ドラフト2021~高校生投手編~

実はタイトルの雰囲気を昨年と変えました。鬼滅の刃リスペクトと思ってくださって構いません。思えば昨年、あまりにもやることがなくて、それならnoteでも書いたろかい!と思ってドラフト候補についてまとめたのが僕のnote投稿の始まりです。とりあえず今回も、やるからには6週連続で投稿出来たらいいな、と考えています。

最初は高校生投手からです。今年はかなり高校生投手のドラフト候補が粒ぞろいで、右腕も凄いのですが、特に左腕に関しては2016年と同等のハイレベル。まあ、前置きはこれぐらいにしましょう。それではー、れっつらごー。

●高校生右腕

昨年は本職投手で、実戦にてMAX150km/h以上を記録した投手が12人もおり、そのうち、志望届を提出し、かつ身長180㎝以上に限れば、6人中5人が支配下指名でした。なお、支配下指名された中で最もMAXの遅い右腕でもMAX148km/h(しかも両名とも身長190㎝以上)でしたから、高速化がいっそう進行していることが伺えます。なお、身長180㎝未満&MAX150km/h以上の志望届提出右腕は5人で、下位指名が1人、育成指名が1人、指名漏れが3人でした。

今年、MAX150km/h以上を既にマークしている右腕となると

風間球打(明桜)身長182㎝ MAX153km/h

小園健太(市和歌山)身長185㎝ MAX152km/h

森木大智(高知)身長184㎝ MAX153km/h

柳川大晟(九国大付)身長188㎝ MAX152km/h

畔柳享丞(中京大中京)身長177㎝ MAX151km/h

関戸康介(大阪桐蔭)身長179㎝ MAX154km/h

この6人。このうち、身長180㎝以上の風間・小園・森木・柳川は、志望届を提出すれば支配下指名が濃厚かと思います。なお、MAX150km/hであっても、身長180㎝以上ではない右腕はあまり上位指名されない傾向にあります。ここ4年で見ても、指名された7人のうち、上位指名は石川翔吉田輝星の2人のみ。畔柳や関戸は、よほど大舞台で鮮烈な活躍を見せないことには、上位指名は難しいかなと思います(ここから身長が伸びる可能性はあります)。

この6名に加え、身長193㎝で、この冬~春にかけてMAXを148km/hに引き上げ、さらに平均球速も引き上げてきた達孝太(天理)も、支配下指名濃厚でしょう。多くの速球派投手がMAXを出せなかった今春のセンバツで出してきたという点も評価したいところ。恐らく夏には150km/hの大台に乗ってくるのではないでしょうか。それでは、個人名を挙げていくのはこの辺にして、個人個人についてみていきましょう。

風間球打(ノースアジア大明桜)

個人的には一番好きな投手です。身長182㎝とのことですが、恐らく手足を付け根付近から大きく動かしているのか、それ以上に大きく見えます。フォームとしては堀田賢伸(2019年巨人1位)に似ている印象。少しアームアングルは高すぎかなと思いますが、壮大なスケール感と、最低限のメカニクス感覚を両立させている点が◎。まだ甲子園経験はないですが、1位になってもおかしくない投手だと思います。2年夏までは数多く起用されてきたわけではなく、肉体が酷使されていなさそうな点もポジティブ要素でしょう。

小園健太(市和歌山)

今年度No.1との呼び声高い投手。彼はストレートだけでなく、数多くの変化球もマネーピッチにできる威力があり、手札と攻め手が多い実戦的な投球ができるのが最大の魅力です。フォームとしてはもうひとつ肩甲骨まわりが動ききっていないのが気になりますし、センバツ初戦では完封とはいえ6四死球と、案外コントロールにバラツキがあるのですが、身体も出来つつありますし、2年目から一軍ローテを意識できる器かなと思います。ドラフト市場においては、奥川恭伸投手(2019年ヤクルト1位)のような立ち位置になってくることでしょう。

森木大智(高知)

森木投手も甲子園経験はありませんが、2年夏から既に名前を轟かせていた投手です。フォームはまだまだ課題がありそうですが、変な反動をつけたり負荷をかけている様子がないのに150km/hを出してくるという壮大なエンジンを搭載している器だと評価しています。中学は軟式だったという点、どこかに無理をかけていそうにないフォームという点も踏まえると、肉体に大きなダメージがなさそうというのもポジティブ要素でしょうか。

畔柳享丞(中京大中京)

初見で読めない難読ネームはインパクト十分。フォームは昨年の同校エースである高橋宏斗投手(2020年中日1位)に似ており、背骨を軸にして回すタイプかなと思いますが、身長が7㎝ほど低いので彼ほどのスケール感はありません。肘の故障歴がある点と、センバツでも酷使の結果、腕に力が入らなくなる等、故障と向き合い続けるプロ生活になるリスクがあるので、その辺は各球団とも慎重になる点ではないでしょうか。

関戸康介(大阪桐蔭)

センバツで不甲斐ない投球に終わってしまった、現時点での世代最速投手。軸足を折りすぎる・並進中に体重が背中側にある・下半身の体重移動が途中でブロックされている等、メカニクス面での不備が現状では目立つのが気になるところ。大阪桐蔭の投手は割と、どこか違和感のあるフォームをしていることが多いですが、センバツで球速にも制球にも課題のある所を見せてしまった以上、夏に大きく盛り返さないと上位指名は難しいでしょう。

達孝太(天理)

夏には150km/h台に乗って来そうな大型右腕。肩甲骨の寄せができているダイナミックなトップの形は今年の候補の中でもNo.1かなと思います。今春センバツでは完投命令が出ていたようで、省エネピッチしようとしたせいか、むしろ四球を多く出して球数が増えるという悪循環に陥っていました。身長を見ると、高いリリース点から振り下ろしてくるタイプに見えますが、現状の彼は打者に近いところでリリースするタイプ。このフォームは球威が減退してしまう傾向にあるので、今後は違う路線に行くのか、敢えてこれを貫くのか注目されます。

柳川は動画素材が少ないのと、スカウトからのコメントもさほど聞かれないため、評価はしないでおきます。他でまだ名前を挙げていない中で言えば、伊藤樹(仙台育英)、京本眞(明豊)、花田侑樹(広島新庄)らが面白いかなと思いましたが、もう少し球速が出てくるまでは、という印象です。

●高校生左腕

高校生左腕が直プロする際の基準としては、MAX145km/h以上であることです。身長は右腕ほど厳しくは判断されません。先日、MAX145km/h以上の高校生左腕の人数を調べたところ、今年は少なくとも08年以降では既に最多の人数となっていることが分かりました。ほぼ無名の投手や、これから増えてくる名前もあると思われますが、かなりの豊作年であることが予想されます。4月17日現在、

松浦慶斗 150km/h
羽田慎之介 149km/h
金井慎之介 148km/h
石田隼都 146km/h
泰勝利 146km/h
長谷川康生 145km/h
田村俊介 145km/h
木村大成 145km/h
山城京平 145km/h
菅原駆 145km/h
新井駿也 145km/h

これだけの投手がいます。評価可能なだけの情報がない投手もいますが、評価できそうな投手に関しては、ひとりひとりコメントしていきます。

松浦慶斗(大阪桐蔭)

MAX150km/hの速球に加え、身長186㎝という高身長も魅力の大型左腕。下半身の使い方が同僚の関戸康介と似ていて、あまり体重が移動しないという課題があります。何度か、右肩が脱臼した経験があるというのも不安です。それでも、志望届を出せば上位指名は堅いのではないでしょうか。

泰勝利(神村学園)

身長173㎝と小柄ですが、アームアングルの高いダイナミックなフォーム、それでも無理にアングルを上げているわけではないあたりにメカニクス理解を感じます。MAX146km/hで、球速通りあるいはそれ以上の球威を感じます。個人的には現状、最推し左腕です。

羽田慎之介(八王子学園八王子)

ここ数週間のうちに、一気に名前を聞く機会が増えてきた、身長191㎝の大型左腕です。リリーフ登板だからというのもあるでしょうけど、MAX149km/hともう少しで大台に届くところまで来ました。まだまだ、瞬発力が感じられないフォームなのは気になりますが、恐らく本人も、これ!といったハマるフォームを見つけれていないように思いますので、指導者や本人の学び次第で良いフォームに巡り合えれば、さらにスケールを増していけるのではないかと思います。

石田隼都(東海大相模)

今春のセンバツで最も評価を上げた左腕だと思います。リリーフ登板でMAX146km/hを記録。29.1イニング投げて無失点、被安打率4.30、奪三振率13.81、四死球率0.61という驚愕の数字を並べてチームを優勝に導きました。身長183㎝と大柄ながら、プロでもなかなかいないほどの完成度の高いフォーム。現状、思いつく課題としては、もう少しストレートで力押しできるようになるためにビルドアップが必要かなというぐらいですが、あと1年のうちにビルドアップできればそれも解消されます。夏の状態次第では直プロ、あるいは上位指名の可能性も十分にある左腕でしょうけど、下位指名になるようなら進学して4年後に備えるのもアリだと思います。

木村大成(北海)

フォームも投球スタイルも、田嶋大樹(オリックス)に似た左腕です。なお、田嶋も高校時代のMAXは145km/hでした。センバツでは被安打11と少し打たれ気味でしたが、あわや完封というナイスピッチ。恐らく彼も石田隼都と同様、志望届を出せば指名されると思いますが、進学or就職し、3~4年後の上位指名を狙うという方法もあるので、どちらを選択するのか気になるところです。

このほかで言えば、野崎慎裕(県岐阜商)、秋山正雲(二松学舎大付)らが気になっていますが、いずれも身長175㎝未満かつMAX145km/h未満で、”楽しみな高校生左腕“という域を出ていないかなという印象です。また、田村俊介(愛工大名電)や金井慎之介(横浜)に関しては、野手の方で取り上げてみる予定です。

●おつかれさまでした

今年もドラフト候補についてまとめていく季節が始まりました。僕の興味はあくまでも、支配下指名される可能性が高い選手にありますので、隠し球を探す興味はあまりありません。それを探されるのであれば、他の方の情報をあたってくださることを期待しています。

来週は高校生野手についてnoteを書いてみたいと思います。できれば毎週書いていく予定です。実は待ってたよ!だとか、参考になった!という方は、note登録や高評価、よろしくお願いします。それでは、ばいば~い。

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