ガンスリンガーガール 読了

漫画も読むの大好きなので読書感想文です。

ずっと原作読みたくて、やっと読めました。
とても面白かったです。

設定は『癖』がてんこ盛りに詰まった感じで割と悪趣味ですが、その悪趣味さを理解しながら読める倫理的な人なら大丈夫だと思います。
(私はフィクションの鬱作品は大好きなのでとても好きでした。)

女の子がみんな可哀想可愛くて、
可愛いと思うことと罪悪感を覚えることがセットという。残酷な作品です。
特ににトリエラとヘンリエッタは過去が凄惨すぎて可哀想過ぎます………😭

フィクションとはいえ、ここまで酷い設定にする必要あるのか…と思わなくもないですが、イタリアという舞台設定もありますし、ギリ納得できるかなという感じです。

敵キャラもちゃんとかっこいいですし、組織の立ち位置などの設定も練られていますし、読んでいて違和感を感じることがありませんでした。最初こそ、設定が男の夢(批判的な意味で)満載な萌漫画だなーと思いましたが、思ってた100倍くらいストーリーが重厚で、惹き込まれました。

ガンアクションもかっこよくてヲタクの私は喜びました。

2期生が出てきたあたりから面白さが加速しましたね。担当官への思慕の出所が分からなくて困惑する義体達…リアルでした。本当に、こういう技術がもしあったとして、1期生とそれ以降の子たちとは確実に性能やら洗脳具合やら変わってくるでしょうからね。
(ゆくゆくは義体の技術は大人にも適用したい…とか言ってる研究者がいて、先に大人やろ!普通は!!と思いましたが、倫理観ぶっ飛びワールドなのでね。)

リコリ○は全然ハマらなくてアニメも観ていられなかったのですが、ガンスリはめちゃくちゃ面白かったです。

なんというか…ああいう「孤児を使って殺しをする機関」というものがある時点で闇の部分が無いわけがないのに終始明るくてギャグもある雰囲気が気持ち悪かったのですが、その辺がない方が観やすい人もいるのでしょうね。あくまでフィクションなんだから!という。

あるべき葛藤とかを描かないのはあんまりよろしくない気がするのですが、
「こういうのでええねん!」的な感じなのですかね。

でも、だからと言ってガンスリもあまり人にお勧めするような作品ではないですね。
(倫理的にちょっとアレなので)
知ってる人同士だけで「あれめっちゃ良いよな」って言う作品という感じがします。

漫画とかアニメってこの辺の立ち位置難しいですよね。

作者の性癖を体現するためだけのキャラクター設定とかはちょっとグロテスクに感じてしまい、「癖」ありきの漫画だとゲボ吐きそうになるのですが
(例えば最近、オタクに優しいギャルとかそうですね。)

ストーリーがちゃんとしてて、ちゃんとその対象を消費している事に自覚的であり、「癖」をちゃんと活かして展開するとかだったら名作になるんだと思います。

ガンスリでは、その辺がきっちりされていました。
(注:全ての組織の人が、不幸な少女達を義体として運用することに葛藤しているシーンがあった訳ではないですが、トリエラの処遇について怒り狂ったヒルシャーがいたり、自殺未遂前のエリザヴェータを止められなかった事を悔やむサンドロがいたりと、ちゃんとした大人がいたということで、まぁその辺の倫理観は担保されているかなと思いました。)

後年でオマージュ作品を作られるような名作をきちんと読めて良かったです。

読書感想文でした。

おしまい。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?