丁寧に暮らす：食べる

祖母みーさんの家は、標高６００m地点

人よりも、サルの数が多い山の中にある。

山には、わさびの生える沢

蕗やゼンマイ、ワラビが出る斜面

竹林

かつて牛を放牧していた山

牛の餌のとうもろこし畑

田んぼ

大好きだったおじいちゃんはそれらを遺してくれた。

私は、自然の恵みをいただきに、一人で山へ

「こんな寒けりゃ蛇は出んよ！」

そう励まされ、みーさんの大きめのブーツを履き

ずり落ちそうな斜面を登り

鹿のフンが転がる開けた斜面で

ゼンマイとワラビを探す

太い太い山菜の茎を見つめながら

かつてみーさんが歩けた頃、

山菜をたっぷり使ったおこわを作ってくれていたことを思い出した。

今はみーさんの厳しい指導のもと、料理修行中。

湯がくとこんなに綺麗な色になるなんて、

また新しい幸せの色と出会った。

ちょっと硬くて、蒸し直しを命ぜられたところの画像である。

それからこれは、みーさんに合格をもらった茶碗蒸し

カニ缶入り。

すがいっぱい入ったけれど、これは美味しかった！

そしてこれは、味噌を作った時の蒸し大豆

担任させてもらったお子さんのママが味噌マイスターで

味噌作りを子どもたちと一緒に教えてもらった。

大好きな子どもたちと手で潰して作ったお味噌。

愛おしい小さな友達との共同制作を年末に食べるが楽しみである。

この春から新しい生活が始まり、

私は丁寧に暮らすことを始めた。

その日食べる野菜を畑や山に収穫に行く

宝物を見つけに行くような、山菜採り

時間をかけてご飯を作ること

こんな贅沢なことができるなんて、幸せである

そして食べてくれる相手がいることに感謝

みーさんはまずいと食べない

そんな親方の育て方にも感謝

さて、みーさんが眠りに入る７時過ぎ

大事なZoomミーティング中に大音量でかかる町内放送

（みーさんは最大音量を好む、遠くの部屋にも聞こえるように…）

お悔やみ放送を聞かされるZoomのお相手

こうして漏れなく私の田舎話を聞かされる皆様

このゆるっとした時間を今日も世界へお届けできる幸せ。