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虹と逢えたはなし。

薄い雲が空全体を覆っている。
太陽の光は少し弱められているけれど
それでもわたしが寒く感じないように熱を届けてくれている。

一昨日から富良野にいる。
昨日は富良野と日本で一番好きな場所美瑛を一日歩き回った。

雨が降ったりやんだりの中
ひたすら何となく気が向くほうへ足を進める。

大好きな美瑛だし晴天の中回りたかったのにな、
雨かぁ・・・なんて少しだけ残念に思いながらも
でもやっぱり好きな場所にいる幸せ感に背中を押される。

一度行ってみたかったお店でお昼ご飯食べようと
地図と睨めっこしながら向かうも、
嵐のような雨風と
「クマ、でます????」感満点な
目の前の獣道に怖気付き、
さっさと行き先を変える。

何でこんな日にわたしは徒歩で観光しようとしてるんだろ。
何かの修行か??

5年くらい前に行ったことのある
「ケントメリーの木」の看板が何となく目に入った。
久しぶりだから行ってみようか。

久しぶりにその木の前に立ったら
「呼んでくれたんだね、何か伝えたいことがあるの?」
って勝手に口からことばが溢れた。

初めて長いひとり旅をしたのは2016年。
会社をずる休みして2週間の北海道ぐるり旅をした。
そこからひとり旅にどっぷりハマったのは言うまでもない。

その時にも来ているケンとメリーの木。
あの時は夏ってこともあってたくさんの人に囲まれてたっけ。

今日はわたし1人だ。

写真をたくさん撮って、
ふとまた木の方を向いたら。

おっきな虹がケンとメリーの木の後ろに
ドーンって架かっていた。

大きな半円。
端から端まで全部見える。

思わず叫びながら
夢中でシャッターを切る。



薄ら二重だ。
虹のふもとがすぐそこにある。
辿り着けそうだよ。
そこには宝物があるって言い伝えだっけ。

こんなに最高な虹はじめて出逢えたよ。

「そっか、これを見せてくれようとしてたんだね」

そう言わずにはいられなかった。

太陽がまた雲に入っていく。
左側からゆっくりと
光の橋が消えていく。

「待って、まだ行かないで」

半ベソかきながら言う。

でもわかっている。
時間は決して待ってはくれないし、
だからこそこの瞬間が最高に輝くことも。

最高のプレゼントをもらって
心がポカポカだよ。

雨がなきゃ
虹は架からない。

夢を追いかけることは時に
苦しいとこも悲しいことも悔しいことも
もう無理って逃げちゃいたくなることもあるけれど

だからこそ見ることができる景色があるんだよね。

たどり着くちょっと前にはね
壁が立ちはだかるんだよ。

「本当にそれ叶えたいの?」って試される。

でも腹括って覚悟決めて
「なんでもこいやっ!!!」そうやって進んだ先に

ご褒美が待っているんだ。
最高の景色が待ってるんだ。
わたしを叶えることができるんだ。

大好きな場所で出逢えた虹がそう伝えてくれた。

この旅でわたしの覚悟は決まったよ。

覚悟をしたら世界が動き始める。

わたしはこうして旅をしていたい。
こんなしあわせそうで楽しそうな笑顔を
ずっとわたしにさせてあげたい。

わたしのペースは忘れずに
走れる時は全力疾走。

疲れたらゆっくり休んで
辿り着きたいその場所へ。

そこでまた逢いたいな。
逢えるよね。

2021/10/07   美空

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