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燃料デブリの本格的な取り出しについては、見通しが立っていない…廃炉計画という杜撰で達成不能な企業救済策

 福島原発事故の燃料棒メルトダウンによって溶け落ちた核燃料「燃料デブリ」の総量は、およそ880トンと推定されています。
 世界的にもチェルノブイリ、スリーマイル島共にコンクリートで固めて施の棺桶と呼ばれて放置しています。
 技術がいくら進歩しようと、メルトダウンしたデブリの放射線を低下させる事は出来ません。放射性物質には半減期というものがあり、時間と共に放射線の強さは弱まっていくのです。
 要は、放っておけば放射性物質の影響は低減して行くだけの事です。    
 原発事故の放出量はセシウム137が原爆の168.5倍、ヨウ素131が2.5倍にあたります。半減期が約30年と長いのがセシウム137です。原発事故が1万5千テラベクレル(テラは1兆)、原爆が89テラベクですから原発事故の方が放射線のエネルギがそれだけ大きいと言えます。
 原爆の場合、広島、長崎には1945年に原子爆弾が投下されましたが、現在はほぼ制限なく市民が居住し生活しています。
 基本的には、30年で半分に低減します。60年では四分の一(1/4)となる訳です。第二次大戦の敗戦後、すでに80年近くになりますから人体に影響を及ぼさないレベルに低下していると言えます。
 例えば、原発をコンクリートで固めておけば、300年でほぼ1000分の1まで低下します。
 以上からも原発事故が後の世に与える影響が遥かに大きいと言えます。原発事故、取り分けメルトダウンの深刻さがうかがえます。
 単純な話にしてみましょう。
 ロボットアームを開発して原子炉から燃料デブリを取り出したとします。
 取り出した燃料デブリは一体どこに保管するのでしょう?
 もちろん、専用の保管・貯蔵容器が無ければ保管はできません。
 現在、専用の保管容器となっているのが、事故原発の原子炉格納容器なのです。新たに保管・貯蔵容器など製作する意味は何処にもありません。
 巨大な費用を掛けてロボットアームを製作、そして取り出し作業(ロボットアームで一度に取り出せる量など微々たるもので推定880トンものデブリを取り出すには天文学的時間が必要です。
 2時間で1グラム取り出したと仮定します。2時間の880トン÷1グラム=880000000倍ですから昼夜休むことなく作業を続けたとして1760000000時間必要です。これは20万年となります。
 現在の廃炉計画の燃料デブリ取り出しには2つの馬鹿げた点があります。
(1)デブリ保管庫を造る事の馬鹿さ(現在の原子炉が保管庫)
(2)ロボットアームで取り出すこの無限時間
では、一体誰がこんな馬鹿馬鹿しい廃炉計画など立案したのでしょうか?
 これには、実は策略がありそうです。
 原発事故で新規に原発の増設が困難になり、仕事のボリュームが減少しました。そうすると抱えている人員を維持できなくなりますから、政府が廃炉計画で予算を確保し、企業にばら撒く…こういった構造がありそうです。
 本件の記事には『スキ』が寄せられていますが、不思議なことに表示されていませんのでご承知おき下さい。
 


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