リングフィットアドベンチャーを続けられる理由〜リングさん〜
筋トレに愛されたいけど筋トレを愛す気はない私が、リングフィットアドベンチャーを始めました。
「ガッキーのCMやつ」でお馴染みの、運動しながら冒険をするゲームです。
しんどいのがとにかく嫌いな私は過去に何度も筋トレを頓挫しました。
家から徒歩3分の、月額制のジムに入会して気合満々で挑んだ1年間でしたが、結局ジムを利用したのは3回だけだったので、1回の利用が2万3千円するジムに変貌を遂げた。
外出自粛期間中はYouTubeでの筋トレに挑戦してみようと1回5分以下の動画から始めてみるも、一週間後には筋トレ動画と同じYouTuberが投稿してる「笑顔の作り方講座」的な動画を見て済ませたことにしていた。
なかなか筋金の入った人間だと自分でも思うのです。
そんな私の最後の手段だと目をつけたのがリングフィットアドベンチャー。
幼少期からゲームには親しんできたので、ゲーム感覚ならやれるはずだと踏み切りました。
購入から1ヶ月弱。自分でも驚いています。ちゃんと続いている。
怠惰な私に継続的なモチベーションをくれてありがとう。
私は、リングさんに感謝を述べたい。
CMのガッキーが持っている、黒いハンドルみたいなリング。
ゲームでは「リング」という何の捻りも面白味もない名前で登場して一緒に冒険してくれるんですが、自分の性別を入力した時にリングさんも同じ性別になります。
私の場合は女性バージョンのリングさんがお供。
このリングさんの褒め方がまー贅を尽くしたこと尽くしたこと。
リングを使って上手に腹筋ができると「ナイスマッチョ!」「むっきむき!」「汗が輝いてるよお!」と字面だけだとボケワードな声援を送ってくれる。
ふんふんと私が腹筋をする度にリングさんがはい!はい!はい!とテンポよく私を褒める。
さながら、餅つきの餅を返す合いの手である。
ふん!「ナイスマッチョ!」ふん!「むっきむき!」ふん!「汗が輝いてるよお!」
それを音頭に私も興が乗ってくるわけであって、どんどん、意気揚々と、自分の餅みたいな情けない腹に力を入れていくことができるのです。
で、途中疲れたりしてうまく筋トレできなかった場合のリングさんもかなりの策士。
彼女はその時、無惨にも無視を決め込むのです。
あんなにテンポよく合いの手を入れてくれていたのに人が変わったかのように急に黙る。
「惜しい!」ぐらい言ってもいいのではというこちらの気持ちは完全に無視。
無言が耐えられない私は自分の筋肉に鞭を打って力強くリングを押し込む。すると聴こえる可愛いあの子の声。「ナーーイス!!」。嬉しい。
リングさんは人間が一番怖いのは嫌われるより無関心ということをよく理解しているのです。この女、相当な上玉である。
ここまでくると私はもうリングさんの虜であり、リングさんの笑顔の為に筋トレをしているといっても過言ではない。
一通りそのエリアの冒険が終わると、コントローラーについているモーションIRカメラを使って心拍数から自分の運動量を測定してくれます。
その時手順を案内してくれるリングさんですが、今までハツラツとした可愛い声だったリングさんが、定時ニュースを読むアナウンサーみたいな声でやり方を案内してくれるではないか。
いつもとは違う彼女。
まるで仕事をするリングさんを覗き見してしまったよう。
仕事姿に惚れるとはよく言ったものです。
リングさんのかっこよさにあてられ、心拍数なんぞ他人の武勇伝くらい興味がないのに、執拗に測定している私がいるのです。
もっとリングさんのことが知りたい。今なら私は阿部真央の「貴方の恋人になりたいのです」のBメロを世界で一番感情を込めて歌える自信がある。
かくして、私はリングさんの掌でコロコロと転がり、デレデレした表情で筋トレを続けられている。
物語を進めると彼女のことがもっとわかるかもしれないという一抹の期待感をひっさげて。
リングさんがいなければ続けられなかったリングフィットアドベンチャー。
下心とは本当に、絶大な行動力を生み出すものですね。
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