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国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」 講演会「作品と作品をつなぐものー解釈、応答、変奏」講師:田中正之 

国立西洋美術館「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?――国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」関連イベントとして、4月20日(土)オンライン講演会 「作品と作品をつなぐものー解釈、応答、変奏」講師:田中正之(国立西洋美術館長)が配信された。

田中氏は本展の中でも同館所蔵作品に応答した内藤礼、松浦寿夫を取り上げた。美術作品にとって重要なのはオリジナリティだけでなく、先行作品への応答も西洋美術史の文脈では連綿と行われてきたと、ラファエロに対するアングル、セザンヌに対するマティスやピカソなど数々の実例を挙げながら解説。

セザンヌと並べられた内藤や松浦の作品は、セザンヌが語る「感覚(サンサシオン)の実現のために絵を描くのだ」―つまり自然の中にあるモティーフを見た時の視覚的感覚・体験を造形的に彩色と線描とで構成する、ということを実感できる作品になっていると評し、その繊細さをじっくり見てほしいと述べた。




取材:Romance_JCT
画像:ポール・セザンヌ《ポントワーズの橋と堰》、松浦寿夫《キプロス》  撮影:みそにこみおでん


「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? ――国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」 
国立西洋美術館にて、2024年5月12日まで。
イベントも多数。詳細はWEBで。
https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2023revisiting.html


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