不倫女と戦う奥様へ〜林真理子さんのコラムに寄せて

ファッション雑誌STORYを読んだ。
冒頭のページで首を傾げてしまいこのnoteを書くに至った。

STORYでは毎月林真理子さんのコラムページがあるのだが、6月号では”不倫女に「負けた!ごめんなさい」と言わせる妻とは”という刺激的なタイトル同様刺激的な内容であった。
不倫される奥様目線の記事だったのだが、どんなに冴えない夫でもいつどこでどうなるかわからない。見えないところで不倫に走っているかもしれないし、はたまたその相手の不倫女が陰からこちらを様子見しているかもしれない。そのときに不倫女をギャフンと言わせるために、負けたと思わせるような妻でいなければならない。という結論がなんだか腑に落ちなかった。

ピンとこない。

その前段落では、不倫女が不倫から足を洗うにはどうすればいいのか、相手の奥さんを見ればいいのである。なぜなら大抵は自分よりも魅力的でない奥さんにがっかりして目が覚めるから。という展開をしていたのだ。
また、奥さんがどんな人であってもよその家庭はきらきらして見えてしまい自分がみじめになって不倫を止められる。とも。
「最高のオバハン 中島ハルコ」を引用しながら、そのパターンにぴったりはまった林さんの友人の体験談を混じえながら。

話しが逆転していないか?

魅力度が奥さん<不倫女だった場合に、不倫女は勝手に諦めて去ってくれる。ならば不倫女よりも魅力的になろう!というまとめ方はむしろ逆効果を生んでしまいかねないのではと思った次第だ。


ここでいくつか、話題になった芸能人夫婦の不倫ニュースなどを思い浮かべてみた。
有名女優さんとか女子アナ、元モデルや元アイドル…。枚挙に暇がないほど、あんなに綺麗で性格も良さそうな奥様がいるのになんで?と勝手に批判してしまうほど、素敵なサレ妻は多い。

不倫女側の思想としてよく聞くのは、「相手の奥様が素敵なほどハマる」というものだ。つまり不倫女視線だと、彼の背後には素敵な奥様がいるからこそ、それでも自分のとこに来てくれることが嬉しい、あの素敵な奥様より自分が勝っているのだという思想に至るらしい。分からなくもない。

ではやはり奥様は頑張らないほうが良いのでは。
と考えついたところで逆パターンにも気がついた。有名女優が不倫女として略奪した場合だ。一般人の奥様からしたらばそりゃぁ奥様<不倫女の構図になると思う。それでも略奪されたのはなぜか。
もちろん旦那側の問題も諸々あろうが、どの時点での感情なのか、というのも大きいかと思いついた。

つまりそれが一夜の火遊びなのか、付き合って三ヶ月目なのか、何年も関係している純愛めいたものなのか。それによっても受け取り方や対策が変わってくるかもしれない。

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私が思いついたパターンを簡単に図にした。’初期’’末期’はやばさではなく、関係している期間とする。一夜の火遊びはそもそも継続する気がないものとして検討から外している。
コラムで例にあがっていた、自分より劣る奥様を目にして諦めがつくのが一番下のパターン。その反対では、魅力的な奥様よりも自分が選ばれた!とハマっていくパターン。これはどちらも関係が長くなってきたときの感情のように思える。(そもそも、諦めきれない!とか離婚すると言いながらなかなかしてくれない!なんて業を煮やして奥様を偵察にくるほど沼っているのは、関係が深く長くなってきている場合のことだろうし。)
魅力的な女子アナやらモデルさんやらの旦那側の不倫が公になるときも、その関係は数年続いているというパターンが多い気もする。

そして前述の、女優さんやらが一般人の奥さんから略奪するのは上から二番目のパターンではないか。まだ付き合いだしてそこまで長い期間経っていないときに、自分よりも劣る、もしくは旦那さんに協力的じゃない奥さんを見たとき、私のほうが幸せにしてあげられるのに!と燃えてしまう不倫女も一定数いる。
ここに男側の行動力が噛み合った場合に、離婚して晴れて不倫から略奪婚が成立する。なのでこの場合は、関係が長くなっているパターンよりも、比較的早い段階で決断をしていると窺える。

「?」としたのがコラムの結論にもなっている、不倫女よりも素敵な妻であり続けることで負けた!と言わせようという部分に当てはまる。この結論を支持しようとすると、確かに自分よりも魅力的な奥さんをみて早々に不倫関係を諦めるということだ。
例えば関係をもってしまって三ヶ月、このまま続けていて良いのだろうか?なんて不安に思った頃に、偶然知った相手の奥様がとても魅力的な女性だったとき。かなわない、略奪は無理だ、という感情が生まれる。
このパターンへ限った対策というわけだ。

あまりこの段階にいる不倫女の話しを聞かないので、公にならないということはその関係が終わっているということだろうから、この対策はある程度の効果もあるのかもしれない。

私がモヤっとしたのはこの部分だった。
すっきりした。
様々なパターンがあるからこそ、一つの結論で対策をまとめてしまうのは危険なのだ。


コラムの前提であるように不倫を題材にしたドラマもあるし不倫はそう珍しいことではない、不倫をする人間は多くいるとした場合、じゃぁどうすれば良いのか?

不倫をさせないような良好な夫婦関係を築こう、なんて綺麗事は置いておいて本音の部分をいうとして。魅力的な妻でいることも大事だろうし、頑張ることなく自然体でいることも良いだろうし、そんな不貞を働く配偶者は容赦なく切り捨てることも必要だろう。自分を大切にして生きていこうね、ということではなかろうか。

この記事を書くために不倫に関するネット記事を少し漁ったのだが、特権意識を持った医師の「いくら不倫したところで離婚できるはずがない」という言葉に震えた。彼の妻は専業主婦、つまり生活を握られているというわけだ。自分の稼ぎで贅沢な生活をさせてもらっているのだから、いくら外で不貞行為があったとしても文句言えないだろ、という。そんなクソ野郎も存在するのだから、いざというときに自立できる準備はしておいても良いのかもしれない。


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今回は不倫女の問題だったが、これを間男側から見たらまた違うんだろうな。よく性差に関する論文でもあがる選ぶ側、選ばれる側という考え方を混じえて検討してみたくもなった。

ところでコラムの冒頭、死んだ人間の不貞をネタにしたのはちょっと気分が悪かった。
林さんの友人(不倫女)が相手の奥様を「サバの干物みたいな人」と評したのは面白かった。一番のフックだった。ここでツボってしまい、300ページ以上あるこの雑誌のわずか21ページ目で立ち止まってしまい、本誌を読み進められなかったので今回はここまで。

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