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へったぴエッセイ『障がい者の親の会』

私が入っているのは、全国規模の老舗親の会だ。
県と市があるが、普段の活動は区でやっている。
私の住んでいる市には、8つの区があり、それぞれ支部長がいる。
定期的に支部長会と言う集まりがあり、各区の支部長と、各役員の委員長、そして、市の偉い人たちが集まって、活動報告や情報交換をし、得た情報を自分の区に伝達することが支部長の仕事だ。
それから、各区で月1回程度の定例会を開き、勉強会、講演会、施設見学、フリートークなど、企画して実施する。
あと、地域ボランティア活動の集まりや、外部連携の会議にも代表として出席をする。
また、お祭りなんかも参加するので、案外、忙しいのだ。
初めて支部長会に参加した時は、その空気間のパワーに圧倒された。
「なんか、すごいんですけど・・・完全に場違いだ。」
と思った。
支部長会は、年配のベテランさんばかりで、私のように若いお母さんはいなかった。
30代は世間では中堅だが、そこでは完全にひよっこ状態。
お子さんが、もう大人の方ばかりで、小学生の子どもを持つ私は、借りてきた猫のようにおとなしく、ただそこに座ってボケッとしていた。
正直、目線が怖かった。
前支部長が15年の歴史を誇る大ベテランだったので、次になったのが右も左もわからない、見たことのない顔の若造で驚かれた様子だった。
と言うのも、私は、この親の会に顔を出して、半年足らずだった。
何も知らなかったし、誰も知らなかった。
後から思ったことだけども、だから逆に簡単に引き受けてしまったのだ。
幼稚園や学校のPTA役員ならやったことあるし、毎年でなくても、2,3年で誰かに変わっていくもんだと思っていた。
でも、レベチだった。
やってみて、その重圧と忙しさに驚いたし、大変な役を引き受けてしまったと後悔した。
新年度、当時はFAXでの連絡だったから、毎日FAXが鳴り響いていた。
FAX地獄と呼んでいた。
それから、前支部長が辞めたことで、これまで参加していた先輩たちがゴソッといなくなってしまったのだ。

つづく




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