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No Fixed Address / Susin Nielsen 感想


No Fixed Address / Susin Nielsen

年末にYellowface読了後、何か軽めのものが読みたいと思い、積読山の中から手に取った『No Fixed Address』を読み始めました。10歳以上向けの子供向けの本なのでとても読みやすい一方、内容はInvisible Homeless 、つまり見えづらい貧困を描いた作品で、決してライトな子供向け作品ではなくしっかりと読ませるタイプの一冊でした。

<あらすじ>
フェリックス(12歳)は、シングルマザーの母親のアストリッドと二人暮らし。アストリッドは愛情深いが頼りなく、仕事も続かない。バンクーバーのアパートを失った彼らは、アストリッドが仕事を見つけるまでの8月だけという話で、キャンピングカーに住むことになったが。いつまでたってもアパートに住める見通しが立たない。フェリックスは、学校に入学するために偽の住所を伝え、友人にも嘘をつかざるを得ない。一時的な車中生活がどんどん伸びるにつれて、彼は自分の状況がいかに不安定であるかを誰にも知られまいと必死になる。そんな時、ひょんなことから全国的なクイズ番組に出場することとなり、フェリックスは優勝することを決意する。優勝すれば、車中生活から解放される、と勢い込むが、起こったことはフェリックスの予想とはまったく違っていた…

クイズ番組で賞金を取って万事解決~!とならないところが良かった。そうなっていたら、ありきたり感で終わっていたと思いますが、分かりやすい展開・こじつけられた結末ではないところが、大人も楽しめる一冊だと思います。車中生活のリアリティや、頼りにならない親へのモヤモヤ、大事な人に嘘をつくことへの葛藤が良く描写されていて、あっという間に引き込まれました。お話が面白い、英語は難しくないものを探されている方にオススメです。


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