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Mist
2018年6月30日 23:51
君がいないひとりの夜が、どんなに淋しいか、それは月の出ている宵に、みずうみを覗いてみれば判るだろう。みずうみには青い花が咲いて、清い風が吹いて、おまけに鏡のわたしが映る。だけどわたしは泣いている。かなしげに眉をひそめて、唇とがらせて、ふたつの小さな瞳からは転がるように涙が落ちる。それがみずうみにぽつんと跳ねて、ああ、六月が終わったぞ。君のいる街の灯りは一体どんな色だろう?窓の外には月が見えるだろう
2018年6月29日 19:47
あのさわがしい幸福からもう一週間も経つんだね笑いつかれた週末は眠ることさえ口惜しいようなまばたきのできないひとときこぼれるほどのふるさとの香りはかなしいくらい穏やかだったぼくが気取らずに済むように大人にならずに済むようにあの頃で部屋じゅう埋め尽して迷い鳥のようなか細い声はビルの山には響かないだろうけれどこの夜だけは窓ガラスの中に野はらが咲いてぼくだって少年でいられた月