「欧州帰りの留学生」より。

 #デンマーク #留学 #一時帰国 #アイデンティティ  


おひさしぶりです。いかがお過ごしでしょうか?みなさんがお元気なことを祈っています。


私ごとですが、1月から北欧デンマークに留学していました。しかしコロナの感染拡大を受け、今月半ばに学校が閉鎖され、国境も封鎖されました。こんな状況で勉強できるはずもなく、夢半ばで強制一時帰国となりました…(状況がよくなり次第戻る予定です)


いずれにせよ、世界中のあらゆる場所で、1日も早く状況がよくなることを祈っています。



さて今回は、忌まわしきコロナによって私が抱える苦しみをシェアします。黒い感情がブワアァってなっています。ごめんなさい。


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デンマークにある留学先の学校 Krogerup Højskole は、国内最速レベルのスピード(首相の休校宣言から24時間以内)で生徒を全員帰宅させた。留学生である私たちも例外ではなく、すぐに全ての荷物をまとめて帰国した。デンマーク国内外の友達から「まじか!?」ってリアクションされるくらい早い判断だった。


しかしそれから1週間ちょっと経った今、状況は一変。あっという間にヨーロッパがすごいことになってしまった。多くの国が入国制限をとり、娯楽施設はシャットダウン。日常の移動さえも制限されていて、警察官が道で監視している地域もあるそう。こんな情勢なので、日本も3月21日より欧州から入国した人には2週間の隔離が要請された。このニュースが連日大きく報道されている。


そんなこんなで「欧州帰りの人」はあっという間に危険人物になってしまった。帰国した時期は早かったが、私自身もこれに当てはまってしまう。色々な人から、家族からさえも「コロナ持ってない…?」という疑いの眼差しを日々向けられる。


ああ、レッテルが貼られていく。

「私はコロナ危険人物です」っていうシールをずっと貼られている感じ。

安全な国に帰ってきたはずなのに、むしろ息苦しい。



ちょっと反論させて。これはあくまで確率の話。「欧州帰りの人」は「日本にいた人」より、陽性になる確率が高いかもしれない。でも100%が黒じゃない。白の人もたくさんいる。そんなに心配なら検査させてって思う。

(言い訳がましいけれど、私は毎日検温しているけど異常なし。咳や熱の症状もない。最も発症しやすいとされる5〜6日はとっくに過ぎている。もしもここから陽性になったとして、それは「欧州帰り」だからなのか、国内で感染したからなのか、正直わからないのでは…と思ってる。)



だいぶ話は変わるが、実はヨーロッパにいた時も「アジア人=コロナ持ってる」という偏見からくる言動を何回か経験した。



ヨーロッパにいる時は「アジア人」だったし、日本では「欧州帰り」だし。どこにいても私にはずっと「コロナ危険人物」のレッテルが貼られている。こんなに元気すぎてピンピンしているのに!もう!

ダブルで運が悪かったな。おみくじ大吉だったのにな〜


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「危険人物」シールを貼ることは、見える敵をつくることだと私は思っている。見えないコロナウイルスに不安で疑心暗鬼な時、「この人に気をつければ大丈夫」って思うことでせめてもの安心感が得られるから。


この不安でせわしない瞬間に、ニュースやSNSなどのメディアがもたらす情報はめちゃくちゃ大切だ。私の身のまわりの世界で、地球の裏側で、どんなことが起こっているのか、私も知りたい。

しかし、事実の表面的な部分だけを切り取ってしまったら、それは「偏見」になる。事実を切り取って伝えるメディアの発信者も、それを受け取る人も、無意識のうちに誰かにレッテルを貼っているのかもしれない。

何が言いたいかというと、私たちが間接的に見ることのできる情報は「100%の事実」ではないってこと。だから、それをあくまで「1つの情報」としてあしらう力は絶対に必要だと思う。


私もまだまだこの力が足りない。ニュースを過信して、うわべだけの情報を丸呑みにしてしまうことがある。反省。

罪のない誰かを、不用意に傷つけないように。もっともっと鋭い勘と事実を汲み取る力を身につけていきたい。


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今この瞬間じゃなかったら、「ヨーロッパ留学」ってどれだけ響きのいい言葉だっただろうか。

ちょっと前までそこにあった「通常」のヨーロッパ(いうてもデンマーク、イギリス、アイルランドしか行ってないけど)は、時間がゆったりと流れていて、街が洗練されていて、センスがよくて、本当に素敵だった。つい10日前までは、今ニュースで流れているような閑散とした街ではなかった。


こんなこと言っても仕方ないのはわかっているけど、正直本当に悔しい。人生で1番大きな決断をして、休学までして、1年かけて準備してきた。周りの人に本当にたくさん応援してもらった。

留学していた学校も大好きだった。私にはもったいないくらいの人たちと環境で過ごすチャレンジングな日々が、楽しくて仕方なかった。だからこそ、1日でも1秒でも長く、みんなとあの場所に居たかった。


そして、当たり前に6ヶ月過ごせると思っていた。「頑張っても報われない」「運が味方してくれない」ってこういうことなんだって、初めてちゃんと理解した。あまりにも理不尽だけど、誰を責めることもできない。ウオォって叫ぶことしかできない。



この負の感情たちを、どうにかプラスにしていきたい。


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感情任せの文章を最後まで読んでくださり、ありがとうございました。どうかご自愛ください。

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