合成の誤謬(ごびゅう)という恐ろしいミス
合成の誤謬
個人レベルでみた場合、あるいは経済合理的に見た場合、
結婚しない方がいい。
子どもを産まない方がいい。
無駄遣いせず貯金した方がいい。
安いものを買う。
長生きした方がいい。
ですが、これを国全体でみるとエラいことになります。
少子高齢化
景気がよくならない
個人(ミクロ)における最善を選択しても、国全体(マクロ)としては最悪の結果になってしまいます。
このようなことを合成の誤謬(ごびゅう)といいます。
2021年6月25日に日銀より発表された日本の個人金融資産は、1946兆円ということで過去最高を記録したそうです。
これは個人が持っている金や株等が増えたということですが、消費には費やされていないことを意味します。
国としてはお金をガシガシ使ってほしいでしょうねぇ。
安いニッポン
これは個人だけでなく企業にも当てはまります。
こっちの方が危ういかもしれません。
バブル崩壊から30年。
今では「安くていいもの」が当たり前になってきてしまいました。
この30年間、物価は大して上がっていません。
でも品質は上がっていると思います。
これは企業努力のおかげであり、個人も便益を受けています。
が、物価が上がらない = 給料が上がらない
という現実も同時に起こっています。
それだけならまだしも、物価が上がっていないのはほぼ日本だけであり、諸外国はこの30年間上がり続けています。
ということはどういうことかというと、我々が海外に行ったときに「高い」と感じるということです。
海外が安いと感じるのはもう昔の話です。
逆に、海外の人が日本に来たときには「安い」と感じる。
これはそう、中国の爆買いなどが典型例です。
ちなみにもう日本よりタイの方が高いです。
さらに企業レベルで見た場合には「買収されやすくなっている」ということです。
既に北海道のニセコ辺りは外資に買われほぼ外国と化しているようです。
ラーメンは3000円。海外では普通なようです。
安いニッポンという本に書いてありました。
くつがえすには
これをくつがえすのは相当難しい気がします。
根本的なマインドを変えないと無理でしょうが、変えるのが難しい。
一企業の努力ではなんともならないでしょう。
世論を変えるしかないでしょう。
「死ぬまでに金は全部使い切ろう」とか。
変わらなそうですが、世論が変わったこともあるので不可能ではないかもしれません。
例えば保育園。
ひと昔前までは「保育園に子供を預けて働くだなんて」っていう時代もありました。
が、今では「保育園に入れて働くのが当たり前」になってきました。
国が本気を出せば国民マインドも変えられるのかもしれません。
全部買われる前になんとかしたいものです。
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