まんがを描いていたら首をいわしたので描き方を丸ごと変えてみる(3)
月に100枚まんがを描いていた人が、姿勢が悪かったために首をいわして、その恰好のままでまんが描いちゃダメと言われたので更生しようとしてみる話。その3。
描き姿勢を変える。
わたしにはその必要がある。まんがを描けないとなったら泣いちゃうくらいだったし、そもそも仕事にしてるから生活の糧でもあるし、描けないと困る(物理・精神両面で)。
変な姿勢で長時間描き続け、二の腕と肩がもりもりになっていた私は、そのボリュームを見て、これが人間の適応力……とすら思っていた。テニスする人のラケットもつ方の手が長いのと同じやつでしょ、くらいの感覚。
テニスしてる人は、メンテもしているのである。わたしはそれを怠った。チェックしていたらわかったかもしれなかった。
体の、特に上半身腕肩背中まわりの筋肉の発達のバランスが、くずれてしまっていたのだ。
描いているときはそれ専用に筋肉が発達しているから問題ないものの、そのほかのこと、例えばちょっと長く腕を振って歩いてみたりすると腕がもげそうになり、皿を洗おうと少し前かがみの姿勢でシンクに手をつっこんでいると背中が痛くて何度も体を起こさないともたない、そんな体になってしまっていた。やばい。
やばい姿勢を変えねばならない。診察後、少し立ち直ってから描いた、当時の絵がこちら。
まさに、首、背中のとこで折れてんで、という形。変えたほうがいいに決まっている。
(すっかり握力も弱ってしまっているので、当時のペンの設定で描くとカッスカスである。こういうのも少しずつ調整している)
もう描けません、となってからあちこちに連絡したり連絡が来たり、何やっても痛い、痛み止めを飲むとケロッと痛くなくなるので動いてしまって薬が切れるとちぎれるように痛い、というのを繰り返していた3日目、
風呂に入っているときに不意に思いついた。
板タブだ。
ワコム・ペンタブレット
https://www.wacom.com/ja-jp/products/pen-tablets
液晶のついていないタブレットは、タブレットそのものをみなくても描ける。つまり、俯かなくても、画面を見ながら描けるのである。
これだ! と思った。
腕を前に出すだけで痛みが走るので、タブレットは体の正面に置かない。右腕の肘をひじかけについた状態で、肘から先を動かすように描けばすべての重みが肩にかかることも首にかかることもないのでは!
これを思いつくまでは、口にくわえて描くのはどうだ、足の指にはさんで描くならどうだとか言っては、
「患部は首だということを忘れるな」
「足の指で描くならのぞきこむだろうからもっと悪い」
と看破され放題で結構へこんでいた。
わたしは急に元気になって、診察の予約をとったのだった。お医者さんに確認しなくては。
つづく。
次は、そもそもの仕事時間の話。
健康第一 首をやり、開腹手術をして、また検査で引っかかったり風邪をひいたりで、なにはともあれ健康がほしい! サポートいただきましたらこつこつ体力づくりするために使わせてもらいますね。ありがとうございます!