ドラフト2024 各球団振り返り

今年も、ドラフト会議の1日が終わりました。ドラフトって開始から育成指名終了まで、ほんの3時間半ほど、野球の1試合ぐらいの長さなんですが、この時間の最初から最後までずっと、脳と身体がビリビリするので、ここでしか得られない栄養があります。

色々とまとめたいことも多々ありますが、まずは各球団のドラフトを振り返っていきたいと思います。編成のことや、来季についてのことも触れていきますが、ドラフトだけがオフの補強手段ではないので、今後の補強次第では、ドラフト終了後では見えないことも見えてきたりするでしょう。


埼玉西武ライオンズ🦁

【上位指名予想と実際】

予想では、宗山塁〇 佐々木泰 清水大暉 でした。
実際は宗山塁のクジは当たらず、まだ残っていたので、地元の高校に通う石塚裕惺も指名しましたがここも当たらず、齋藤大翔を指名。遊撃手の指名に拘っていたことが伺えました。

個人的には外れ1位で渡部聖弥を指名するのではないかと思っていましたが、2巡目で指名。3巡目は長身高校生右腕というところまでは合っていましたが、狩生聖真でした。フォームはかなり良く見えますが体重がかなり軽く、上位指名されるのだろうかと思っていましたが、清水より高評価だったのでしょう。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目は、全て当てはまっていました。今後も使っていけそうです。ただ、上位指名に限ったことではありませんが、「独立リーグの選手を支配下指名することが多い」は追加しておこうと思います。

【跳ねそうな選手・編成】

今後、高確率で主力になりそうなのは、上位3人に加え、もしかしたら林冠臣も、という感じでしょうか。最低限の技術土台のある、ポテンシャル高い選手を上位で指名している印象で、とても好感が持てます。
編成で言えば、野手の各ポジションに選手を指名し、野手不足になることはないかな、と感じますが、リリーフ投手の枚数でいえば少し少なく、外国人投手や、現役ドラフトでの補強があるかもと思います。

【全指名を通しての感想】

先発投手・野手各ポジションに好選手を指名し、好感が持てます。リリーフ投手の指名がなかったですが、計画していたものの上手く指名できなかったようで、ここは外国人補強なりが必要な箇所になってくると思います。若い先発投手陣というのを受けて、高校生先発を指名したり、弱点のようになっていた外野に2人の主軸候補を加えたりと、うまく考慮して指名したのが伺えます。来年のカーミニークが楽しみです。

中日ドラゴンズ🐉

【上位指名予想と実際】

予想では、金丸夢斗✖→篠木健太郎 齋藤大翔 宮原駿介 でした。
実際は金丸夢斗に入札し、クジを引き当てることに成功。14年ぶりの大学生左腕入札を、当たりクジで飾ることとなりました。

2巡目には既に齋藤大翔が残っていなかったため、3巡目で左腕を指名しようとしていたのを、2巡目に繰り上げて吉田聖弥を指名したのではないかと思います。そして、高校生ショートを上位指名しようとしていたので、3巡目で森駿太を指名したのではないでしょうか。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目は、2巡目で野手指名したかったであろう分を3巡目に回した以外は全て当てはまっています。これもこのまま使っていけそうです。

【跳ねそうな選手・編成】

金丸夢斗はリーグのパワーバランスを変えかねないような選手であり、少なくともFA取得するまではフロントスターターとしてチームを支えるでしょう。金丸夢斗との交渉権を獲得できただけで既に今年は価値がありすぎていると思います。
編成で言えば、先発投手がだいぶ少なかったところ、4人も指名。高校生の両名をいきなり使わなくても良さそうなのは高印象。石橋康太以外の22歳~29歳の捕手が少ないことが指摘されていたところに、大卒社会人で、石橋と同い年の石伊雄太を指名したのもピンズドで良かったです。今年はしっかりと編成を意識していることが伺えました。

【全指名を通しての感想】

1人でリーグ内の勢力図を描き換えかねない金丸夢斗の交渉権を獲得できたのがとても大きいですし、彼以外の2人の左腕も、また、センターラインの2人の指名も、チームに必要なところを的確に突けており、デプス管理と指名選手の天井の高さを両方しっかり満たしているのが好印象。3年連続最下位だったので、あとは上がるしかありませんが、優勝に向けての第一歩とも思えるような指名でした。

オリックス・バファローズ🐮

【上位指名予想と実際】

予想は、金丸夢斗✖→今朝丸裕喜 渡部聖弥 石伊雄太 でした。
実際は、大学生野手の西川史礁に入札。考えてみれば、福良GMになってから、最下位の3年間は常に野手に入札していたので、そこに気が付いておれば予想できたのかもしれません。クジは外しましたが、中堅手の麦谷祐介を指名し、弱点と言われていた外野手問題へのアンサーとした形です。

その後は、長身大学生右腕の寺西成騎。オリックスが長身大学生右腕を指名するのは少し意外でした。今後は増えていくのかもしれないですね。3巡目は長身高校生右腕の山口廉王を指名。1位か2位で今朝丸を狙うかと思っていましたが、寺西がいたのでそちらを選んだのかもしれません。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目に関しては、幾つかの修正点が見つかりました。

Bクラスに終わった年は、競合覚悟で野手を指名する
大社右腕でも長身の選手を狙うことはある
2巡以上で「野手」を指名

この辺りは来年以降、追加してみようと思います

【跳ねそうな選手・編成】

麦谷祐介は、「中堅手」「広角に打てる長打力」「アグレッシブ」という意味で、今のオリックスに相当はまりそうなだけでなく、選手としてもチームの顔になれそうな選手だと思います。寺西成騎も、プロで先発するかは分かりませんが、現時点でも短いイニングは打者を圧倒できるので、リリーフでなら高確率で出てきそうです。
支配下だけでも編成はまずまずですし、そこに加え、育成でもそれぞれのポジションに選手を指名しているので、ここに関しても好印象。

【全指名を通しての感想】

上位でポテンシャル重視の指名、下位で社会人選手というのがオリックスの今のドラフトですが、今年もまさにそうでした。数年前には不足気味だった先発投手ですが、ここ数年は上位指名でも積極的に先発投手を指名するようになり、枚数的にも潤いつつあります。気になるのは、近年、捕手から離れていた山中稜真を捕手として指名したことぐらい。現時点での見込み通り、上位指名選手たちが期待に応えてくれたら、かなり良いドラフトとなるでしょう。

東京ヤクルトスワローズ🐧

【上位指名予想と実際】

予想は、柴田獅子 吉納翼 高橋幸佑 でした。
実際は、「打撃もいい」というのは高校時代に4番だった中村優斗投手のことで、単独指名を達成。ヤクルトとしては久しぶりの、身長180㎝未満の右腕上位指名でした。

2巡目は、左の外野手ということで吉納翼かと思っていましたが、高校生のモイセエフニキータ。だいぶ惜しかったです。3巡目は高校生か社会人の左腕が来るだろうと思っていましたが、社会人の荘司宏太。かなり惜しかったですが、ヤクルトはリリーフ専任投手でも指名するので、予想できなくはない指名だったと思います。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目では、

・Bクラスの年は2巡目で大社投手を指名することが多い

に修正しようかなと思います。隔年で高校生を上位指名していますが、2年前は優勝したので高校生を指名したのかと思っていました。計画的に高校生野手のプロスペクト候補を指名しているのでしょうね。

【跳ねそうな選手・編成】

中村優斗は起用法こそ先発かリリーフか分かりませんが、うまくいかない姿を想像する方が難しいほどの超逸材。荘司宏太も奪三振能力が素晴らしく、どちらも投手陣を支えていけるでしょう。モイセエフニキータ、田中陽翔という2名の左打者も、左の中長距離打者ですし、野手育成の上手いヤクルトならかなりの確率で跳ねてくるのではないかと思います。
編成も特に問題なさそう。

【全指名を通しての感想】

稀代のスピードボーラー・中村優斗を単独指名できただけでも価値がありますが、二十歳前後のプロスペクト野手候補を2名も確保したのがとても良いと感じます。田中陽翔はサードに転向させて、ポスト村上宗隆とするプランもありそうですし、モイセエフニキータもまた左のアーチストになれる素質があります。投手が課題と言われ続けている中、投手は少数精鋭にとどめ、主軸候補の野手を複数確保したのは、来季以降に向けてかなり良い方を向いているのではないでしょうか。

東北楽天ゴールデンイーグルス🐦

【上位指名予想と実際】

予想は、宗山塁✖→浦田俊輔 印出太一 坂口翔颯 でした。
実際は、宗山塁の交渉権を獲得。楽天が大学生野手に入札するのは、ドラフト制度が現行のものになった2008年以降では初で、それを当たりクジで飾ることとなりました。

2巡目は投手に切り替えて徳山一翔。一昨年からのバランスをとるために野手、そして、二軍育成用の捕手を指名するのかなと思っていましたが、投手で来たのは少し意外でした。3巡目はリリーフ右腕というところまでは合っていましたが、独立リーガーの中込陽翔を指名。スタッツも体格もスピードも兼ね備えたリリーフ右腕なので、楽天らしいといえばらしい指名でした。楽天としてもかなり久しぶりの、独立リーガーの支配下指名でした。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目では、幾つかの修正や追加項目が見受けられました。

前年の上位指名「野手」と年代やポジションのかぶる指名は避ける
「23歳以上の」投手でも、球速次第で上位指名することがある

この辺りは来年以降に反映していきます。

【跳ねそうな選手・編成】

宗山塁はまず間違いなく、リーグを代表する選手の1人になるでしょう。下位指名ながら吉納翼はかなりの長打力があり、両翼に外国人を補強するよりも価値があるのではないかと思います。徳山一翔は早い段階で手術を受ける可能性こそあれど、速球で空振りを奪えるほどの圧倒的な左腕であり、フロントスターターを任されてもおかしくありません。
編成で言えば、育成を含め、捕手がずっと少ないままなのは気になりますが、他は特に問題ありません。

【全指名を通しての感想】

宗山塁の交渉権を獲得できただけでも価値がありすぎるドラフトですし、他でも大学生や、大卒社会人の年齢の有望株を多数集めた指名となりました。特に、3人の大学生はいずれも主力になって然るべきともいえるような選手であり、かなり期待が持てます。2~3年後にチームのヤマを持ってきているのかもしれないと感じる指名でした。

広島東洋カープ🎏

【上位指名予想と実際】

予想では、宗山塁✖→西川史礁 吉田聖弥 伊原陵人 でした。
実際は、宗山塁の外れ1位は佐々木泰。少し身長的にはカープが求めるサードには低いので、二塁も挑戦させるかもしれません。

2巡目は吉田聖弥がいなければ彼かなと思っていた佐藤柳之介。3巡目はかなり意外で、甲南大の長身右腕・岡本駿でした。その後のカープの指名が割とポテンシャル重視になったのを踏まえると、3巡目はスリップしてきた投手(大社長身右腕?)を確保する順位として備えていたものの、特に誰もスリップしてこなかったので、3巡目からポテンシャル重視にしたのかもしれません。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目では、「2018年以降に上位指名した大社右腕は全て身長180㎝以下」の部分が今回、見直されました。指名した中背右腕たちが、どれも今ひとつカープにフィットしていないと判断したのかもしれません。今後は従来通り、長身大学生右腕狙いに切り替えるかもしれませんね。

【跳ねそうな選手・編成】

近年の東都スラッガーたちの躍進を踏まえると、佐々木泰は一定の活躍はしてくれると思います。佐藤柳之介も、まだ球速は上がってきそうですし、プロ球界に似ているタイプがあまりいない投手なので、特異点の投手として結果を出していけるかもしれないと感じます。
編成で見てもかねがね良好。外野がもう1人ぐらいいればよかったかなと思いますが、カープのドラフトにおいて外野手の指名はあまり熱を帯びていないように思うので、仕方ないのかもしれません。

【全指名を通しての感想】

東都産スラッガーの佐々木泰・富士大エースの佐藤柳之介という投打の両輪を指名できたのは良かったなと思います。4巡目の渡邉悠斗は捕手もできる一三塁のスラッガーなので、うまくいけば打てる捕手として売り出すこともできそう。3巡目以降の投手たちはまだ未完成の面が大きく、彼らが今後数年でどうなっていくかで、今年のドラフトの+αの部分が問われそうです。

千葉ロッテマリーンズ🐟

【上位指名予想と実際】

予想は、石塚裕惺 寺西成騎 中津大和 でした。
実際は、西川史礁に入札して交渉権獲得。大学生野手に入札するのは10年ぶりで、ここで外野手を確保するとは思いませんでした。

二遊間は2巡目で、二塁手の大卒社会人・宮崎竜成を指名。二塁手も上位指名する球団ではありますが、大卒社会人で来るとは思いませんでした(確かに高卒直後の世代は育成含めて3人もいますもんね)。3巡目は今秋活躍中の長身剛腕リリーバーの一條力真。先発登板なしの完全なリリーフタイプですが、ロッテは大谷輝龍もそういうタイプと承知で上位指名していますし、今後はアマ時代でも(ほぼ)リリーフ登板のみの投手でも上位指名する球団のひとつとして予想に反映しようと思いました。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目では、前述通り、修正・追加項目が見受けられました。

23歳以上の選手でも上位指名する
リリーフ専任投手も上位指名する

来年以降はこの項目も踏まえて、予想していこうと思います。

【跳ねそうな選手・編成】

西川史礁は対応力がズバ抜けており、今秋はこれまで少なかった四球も多めに獲得していて、今後も成長していける余地があるスター候補。一條力真は体力面こそ少し不安がありますが、ベストパフォーマンス時は大学の先輩の甲斐野央クラスの投球ができると思います。
編成で見ても、少なすぎて困りそうなポジションは見当たりません。例えば少し少ないポジションがあった場合、このポジションを守る選手が2人故障しただけで、まだ身体もできていない20歳前後の野手が使われすぎてしまい、身体を痛めることまであります。デプス管理は選手を守る上でも大事です。

【全指名を通しての感想】

上位でしっかりとチームの幹になりそうな選手を指名し、下位ではポテンシャル溢れる選手を指名するという、これもまたひとつの王道ドラフトだったと思います(これとは逆に、上位でポテンシャル、下位で手堅くという指名も一つの正解です)。立松由宇の指名は驚きましたが、入団してくれない可能性も踏まえての指名でしょうから、入団とはならなくても誰も悪くありません。個人的には、宮崎竜成のプレーがとても見てみたいです。

横浜DeNAベイスターズ🐹

【上位指名予想と実際】

予想は、中村優斗 宇野真仁朗 柳舘憲吾 でした。
実際は、金丸夢斗に入札。実はDeNAが大学生左腕を支配下指名するのは5年ぶり。やはり、セ・リーグのライバル球団に金丸夢斗が入団するのを黙ってみているわけにはいかないという気持ちの現れだったのかなと感じました。外れ1位は竹田祐で、こちらもさらに予想外。今季とても好調な先発右腕ですが、DeNAが外れ1位で大卒社会人右腕を指名するところは想像できませんでした。

2巡目はスリップ気味に降りてきた篠木健太郎。3巡目は驚きましたが、大学在学中の独立リーガー・加藤響。3巡目で指名する必要があったかは分かりませんが、3巡目以降はポテンシャル枠や、故障からの回復待ち枠にもなっているので、その中で加藤の優先順位が最も高かったのでしょう。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目では、入札に関する項目のみ、見直す必要があるなと思いました。あと、上位指名に限ったことではありませんが、「独立リーグの選手の支配下指名が多い」は追加しておこうと思います。

【跳ねそうな選手・編成】

竹田祐は吉村貢司郎クラスの成績は残してくれるんじゃないかと思いますし、スプリットも持っているのでリリーフにもできると思います。篠木健太郎も驚くほどの球速までは今出てないですが、理由が肘痛とかであれば早期に手術すれば早い段階でベストパフォーマンスに戻せますし、そうなればかなり強力な戦力になれそうです(現時点でも全く通用しないとは思いませんし)。
編成は悪くないものの、ギリギリの人数で回しているポジションが複数あるため、故障者が複数出ると二軍が少し大変になる可能性はあります。

【全指名を通しての感想】

一軍のリリーフが少し弱かったという点を踏まえ、リリーフ出来そうな投手(先発もできそう)を複数確保したのは良かったと思います。野手はどちらもショート。3巡目で指名した加藤響がどれぐらいやってくれるかで、今年のドラフトの良し悪しが左右されかねないとも思います。攻守ともに華のあるショート(セカンド)になってくれれば良いですね。

北海道日本ハムファイターズ🐻

【上位指名予想と実際】

予想は、宗山塁✖→藤田琉生 モイセエフ 山口廉王 でした。
実際は、宗山塁に入札し、外れ1位で柴田獅子を指名。ヤクルト入札予想だったので柴田獅子は除いていましたが、残っているなら柴田獅子に行きそうだなと思っていました。ここでも競合しましたが、こちらは当たりクジでした。

2巡目は、まだ残っていた藤田琉生。ハムが行かないなら残りそうだなと思っていたので、ある意味予想的中。3巡目に野手を持ってくると思っていたところの浅利太門は驚き。高校生は長身正義ですが、大学生に関してはむしろ中背狙いで、身長185㎝以上の大学生右腕の上位指名は2016年の田中正義以来でした。なお、ハムが1-3巡の中で野手指名しなかったのは2015年以来です。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目では、

リリーフ要員を上位指名することがある(過去にも行なっていた)
長身大学生右腕でも指名することがある

というのが修正して新たに加わる項目になるかなと思います。あと、今年は上位指名で、宗山塁以外は野手指名しなかったですが、かなりのレアケースなので、来年以降に頻発することはないのではと思いますし、柴田獅子を二刀流育成するのであれば、彼が野手枠でもあるのかもしれません。

【跳ねそうな選手・編成】

次々と長身右腕をモノにしていっているハムならば、柴田獅子はほぼ確実に主力になるでしょう。藤田琉生も身体が出来てきて、平均球速が上がってきて、変化球を整備すれば、高確率で一軍戦力になると思います。ここからの3年間がとても大事です。
編成もかねがね問題なし。二軍の外野が育成選手によって運用されているように思えるのは少し気になりますが、そこまで気にすることではないでしょう(成長してくれば支配下登録すればよいだけなので)。

【全指名を通しての感想】

1巡目から4巡目まで、身長185㎝以上の投手のみで固められるという、突き抜けた指名でした。実際、育成で指名した長身投手たちが次々と一軍戦力になっていますし、他球団が多少のリスクを感じる投手にも踏み込めるのはだいぶ強いと思います。彼らの成長と活躍を待つのが楽しみです。

阪神タイガース🐅

【上位指名予想と実際】

予想は、金丸夢斗✖→徳山一翔 佐藤柳之介 正林輝大 でした。
実際は、金丸夢斗のクジを外した後、伊原陵人を指名。おそらく大社左腕だろうとは思っていましたが、大卒社会人に行くのは意外でした。ただ、阪神は過去にも近本光司を指名したこともあり、活躍しそうなら大卒社会人でも1巡目で指名することがあります。阪神がどういう形で伊原陵人を戦力化していくのか期待したいです。

2巡目はまだ残っていた今朝丸裕喜。過去の上位予想ではこの位置で高校生右腕が来そうだと予想したことがありましたが、大社先発がだいぶいなくなっていたことを思うと、プランBとして妥当な判断だったと思います。3巡目は大卒社会人の剛腕・木下里都。先発で平均球速150km/hの右腕ではありますが速球以外の変化球が相対的に弱く、都市対抗では被安打が多かった点が不安ですが、それでも上位指名されたのはとても感慨深いものがあります。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目では、

23歳以上の選手でも上位指名する

という項目に修正し、追加しておきます。近本光司・木浪聖也をダブルで上位指名したことがありましたし、よくよく思い返してみれば前例はかなりありますね。

【跳ねそうな選手・編成】

上位3人の誰もが戦力になると思いますが、最も跳ねそうなのは木下里都だと思います。変化球の整備さえうまくいけば、中村優斗クラスの活躍をしてもおかしくない投手ですから、フロントスターターはおろか、リーグを代表するようなエースになってもおかしくないまであります。
編成で言えば、外野手がだいぶ少ないのが気になります。外国人を複数補強する手もありますが、打席だけ与えて結局打てないということは往々にしてあります。どうするにせよ、あと2人は必要になってくるでしょうから、今後の補強を見守りたいです。

【全指名を通しての感想】

上位を投手でガッチリ固め、下位は独立リーグで野手補強というドラフトでした。特に、左右の大卒社会人投手は、上手く導けば1年目から貢献してくれるでしょう。貧打解消のため、打力で食い込んでこれる選手となると、4巡目の町田隼乙が候補になりそう。少し癖のあるフォームですが、長打力に期待したいところです。

福岡ソフトバンクホークス🐥

【上位指名予想と実際】

予想では、宗山塁✖→麦谷祐介 箱山遥人 山縣秀 でした。
実際は、宗山塁のクジを外した後、バリバリ地元選手の柴田獅子を指名。あまり上位では、福岡で生まれ、福岡の学校に行っている選手を指名しない印象でしたので、かなり驚きました。しかしここでもクジを外してしまい、村上泰斗を指名。才気あふれる高校生右腕ながら、特にすごく勝ち上がった選手でもなく、長身でもないため、どうなるのかなと思っていましたが、ここで彼を選ぶセンスは凄いなと感じました。

2巡目は俊足ショートの庄子雄大。何かと繋がりのある早稲田大の山縣秀かと思っていたのですが、スピードを重視しての庄子だったのかなと思っています。3巡目は富士大の圧倒的リリーバー・安徳駿。正直ここが最も驚きました。優勝できなかった年は上位でリリーフ投手を指名することもありますが、優勝した年はしない印象でした。今は2巡目か3巡目で、リリーフ指名するのは割とどの球団も当たり前にしてくることなのかも、と考えを改めさせられています。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目では、

身長180㎝未満の大社右腕でも上位指名する
・リリーフ要員を上位指名することがある

という項目を追加する必要がありそうです。

【跳ねそうな選手・編成】

村上泰斗は、野球脳にも優れ、実際に努力もできる選手で、かつ、センスも感じられるので、環境の良いソフトバンクならほぼ確実に主力になるのではと思っています。安徳駿もリリーフでは確実に戦力になりそうですが、先発でも見てみたさはあります。
編成も、まだ第二次戦力外が出ていないとはいえ、特にどこか足りないポジションがあるわけではありません。

【全指名を通しての感想】

2人の大学生投手に加え、3人のショートと1人の有望高校生右腕という支配下指名でした。ポスト今宮健太という課題について、かなり真剣に向き合っていることが伺えますし、それぞれタイプが違うのも興味深いなと感じます。言い方は悪いですが、優勝したからといって超素材型の高校生ばかり指名するわけでなく、しっかり見定めて指名したことが伺え、印象の良いドラフトでした。

読売ジャイアンツ🐇

【上位指名予想と実際】

予想では、金丸夢斗 竹田祐 野口泰司 でした。
実際は、金丸夢斗のクジは当たらず、ここで高校生ショートの石塚裕惺にスイッチ。そこに行くのかというのは正直驚きもありました。まだ石塚が入札で消えていなかったことで、こういう指名になったのではないかと思います。支配下枠に若いショートがいなかったのと、指名するなら坂本勇人タイプのショートにしたかったでしょうから。

2巡目は、これもショートの大学生・浦田俊輔。3巡目はセカンド兼サードの荒巻悠。なんと3巡目まで全員、二遊間の選手でした。二軍の内野陣が不足気味だったというのもあるでしょうし、門脇誠への刺激という意味もあったと思います。数合わせで指名するのではなく、打撃でも勝負していける選手を選びたかったのでしょう。個人的にはここで、1人もリリーフ指名を行なわなかったのが少し意外でした。

球団別の上位指名予想のnoteにて箇条書きにした項目では、

守備型の野手でも必要であれば上位指名する
関甲新リーグの選手も指名する

を追加しようかなと思います。今年は大社右腕を1人も指名しないという、かなり珍しい年でしたが、何年も続くわけではないだろうと思っています。

【跳ねそうな選手・編成】

石塚裕惺は肩も強く、打撃も対応力が高いうえに、ハードパンチャーでもあります。ライナー系の打球が多いものの、狭い球場ではホームラン数も期待でき、ポジションがショートではなかったとしても主力野手になれると思います。宮原駿介も5巡目というのが信じられないような左腕ですし、早い段階で存在感を見せてくると思います。
編成で言えば、若手の捕手が少し数合わせ感あるので、ここにプロスペクト捕手を入れれたら良いなと感じます。人数的にはどのポジションも問題はありません。

【全指名を通しての感想】

三者三様の二遊間を上位で3人、その後は育成も含めると高校生投手中心に指名したドラフトでした。石塚裕惺に関しては高確率で打てそうな気はしますが、浦田・荒巻の両名に関しては少し分からない面があり、仮にここが全く打てないならどうなるのか、という不安はあります。ただ、石塚裕惺と、5巡目の宮原駿介についてはとても楽しみな選手なので、この2選手を獲得できただけでも価値があるでしょう。

球団別の振り返りはここまで。今年はどの球団も、将来の主力候補を確保したのも大きいと思いますし、大半の球団が3巡目でリリーフ確保に動いたのも印象的でした。これからは本格的に、どういうリリーバーが上位指名されやすいかについて検討するのが必須になりそうです。

次回は、今回のドラフトを俯瞰して考えてみようと思います。どちらというと、そちらの方をやりたい気持ちの方が強いです。日本シリーズが終わるまでに出せたらいいなと思いますので、このnoteを書き終えたらすぐにでも書き始めます。それではまた、近いうちに。

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