見出し画像

夏の三原色

あおい海
どこまでも続く
どこまでもずっとずっと
紺碧の海に出会うたびに
想い出す
やがてあの頃の思い出の海へと  
男の子が四人で写る
写真たてにはキャンプの冒険が
あおいまま
青い海辺に写ってる 


ローカル線に飛び乗った
無人の駅舎で少女に見とれた
緑つづく小道を抜けたら
サンドビーチだったとは!
スイカ畑がひろがり
青空のもと
緑のグラデーションに
むこうは海
男の子四人の夏の日差しは
あつくあつく

キャンプサイトにテントをはる
ぎこちない作業が冒険のはじまり
紺碧の海に飛び込んだ
青空と雲
海と気温が
歓迎してくれた
ゴムボートにシュノーケル
水中メガネでのぞく岩場に
あめふらし
透明なイカの潜水艦
魚たちの散歩
砂浜でニ対ニの野球
畑でもらったスイカ割
一日中楽しいと思いつくことだけ
がんばった男の子たち
ビーチサンダルがちぎれるほど

いつしかオレンジ色に染まる夕日
空一面にこぼしたオレンジジュース
キャンプ場は暮れていく
遊び疲れた男の子は
焔色えんしょくの焚火を囲む
焼けた肌に砂がつく
青い海水をはじいて笑う
はてない夢を語り
はかない恋に憂う
男の子だけの夏休みの夕べ
波音だけが押し寄せた

焚火の王者に出会い
焚火を教わりコツを学ぶ
カレーを作り食べた思い出
夕焼けは遠く水平線はカーブして
青にオレンジが混ざると
大空のグラデーションに
紫色の翼を広げたおおとり
は羽ばたき舞い上がる

色が想い出を連れていく
ここまで来たと
男の子たちは冒険家のまま
色を纏いながら大人になること
気がつくのはずっと後の話で

今も想い憧れる
あの夏の三原色




◇イシノアサミさんの楽しい記事に触発されました!いつもありがとうございます◇

夏の三原色、自分の想い出のなかの三色を考えてみましたが、選ぶのは難しかったです。
三原色はこの詩のなかにあるのだと思いますが、あえて選ぶなら
私は海、夕焼け、夕空(紫)でしょうか

青、緑、白。
サンドベージュ、グレー、赤。
紺、水色、茶色。

三原色が四人分です。友達の面影の色かな、、もう会うこともない男の子たちはみんな三原色を持っていた気がします

◇色の世界は奥が深くて本当に楽しいですね。イシノアサミさんに気づきをいただきました!ありがとうございます◇

【つながることがnoteの魅力】
おっしゃるとおりですね。
色のチカラ、ことばのチカラ、音楽のチカラ、、通じてつながりを感じています。
読んでいただきありがとうございます!



この記事が参加している募集

いただいたお気持ちは、noteの街で創作に励まれている次の方へと循環させていこうと思います。あなたの作品を見たいです。ありがとうございます。