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【新聞連載第9回】挑戦の連鎖を育む


縁の下の力持ち軍団』とでもいいましょうか。若者に挑戦の舞台を作り続けていると、その挑戦の舞台を共につくりあげる仲間が増え、コミュニティになってきていることを日々実感しています。

色んな若者の挑戦ストーリーがある中で、今回は一人の若手社会人の話を取り上げます。

たくさんお手伝いしてくれたみんな、ありがとう

これまでの連載の中で、小学生から大学生に向けた様々な事業を紹介しました。中でも私たちの主要プロジェクトである『マーブルタウン』は小学生を対象にしたシチズンシップ教育事業としてこれまで約 25,000 人の子どもたちが参加してくれました。

この事業の開催と同時に私たちが育んできたのが、ボランティアスタッフの高校生・大学生コミュニティです。本事業は、親は中に入ることができないため多くの子どもたちの成長のサポートをするのがこのボランティアの学生たちです。

彼らは様々な挑戦を自ら作り出し、大学内での開催やボランティアの呼びかけ、子どもたちに向けた創意工夫など、様々な形で私たちにも還元してくれます。

数年前、当時大学生だった一人のボランティア学生がいました。彼は石田彰宏くんといい、開催後日に私たちの事務所に来て、マーブルタウンを地元刈谷で開催してみたいということを伝えてくれました。

指示がなくても自分たちで考えて提案してくれる頼もしい大学生たち

実際、彼のように自分の地域でもマーブルタウンを開催してみたいという声は毎年数多くの声がけがあり、近年の開催当日は視察対応することも増えました。しかし、本事業は子どもたちからの入場料徴収を行わないため、予算や人員、物資の確保を行うところまで実現できるのは、大人であっても学生であってもごく少数です。

当時石田くん一人でいち早く開催にこぎつけられる状況ではなかったため、刈谷で開催を実現するために、まずは刈谷市内でイベントや企画を行う経営者に一緒に相談しに行きました。企業協賛を得ることはできるのか、助成金や補助金など、活
用して行うことはできるのか。他にも、市内の大手企業の社員さんと協働して開催をする会議を開催したこともありました。

主に予算をどうつくるか、誰と連携していくかを一緒に考えながら、私たちのマーブルタウンでは運営側に入ってもらい、どのように事業や組織をつくっていくのかというプロセスを一緒に踏んできました。

そのような連携を続ける中、昨年彼は社会人となり偶然にも岡崎市の三河高校で非常勤講師を始めました。新しい社会人生活の中で、できる時間で刈谷マーブルタウン開催のための連携を進め、この度平成 31 年度のかりや夢ファンド補助金という刈谷市民のまちづくり事業を推進していく事業に採択され、年内の刈谷マーブルタウン開催実施が決定しました。

私の教育に対する活動の原体験は、自分が不登校を経験したことにあります。その経験をモチベーションにして様々な環境で教育に関する活動を続けている中で見えてきたのは、『一人ではなにもできない』ということです。

歌手中島みゆきさんの『糸』という歌詞の中に、

縦の糸はあなた、横の糸は私。
織りなす糸はいつか誰かを暖めうるかもしれない

中島みゆき「糸」の歌詞より

という一文があります。

そんな織物(コミュニティ)で、子どもたちをあたたかく育む教育現場を街の中に作っていきたいと考えています。

(2019年1月24日 東海愛知新聞掲載)

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