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名古屋の監督更迭に札幌サポとして思うことー僕たちがミシャ"長期政権"のために出来ることを考えてみた

つい先日、同じJ1の名古屋グランパスの風間八宏監督が解任され、昨シーズンまでサガン鳥栖で指揮を取っていたマッシモ・フィッカデンティ監督が就任したことが、話題になりました。

名古屋は、例えば横浜と同じように、新しいスタイルの確立を目指したビジョンを持ち(…と思われていた?)長期的な展望を持っていてここ数シーズンに臨んている(…と思われていた?)はず。
これは札幌も同じであり、野々村社長、三上GM、ミシャ監督の関係性は、小西社長、大森SD、風間監督のトライアングルと少なからず通じる部分もあったろうに思います。

と、言うわけでとても他人事とは思えず、思うことを認めておこうと、キーボードを叩くことにしました。
これ以降、風間監督の敬称は「さん」で行こうと思います悪しからず。

1.風間監督下での名古屋サポのイメージ

「脳内お花畑ってこの人達のことを言うんだろうな」

というのが、風間さんが監督が就任した2017シーズンから、Twitterを見たり、スタジアムに行ったりして、名古屋サポに対して思っていたことでした。
これはもちろん、地方クラブサポの金満クラブに対する皮肉でもありますが笑、その一方で羨ましいとも思っていました。
何故なら、勝っても負けても、結果が出ていなくても、自分たちのサッカーが、ビジョンが正しいと信じてやまないことが伝わってきたから。
有名名古屋サポが記した記事をいくつか紹介しておきます。

例えば、今でこそ優勝争い真っ只中のチームとなった川崎も、風間さんが監督の5年間はノンタイトル
もちろんすぐに結果が出るとも言えませんが、彼を監督に据えることは、目の前の結果が出ないことを覚悟することを意味します。
名古屋サポ、と言うよりは風間サポと言っても過言ではない、トメルケルを信じられるサポーターがいることは、風間スタイルを貫くための、何よりのアドバンテージだったと思います。(もちろんサポーター100%がそうとは思いませんが

2.なぜ風間解任に踏み切ったのか

少なからず観客動員が好調で、それなりの風間人気を維持している中、それでも2年連続(になりそうな)残留争いを前に、名古屋フロントが風間さんを解任する決断をしたのは何故なのだろうかと、蚊帳の外から考えてみました。

大体このあたりで、フロントがこれらに我慢できなくなったのか、我慢できなくなったサポーターやスポンサーに我慢できなくなったのか…が混ざってるんだろうかと推察していました(違ったら教えて下さい

中日スポーツの上記の記事の中では

試合内容も「スピードが上がらない」「無駄なボール回しが多い」「フィニッシュにいかない」(大森SD)と分析された。勝てない上に、さらなる人材流出が懸念される。小西社長も風間支持だけではいられなくなり、契約解除に至った。
観客数増加は顧客満足度の高さを証明する材料。だが、今季から「ファミリー」と名付けられたサポーターは敗戦後も穏やか。ブーイングの少なさは、クラブ側にとっても想定外だった。

とされています(なんだかネガキャン的な記事なので、どこまで信じて良いのか怪しいと思ったりするけど
タイミングが…という議論もあるとは思うけど、それは今回は端っこに置いておく。

監督解任の本質は結果だとしても、「内容に不満」が監督選びの本質だとは思うので、フロントの立場に立って見れば、代えても仕方がないのかなとは。


3.大前提ーサッカーの話をしよう

(注:このセクションは愚痴です。笑)

風間さんは、最もブレない日本人監督です。それは間違いないと思う。
良くも悪くも、クラブのサッカーではなく、自分のサッカーを徹底する人間なのだと思います。

例えば、日本の誇る名将岡田さんは、良い意味で「ブレる監督」と言っていい。

もちろん、代表監督とクラブ監督の仕事の質や内容は違うので、単純に比較することは出来ない(でも岡ちゃんもコンサをJ1に上げて、マリノスで優勝してるしまぁいいでしょ?笑
最低限のベースを持ち、今いる選手やシステムでの最適解を目指すのが、岡田監督の持ち味だと思う。

最適解」って、研究の分野にいる人たちはよく使うワードだけど、意味を確認しておくと

最も適した答え。現状から最適と考えられる解答。 デジタル大辞泉

もちろん風間さんやミシャも最適解という感覚を持っているとは思うけど、その意味合いは日本代表監督の岡田さんでは少し異なっていて、

風間&ミシャ:サッカーを最適解にする(どちらかというと能動的
岡田:最適解でサッカーをする(受動的

これ、サッカー観というか、生き方というか…そういうところの価値観で、プロセスや結果を受け入れられるかどうかが決まってきそうな問題でもあるのだけど。
ハリルは前者だと思うし、例えばペップとかクロップもそうだと思うし、それ故に世界の潮流、ビッグクラブも前者だと。
最適解でサッカーをするほうが、結果は早く出るかもしれない。
けど、サッカーを最適解に近づける行為は、チームの基盤を作るor再構築することを意味する。

そこで、第三者として名古屋サポと風間さんの関係を見ていて、心構えとして持っていなきゃいけないなと思うのは、今日の試合に対してあーだこーだ言うだけではなくて、「最適解が最適解かどうかを考えること」。

批判すればいいとは思わないけど、イエスマンばかりではきっと強いチームにはなり得ない。
批判的かつ客観的に物事を見ることは重要で。
どれだけ人気のある、信頼される監督のイズムで見出された最適解だとしても、それが本当に最適解なのかどうかは、常に考えなければいけないと思う。

その1試合に勝てば良い時もあれば、その1試合に負けたことで得られた何かが何年後の糧になる時もある。
1試合の話で片付けばまだ良くて、1か月(4試合)の時もあれば、前半戦(17試合)の時もあれば、シーズン(34試合)の時もあるだろう。

その場面だけを見て、どっちが良いとか正しいとか、少なくとも長く応援しているサポーターの間では、そういうゼロイチの議論はもうやめるべき。
誰しも目の前の試合に負けるのは悔しいし、何年か後にはチャンピオンチームであって欲しいと思っている…はず。。。

自分たちがどんなサッカーを期待しているのか、それに向かっているのか

どれだけマスコットキャラクターが可愛かろうが、美人のチアリーダーに惹かれようが、スタグルが美味しかろうが、監督の笑顔が好きだろうが、お気に入りの選手が日本代表に選ばれようが…きっと局面局面で、それを問われ続けるスポーツなんだろう。
いくつかの名古屋サポを遠巻きに見ていると、コンサも他人事ではない気がする。
目の前の試合に勝つのと同じくらい、5年後にタイトルを獲ることが重要だ。

ファンやサポーターは盲目的であって然るべきとは思うけど、ゴール裏論とかチャントが気に食わないとか、そういうおこがましいことを最優先に議論する贅沢なクラブではきっとまだない。
(注:してはいけないとは思ってないです笑
まずは、どういうサッカーだと思っていて、どういうサッカーを見たくて、どういうサッカーをして欲しくて…

まずは”サッカー”の話をしよう。(というサポーター論

4.サポーターが好きな監督と長く一緒にサッカーをするためには

という、ここ最近サッカーではないところで盛り上がることの多いコンサドーレサポーターの現状を、綺麗事で嘆いたところで。苦笑
愛すべきミシャ監督といかに長く一緒にサッカーをするかを考えてみた。

結論を言うとクリティカルな手立ては無い
如何に社長に求められても、ファンに好かれていても、結果(具体的には時と場合による…)が出なかったら、クビになる。
クビにする権利が与えられていない以上、やっぱりサポーターが直接出来ることはない。
スタジアムで、DAZNで、テレビで、試合を見ることしか
それが今回の風間事変の感想です。笑

ただ、現在のコンサドーレ体制(野々村社長、三上GM)は、フロントの意図を、比較的、積極的に発信してくれる。
喋りすぎなところはあるかもしれないけど笑、Jクラブの中での透明度はトップクラスで、そこから中の人の意図や哲学が垣間見える。
フロントや監督のサッカー観を少しでも理解すること、結局それしかないんじゃないだろうか。

例えば

サポーターから「泥臭くても勝利だけを追い求めろ」の横断幕が掲げられた。思いを受け止めつつ「私の哲学では自分たちのスタイルをしっかり持って全力を尽くして戦う。それだけだ」と話していた。

この件はサポーターが、ミシャの哲学を理解していない象徴だと思う。
もちろん、ミシャのサッカーはとても難しいのだが笑、僕たちはそれを理解する努力をしないといけない。

名古屋に話を戻すと、ここ最近はまさに風間擁護派と解任派に分かれていたように感じる。
そのYes or Noの中で、果たしてどれだけの人が風間さんの哲学を理解しようとしていただろうか
当然0だとは思っていないけど、あれだけサッカーを知っていて、発信力のあるサポーターが揃っている名古屋ですらそうなんだから、上記の件も含めて札幌なんてまだまだだろう(自分も含めて

監督がどんなビジョンを描いていて、今どのフェーズにあるのか。
日本サッカー界全体がそういうことを意識する段階に来ているところに、興行的にビギナーが増えているand増やしているのが重なっていて、難しい時期なのかもしれないですね。

5.僕たちがポストミシャを迎える時

上記のグラぽさん内で、これまた有名名古屋サポのラグさんは、風間さんに対して堅守速攻を持ち味とするフィッカデンティ監督就任を以下のいずれかに相当すると記しています。

①グランパスは風間八宏によって得られる方向性を『失敗』と判断して、フィッカデンティで解体・再構成することにした
②風間八宏成分はある程度クラブに浸透したので、監督を代えても継続できると判断した
③フィッカデンティが風間八宏の方向性を維持・発展させられる監督と評価した
継続性を放棄した(その時の監督・選手達次第で良いと判断した)

これは長期政権が終わる時、もしくは長期政権を期待された監督が解任・辞任した時に直面する、新監督就任という最初のハードルの越え方を適切に示していると思います。

遠かれ近かれ、僕たちコンサドーレサポーターも、ミシャと別れる時がやってきます
そして、新監督がやってきます。(クラブが無くならない限り

ミシャイズムを継承出来るような監督が来るかもしれないし、今回の名古屋のように傍から見ると180度逆のセンスを持った監督が来るかもしれないし、四方田さんの再登用かもしれないし、はたまたノノ社長と三上GMは違う手を打ってくるかもしれない。

その時、札幌サポーターは、その1人の僕はどんなことを思うのだろう。
少なくとも、クラブにサッカー哲学があることを一人でも多くのサポーターが理解していることが、期待されるのだろうなと、グランパスを反面教師にして学びました。

僕は、コンサドーレが5年後10年後にタイトルホルダーとなるクラブであってほしい。
コンサドーレが15年後20年後にアジアチャンピオンになるクラブであってほしい。
そのための攻撃サッカーなら、1年や2年、目をつぶろう。

もう大体2年前、ミシャの就任を知って

「本当にミシャで良いのか?」

と考えていた頃が、懐かしいですね。笑
ミシャにありがとうと伝えられる別れが来ることを、切に願っています。

フィッカデンティグランパスの行く末を、ちょっと気にして見ていたいと思います。

#北海道コンサドーレ札幌 #名古屋グランパス #サポーター論 #jリーグ

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