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大道芸人から学んだこと

おはようございます。今朝も勢いで書きます。

近所の公園を妻と散歩していたとき、大道芸人が芸を披露していた。子供から大人まで、たくさんの人を集めて芸を披露していた。

私がその前を通りかかったときは、ちょうど最後の芸でフィナーレに近づいていたようだ。

そこでは、少し高い踏み台の上に、筒状のものに板を乗せ、また、その板の上に筒状のようなものを乗せといったように、数段積みあがっていた。そして、一番上の板の上に乗ろうとしているところだった。

「さて、みなさん、今日はありがとうございました。これが、最後です。成功したいので、応援をお願いします!成功したときは、大きな拍手をください!」

といったようなことをマイクを通して喋っていた。陽がでれば暖かく感じるが、陽が隠れて、風が吹けば、まだ寒い。そんな中、大道芸人は黒のタンクトップ姿で、最後の芸に向かおうとしていた。

板の上に片足づつ乗せていくのだが、片足を乗せると板がグラグラと揺れる。そりゃそうだ、板の下は筒状のものがあり、その下にはまた板を置き、さらに、その下には、また筒状のものを置いている。

一瞬でも両足を乗せるのが難しそうだ。もし、バランスを崩して倒れるようなことがあれば、少し高い台の上に、筒状のものや板を乗せていて高さがあるために、怪我をしそうである。

見ている方も、ハラハラする。実際、子供たちも緊張しながら見ているのが伝わってくる。

そういうなかで、大道芸人はチャレンジしようとしている。片足を乗せてグラつきながらも、微妙なバランスを取りながら、両足を乗せようとする。そして、何とか両足を乗せた。

ところが、バランスを崩して、すぐに両足とも板の上から外してしまう。失敗だ。どうやら、両足を乗せるだけではなく、そこで立ち上がろうとしているようだ。

おぉ、なかなか難しそうなことをしようとしているな。通りかかった私も成功する姿を見たくなり、足を止めて見るようになっていた。

それから何度も挑戦をするが、うまく乗れない。2回、3回、5回やっても上手くいかない。もうダメではないかと私は思い始めていた。両足を乗せるところまでは、何度かできたが、そこで、立ち上がることができない。両足を乗せると板はグラグラと大きく揺れだす。

10回近く失敗していたのではないだろうか。ただ、見ている人は誰も立ち去ろうとはしない。子供たちは前の方で座って見ていたのだが、誰も立ち上がって去ろうとはしない。

大道芸人は何度失敗をしても辞めないからだ。なんとか成功させたいと思いながら、挑戦を続けている。しかし、私は心の中で「これ、ダメなんじゃないか。できなければ、どうやって終わるつもりなのだろう。」というようなことを考えるようになっていた。

そんなことを考え始めたとき、見事、板の上でバランスをとり、背中を伸ばして立ち上がった。その瞬間、子供たちも大喜びをして、大きな拍手が起きた。「すごい!」という歓声と、私などは「成功できてよかった!」という安堵の拍手でもあったように思う。

上手くいかない失敗する姿を見せ続けていたが、人は誰も立ち去らなかった。応援をしていた。むしろ、その間、立ち止まる人がいて、観衆は増え続けていたかもしれない。そして、成功して拍手が起きた瞬間は、一つになったように感じた。

応援されるには、何が必要なのかを学んだ。成功する姿だけを見せればいいのではない。上手くいかずにへこたれそうになる姿、何度も失敗をする姿、しかし、成功を目指して何度も挑戦をする姿。それがたくさんの応援を集める。

失敗する姿も見せて、今日もステキな一日に。

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