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詩はいなかった


どこにも詩はいなかった
探していたのだろう
公園の隅々まで


たずねてまわる
その姿はまるで
ただ消えてゆくことも


春の陽気にあたたまる
気流によって
上昇しているように


花びらの舞いは
カーテンコールのあと
楽屋裏にはもう誰もいない


詩はここにもいないのだ
私が探したせいで
何処か遠くさまようのか


あの青い空に雲ひとつ
あの空の下にでも
帰っていったのだろう


探して探して
こんなにも歩いて
やはり詩はいないのだ


私は置いていかれた
遅まきな葉桜
花びらの思い出を語るのみ


名残惜しい輝きというなら
春風がかつて生まれた空に
帰ってゆくこともあると桜が語る


きっと厭うことのない決意
あとに託す志に
花びらが手を振るように見えた


いつまでもとどまれぬ
詩人の心は
この三年で探した


あなた方に贈るために
詩人の心で詩を探した日々
ほんとうに詩がいなかった


ただことばでしかなかった
詩は探しても探しても
どこにもいないかったのだ

ただ心でしかなかった
希望とは勇気とは愛するとは
探しても求めても詩ではなかった


思いやる心と心の人と人の
それを詩というのならば
詩はここにすでにいたのかnoteよ


それを探すこと三年
詩人の心とは
探すものではなかった


あなた方にあえたことがすでに詩だというのなら
詩はここにいたのか


なんという壮大な
春の一大絵巻を見上げていることだろう


詩はここにすでにいたのも知らずに


いただいたお気持ちは、noteの街で創作に励まれている次の方へと循環させていこうと思います。あなたの作品を見たいです。ありがとうございます。