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サンタクロースと僕と両親と


僕は10歳までサンタクロースを信じていた。
恐らく平均より遅い方だと思う。

11歳のクリスマス前に同級生との世間話をしていると


「今年のクリスマス、親から何を貰う」

という話題になり、当時ピュアな少年だった僕は、

「え?お前らサンタと親から貰ってんの!?良いなあ!」

という何気ない一言で僕のスクールカーストは、2段階落ちた。

半年くらい同級生から、からかわれた。

そのせいで泣きながら母親に

「なんでサンタクロースは居ないって教えてくれなかったんだ!」と激昂してしまった。


母は無言だった。表情は少し悲しげに。

少年時代というものは、大したことがないものでも、からかったりからかわれたりするものである。

大人にとってはささいなことも、少年時代にとっては自国でテロが起こったくらい大げさに捉えるものだよなぁ…と書いていて思う。

だが、今にして思えば僕の両親はグッジョブと言わざるを得ない。

今日の帰宅途中、ふと冷静に考えてみたのだ。

よく「大人になってからの一年と子供の時の一年は体感時間が違う」と言われているし、僕自身も25歳を超えてからしみじみ思う。

コレは感覚的な話では無く、明確な理由があるのだ。

5歳の子供にとっては一年は“1/5”であり、人生の20%を占めることになる。

だが、20歳の成人にとっては一年は“1/20”であり、人生のたった5%でしかないのだ。

もちろん歳を重ねるごとに一年という比率は小さくなっていく。
なので歳を重ねれば重ねるほど体感時間は短くなる。
とのことだ。

つまり子供時代の一年はとてつもなく我々大人より“濃い”一年ということになる。

その濃い子供時代に

”サンタクロース“という素敵で夢溢れる子供達のアイドルを出来るだけ長く我が子を楽しませてやろうという僕の両親の心遣いが、今になって気付いた。

他人の子育てには、興味が無いし口出しするつもりもないが、
クリスマスに目が覚めると

何故か僕が欲しかった玩具が、枕元にある!

という不思議現象は、子供心に嬉しかったし不思議だったし何より大人になった今でもあの時の感動は覚えていて、長い人生のちょっとした“思い出”というパワーになりうるイベントだから世の親御さん達は出来るだけサンタクロースというアイドルを守ってあげて欲しいと願う。

サンタクロースの思い出がある人はその辺のハートマークを押してもらえるとサンタクロースと僕が喜びます。


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