辻村深月「琥珀の夏」読了

読書感想文です!

最近、近所の図書館で「読書ノート」を配布してくれるので、それを埋めるのをモチベに本を読んでおります。

※以下、ネタバレ含みます。

今回は、辻村深月さんの「琥珀の夏」を読みました。
本当は『かがみの孤城』か『凍りのくじら』を読もうと思っていたのですが図書館に無く、棚にあったこちらを借りました。

でもこちらも面白かったです……
小説が上手い………(さすが)
心理の捉え方、的確………心がギュッとなるシチュエーションをポンポン出すのが凄いです………

読んでる最中はこんな感じでした。:
導入は普通にサスペンス的な感じ?

不思議な感じ
(幼い子の一人称視点、惹き込まれる)

幼少期の独特な空気感、団体の様子が次第に明らかになり、不穏な空気…
(あぁ〜なるほどこういうテーマか、とやっと理解する)

現代と交互に物語が進み、壮大なカタルシスへ………
(最後の方涙止まらなくなる。)

END

という感じ。
読後感もめちゃくちゃいいです。 

終盤、何だかわからないけど鼻水ズルズルさせて泣いてしまった。
何でしょう、愛とか友情とかちゃんとしたひとが報われるとかに弱いんですよね。私。

この物語では、人間とか物事の多面性がよく描かれていました。
特にミカについては、幼少期視点、幼少期ノリコ視点のミカちゃん、大人になったノリコから見たミカ、大人になったミカの一人称視点、5年生のミカ視点、とうつっていきますが、法子の過去からはぶつ切りにされている『田中美夏』の存在によって、
美夏ちゃんって………結局何を思ってたの…!?
という謎がずーっととどめ置かれているのですが、

もうね、鮮やかにね、回収されてゆきました。

美夏が「ミカちゃん」と重なっていくシーンは大変良かったです。

誠実と不誠実の対比も際立っていました。
弁護士の法子と、ミライの学校。
ユイちゃんと、アイちゃん、サヤちゃん。
久乃ちゃんと、チトセちゃん。
法子の母と、ミライの学校の生徒(大人)たち。
過去のけん先生と現在のけん先生。

"誠実でいる"という事には、とても勇気が要ります。

美夏が苦しんだのは、環境以外にも、美夏自身が誠実だったから、きちんと色々と向き合っていたからこそだと思いました。でも、裁判で美夏を救ったのは美夏自身の誠実さだったとも思います。でなければ、多くの人の証言や協力を得られないと思います。

やっぱり、誠実さを忘れずに行動したいもんですね。
あとは、正義は勝つ!であって欲しい世の中だなぁと思いました。(なんて陳腐なオチ😂)

最後に:
水野先生は最悪でしたね⭐︎

取りとめない文章でした。

おしまい。


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