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切る理由はあったんだ vs 自然分娩

2020年の6月に、3800gのおっきな男の子を出産した。
帝王切開だった。

妊娠するちょっと前から、自然って言葉が嫌いになってってたと思う。

特に、自然を守りましょう、ってなんかおこがましいなぁ、とか。自然と共存する、ってなんで自分と自然が切り離されてること前提なのか?って腹が立ってたし。三代さんてナチュラルな作風で〜と言われれば、ナチュラル?自然やないかい、なんやねん。程度に毛嫌いしてた時期があって。

妊娠したらこれまた自然妊娠、自然分娩、自然出産。ちっ、ここも自然のオンパレードかよとなるわけなんだけど。

私のお産は、北杜市で自宅出産をお世話してくれるフリーランスの助産師、松浦照子さんにお願いすることになる。
自宅出産は自然なお産の最高峰のイメージ、なんだけど彼女は、自宅出産=自然なお産、と表現しなかったから非常に信頼できた。自然なかたち、はない。それぞれなのだお産は、ということらしい。

私は色んな条件がクリアできず、自宅出産にはできなかったし、結局自然に陣痛が来ないままタイムリミットが来てしまい、薬による陣痛の誘発から3日かかったお産は、帝王切開で終わることになった。

帝王切開は経膣分娩(自然分娩)よりリスクが高いとされていて、お願いしたってしてもらえないし、下から産みたい、と思う人も多いはず。

私もそうだった、できれば下から産みたかった。

叶わなかった時は、どういう感情なんだあれは。しみじみ情けない、というか。私には産む力がない、ダメなやつ、痛みから逃げたんじゃないか(帝王切開もめっちゃ痛かったけど)と考えていて、今思い出しても涙出せるくらいつらかったんだけど。

お腹を切りひらいた時に先生が、
「あれ?なんかある、筋腫か?後回しだな」
と言っていたらしい、麻酔の吐き気と闘ってた私は聞こえてなかったけど。

手術が終わって
「なんか取れたから、細胞診断に回すからね」
と言われた。

その後告げられたその時のなんかの名は腫瘍、しかも良性じゃないなんつって言われて。


一番最初に思ったのは

あーー、切る理由があってよかった!

切ったから腫瘍取れたんじゃんって。
自分を否定し続けてたけど、切った理由をもらえたぞ、ととにかく嬉しかった。


そして
お母さん、お腹になにかあるよ、僕でないから切ってもらってね。
ってずっと出てこなかった息子にもいつもお礼を言っている。


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