『END ROLL』過去は変えられない、逃げられない【ゲーム感想】
「END ROLL」をクリアしました。フリーゲームなので無料で遊べます!
前半はゲーム序盤のネタバレあり、後半はがっつりネタバレ。
ゲーム概要
探索要素多めの、絶望系RPG。(公式紹介文)
この紹介文の通り、端的に言えば鬱ゲー。
何やら訳ありな主人公「ラッセル」が、夢の中の町の住人達と一緒に冒険したり、親睦を深めたりするコマンドRPGゲーム。
コマンド式の戦闘システムで、難易度はそんなに高くないので割と誰でもできると思う。
ゲーム総評(序盤のネタバレあり)
クリア時間
クリア時間は計ってないのでよく分からない!
公式の参考プレイ時間では、ストーリーを追うだけだと5,6時間。寄り道、ED全回収で10時間以上という感じっぽいです。
私も大体8時間ぐらいだったかも…
ストーリー&キャラクター
鬱ゲーではあるけど、ずっと辛い訳ではなく、世界の住人との交流を楽しんだり、コミカルなシーンも多い。何より魅力的なキャラがたくさん出てくる!みんな大好きだ~!
メインキャラだけでも8人くらい?他にもいろんなキャラが出てきます!
グラフィックもBGMもほぼ自作らしい、すごい。
ストーリーはネタバレになるので深くは語らないけど…割と序盤から片鱗が見える。この次どうなるんだろうという展開が続いたりで、面白い。
ゲームシステム
自分でパーティ編成や装備を決めて、コマンド式で戦うRPG。戦闘難易度はそんなに高くないので普通にストーリーを進める分にはレベル上げはあまり必要ないと思う。
戦闘難易度は簡単寄りだけど、キャラによって技やエフェクトが変わったり、敵が結構凝っていたりするので戦闘自体も楽しめる。
サブクエスト的なものも豊富で、会話パターンもいっぱいあって細かく作りこまれているので、寄り道をして、世界を巡ってじっくり楽しんでいくのが良いと思う!
オートセーブじゃないのでセーブはこまめにとっておくといい。
総評
無料とは思えないクオリティで、ほんとに良いゲームなので、是非遊んでほしい!一方で人を選ぶゲームなことも間違いない。
ハッピーな話じゃないと無理かも…という人にはやはり勧めにくい。推奨年齢は15歳以上なのでそこも留意してください。
ゲームシステム自体はカジュアルに楽しめるつくりになっていると思うのでゲームが苦手でもそこは大丈夫だと思う。作者の方自ら攻略ヒントを出してくれているのでED回収についてもそんなに心配はいらない。
無料だから、ちょっとチャレンジするぐらいはしてみてもいいかもしれない。もしくは作者の方(せがわさん)の他の作品からやってみるとか?(私はこの作品が初だけど、他の作品の方がもうちょいマイルドっぽい?ので)
このゲームは多分プレイヤーの心に傷を残すけど、それでも良い方はラッセルと共に世界を見てほしい。
ネタバレあり感想
ここからは完全にネタバレありの感想になります。
EDは3つとも見て、最後は閑照さんを選んだルートのみ見てます。
・キャラクター
どのキャラクターも見た目も良く、優しいので最初からみんな好きだった。パーティ編成は毎回レベル低めの人から入れるようにして変えてたけど、キャラごとに特徴があって色んな技見るのが楽しかった。
途中からはメガミナヒールを覚えた(覚えさせたっけ?)ドグマさんを多めに使ってた。
最初のタバサさんを殺してた話から薄々察せたけど、住人ほぼ全員ラッセルが殺してたんだよね…ずっと罪悪感を抱きながらプレイしてました…
世界を愛すれば愛するほど罪悪感を抱く、みたいなことを情報屋も言っていたと思うけどほんとにその通り。一緒に映画見たり冒険したりで愛着がわくほど、(でも実際の彼らはもう…)とか考えて苦しくなってた。ラッセルは当事者だしなおさらだっただろうなぁ…
・エンディング
最初は罪悪値足りずにノーマルエンドでした、確か罪悪値10?しかなかった。夜あまり動かなかったのと、シーサイドはいつか行くだろうし今はいいかとか思ってたのが良くなかったかな~
その後攻略メモを見て35まで上げた、当日でもなんとかなるの親切設計。
見回りの相手を決めるときは、施設の人が「最後に何をやるべきかは自然と分かるはず」情報屋が「夢を終わらせるのに重要になるかも」といった事を言っていたので、最後は選んだ人に殺してもらうのかな…と予測しており、一番許してくれそう、分かってくれそうな人、ということで閑照さんを選んだ。(今思うとこの理由かなり逃げの姿勢だね…)あとなんだかんだ頼れそうな感じもするし。
案の定というか、閑照さんは優しく殺してくれました。最後まで穏やかだったね…どんな感情だったんだろうな…
エンド自体は2の方が好き、まだこっちの方がラッセルが幸せかなと思うので。
・ラッセル
最初からまともな環境で育ってないのかな~と多少の予測はあったものの(それでも最初は、ラッセル結構ヤバい事やってるな!?という感覚だったけど)ほんとに家族親族がどうしようもなかったね…
夢の中でさえも敵でしかない父母って…現実でも一度も優しくしたことがないのだろうと伺える。
序盤は、「確かにラッセル反省した方が良いよ」という感覚が終盤になるにつれてラッセルに憐れみを抱かずにはいられないようになっていて、ストーリー構成がうまい。住人達が可哀想なのもほんとにそうなんだけど。
エンド1で結局自殺してしまうのもそりゃそうだよねという感じ。せめて住人の誰かが生きていれば変わったかもしれないけど、全員死んだ後だからな…
「END ROLL」は、終わった後の、今更変えようもない話だったんだとこのエンドで実感する。それもほぼ全部ラッセルの過去の行いが招いている結果なのも…
ラッセルが罪悪感を抱けなかったのはそんな余裕なかったからかな。幸せな生活を過ごしてしまったからこそ余裕ができて、自分の罪と向き合えるようになっちゃって…でもそんな初めての感情に耐えられるわけない。ただでさえ内容も辛いし。多くの人は少しずつやらかして、その度に精神も少しずつ成長するものだけど、ラッセルにはそんな機会無かったからな…
ラッセルは生まれてきたことを後悔したまま終わっていそうなのが...救われなさすぎて...ラッセルが生まれた事は決して罪なんかじゃないけど、ラッセル本人からしたら生まれない方が良かったんだろうな...
・最後に
ほんとに精神に来るゲームだったけどプレイできてよかった。
作者の方の他作品(ミノニヨクシティ、TOWER of HANOIとか?)もやってみたい。あとおまけ部屋とか他の人ルートとかもぼちぼちやりたいな。
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