frédéric François Chopin(フレデリック・フランソワ・ショパン)
ショパンはその39年の短い生涯の前半をポーランド、後半をフランスで過ごしているのでこの2国の読み方を示したが、日本人にとって馴染みがあるのは後者のフランス語表記の方だ。どちらで呼ぶのが正しいというわけではないが、覚えておいて損はないかもしれない。

いつ、どこで生まれた?

 1810年3月1日、これがショパンの生年月日とされている。このような曖昧な書き方なのは、ショパンには2月22日生まれ説があったり、1809年生まれ説があったりするからだ。ショパン本人が自分の生年月日を「1810年3月1日」としていることから、今ではそちらを採用している資料が多いそうな。(大抵「諸説あり」など補足がある)
 現段階ではショパンが産声を上げたその日が一体いつなのか分からないのだが、出生の地ははっきりしている。ヨーロッパの東に位置し、バルト海と接している国ポーランド。首都であるワルシャワから50キロちょっと離れた小さな村、「ジェラゾヴァ・ヴォラ」でショパンはこの世に生まれてくれた……ありがとう……ほんとうに……神様……。
 ……失礼。
 日本に置き換えると、都心から神奈川の茅ヶ崎や、千葉の成田、茨城のつくば……辺りの距離だ。ちなみに、今これを読んでくださっている方は是非「ジェラゾヴァ・ヴォラ」と声に出して読んでみて欲しい。流れるように読める方は、ショパンファンである可能性が高いのではないか。(ポーランド語は読み方が難しい……)
 この「ジェラゾヴァ・ヴォラ」は自然溢れる大変美しい場所。ショパンの生まれた建物は残ってはいないが、復元された建物が資料館として残っている。ポーランドへ行く機会がある時には訪れなければならない、絶対に。

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