母性と父性① 湊かなえの『母性』から考える
湊かなえさんの『母性』。
少し気になっていた作品でした。
小説好きの母が持っていて、実家に帰省した時に読む?と言って貸してくれました。
母性と父性について、noteをいつか書こうと思っていたので、『母性』と絡めながらまとめてみようと思います。
小説『母性』の母と娘の関係性について
このお話は、
完璧でいて優しい母親、その母親が大好きで母になりたいと願う娘、そしてその娘、と3世代の親子が出てきます。
その母親と娘の関係性は、良さそうに見えて、どこか健全ではないのです。
娘のルミ子は、母親にとても愛されて育ちます。
ルミ子の母親は、美しいくらいに完璧な女性、と言った感じで、読んでる方もうっとりするくらい理想的な母親像が描かれています。
ルミ子は母がとにかく大好き。
どのくらい好きかと言うと、
母親が喜ぶことを自分の生きがいと言い切っていたり
母と意見や考えが同じじゃないと母が悲しむと思っていたり
母をがっかりさせることは、絶対してはいけないし
何かしたら、母は褒めてくれるのですが、それを愛情だと思い込んでいます。
その何かは、もちろん母の喜ぶ事。なので、褒めてもらおうともっともっと母に褒められることをして愛情をもらおうとする。
(逆を言えば、何もしなければ愛されないという事?)
こう見ると、違和感が凄いですね😅
一見、優しくて理想的な母親かもしれないですが、あくまでルミ子視点からみた母親なので、どこまで本当なのかも、もはやわかりません。
母性と父性の役割について
母性や父性の役割について考えてみます。
母性と父性は、ホルモンレベルでの生物学的仕組みの違いです。
母性は、オキシトシン
父性は、バソプレシン
というホルモンが関係しています。
オキシトシンは、聞いたことがある人がほとんどだと思いますが
共感や、関心、安心感などを感じやすく
抱っこされることで形成されます。
幸せホルモン、と呼ばれたりしますよね☺️
赤ちゃんの頃、たくさん抱っこしてあげたり
肌と肌の触れ合いによって育まれていきます。
バソプレシンというホルモンは、活動意欲や探究心、時には攻撃(母子を守るため)と言ったものを育みます。
母性は、家族や家庭の中の生活のイメージですが、父性は外の世界や、社会性に目を向けているというイメージがわかりやすいかなと思います。
母性、父性、どちらも大事な役目をしていることがわかると思います。
どちらがかけても、よくない。
そう考えると、
『母性』のルミ子は、父性が圧倒的に足りなかった、もしくは母性が過剰過ぎたことがわかります。
だから、タイトルは母性なのかもしれませんね。
母性、と聞くと
与えすぎても問題なさそうな感じもしますが
過剰な母性も、問題が出てくるのです。
よく愛着の問題、と聞くと
足りない方にばかり目が行きがちです。
過保護で育つと、足りなかった感覚はないので、たくさん愛してもらったのにどうして?
と、思う人もいます。
本人がそう思っていると、解決が難しいこともあります。
父性=父親ではない
両親が不在でも、母性、父性を育むことは可能です。
母性は、母親だけではなく、父親が与えることも、祖父母が育むこともできるんです❣️
父性が強い母親だって、存在しますし
母性の強い父親もいるはずです。
なので、両親がどうこう、という話でもないようです。
大事なのは、関わり方。
1人で使い分けることも出来るわけです。
(実際私も1人親ですのでね😄)
次回は、母性と父性をゴリラから学んでみようと思います。
②に続きます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?