ドラフト2023 上位指名予想 Bクラス編

前回は、これまでのドラフト上位指名から、だいたいこういう選手が上位指名されるよねという観点から予想してみましたが、今回は各球団ごとに考えてみようと思います。昨年同様、ウェーバー順で考えていきますね。今回は前半、Bクラスの球団の予想です。


【序】球団ごとに考える意味

NPBのドラフトはMLBの完全ウェーバーとは異なり、1巡目は競合指名も可、偶数巡目はウェーバー、奇数巡目は逆ウェーバーとなっています。そのため、特にシーズンで1・2位の球団と、5・6位の球団で、上位指名に特徴が出ます。

具体的に言いますと、5・6位の球団は、2巡目が早い代わりに、そこから3巡目までが遠い。そのため、3~4巡目で指名されそうな野手でも、そこまで待っていたら他球団に指名されてしまうリスクがあるため、2巡目で指名せざるを得ないということが実際にもよく起きます。

同様の理由で、1・2位の球団は、3巡目は早いですが、そこから4巡目までが遠いので、4~5巡目まで残る可能性のある選手(主に野手)であっても、3巡目で指名しなければ他球団に指名されるリスクが生じるため、3巡目で指名することになることが多いように思います。

※なぜ野手がそうなりやすいかと言いますと、投手であれば、狙いの選手が指名されても”替え”が利くケースが増えている反面、野手は年齢やポジションまで考えるなら、”替え”が利かないことが多いため、狙っている選手は確実に確保したいという思惑が強く出ると推測されるからです。

ですので、特に野手に関しては、球団ごとに予想しないと、どこまでが上位で指名されそうかの判別が難しくなると思い、毎年、こうやって予想しています。
今年はセ・リーグの6位から2巡目が始まりますので、さっそく考えていこうと思います。

中日ドラゴンズ🐨

昨年同様、最下位に沈んでしまった今シーズン。昨オフや今シーズン中はトレードを何度も敢行したりして事態の打開に努めていましたが、順位を上げるには至らず、むしろ更に勝率を下げることになってしまいました。一軍のみならず、二軍も、ウェスタンリーグの借金を全て抱え込むほどの負けっぷりで、まずは何に手を付ければいいのかというところから意見が分かれそうではあります。

【投手】
10先発以上、かつQS率50%以上の先発は4人ですが、そのうちの一人・福谷浩司は防御率5点台のため、実質3人でしょうか。せめてもう1人は欲しいところですから、ドラフトでエース候補を指名したほうが良いでしょうね。
リリーフは防御率2.01以下の主力が5人もいるという充実ぶりですが、ドラフトでも1人はリリーフを指名して新陳代謝を高めたいところです。ただ、中位以降で良いと思います。

二軍は5先発以上の投手のうち、6人が防御率4.50以上というのも気になりますが、チーム防御率が4.17で、ウェスタンリーグのダントツ最下位なところが問題です。指標を見ても、主要スタッツが全てリーグワースト。ここ2年間で支配下指名した投手が3人しかいないというのも、その理由の一旦ではないでしょうか。その中でも、根尾昂は先発で好投を続け、一軍登板でも好結果を残し、希望の光となっています。

【野手】
200打席以上に立って、OPS.700以上の選手が1人と、さすがに心細い数字。それ以上に、二遊間は選手層の薄さもあってか、OPS.500を割っていても使われ続けている選手が2名もおり、来季は田中幹也が復帰することを踏まえても、まだ少し薄いかなという印象です(打てない選手を使うこと自体が悪いとは思いませんが、他にいないという理由で「使われ続ける」ことは問題だと思います)。

二軍は、2年前に指名した、右の大卒外野手3人がいずれもOPS.750以上で、存在感を示しています。不安があるとすれば捕手で、石橋康太が一軍へ行ったこともあり、高卒2年目以内の2人が合計100試合ほど捕手として出場していますが、どちらもOPS.500未満であり、彼らに割って入れる選手が1人いればと思わされます。

【過去5年の上位指名の傾向】

・ここ2年は大学生入札
・3年連続で単独入札成功
・高校生を1人、上位指名することが多い
・大学生左腕の1巡目での指名は2010年が最後
・昨年は久しぶりに身長175㎝未満の選手を上位指名
・捕手は上位指名しない(4巡目がとても多い)
・前年に上位指名された選手と同タイプの選手を翌年に上位指名しない
・昨年は立浪監督の意向がかなり反映され、高卒は少なかった
・ここ2年、支配下全体で、特定ポジションを3人指名
・1-3巡すべて投手という年は2008年まで遡っても無い
・指名選手には事前に視察情報やコメントが出ることが大半
・中日新聞販売地域の選手の指名が多いと言われてきたが、昨年はそこまで多くはなかった

などが伺えるかと思います。
今年の指名はどうなりそうかと考えますと、投手が多くなるのではないでしょうか。4~5人ほど必要になる気がします。野手で言えば、内野手と捕手が1人ずつは必要かなと思います。

上位の中に入ってきそうな野手のポジションを考えますと、消去法で内野手になる気がします。捕手はよほどの事情(順位縛りなど)がなければ4巡目以降で指名しそうですし、外野手は少し渋滞しています。ただ、サードとなりますと石川昂弥と重なってしまいますので、そうなると二遊間になるのではないでしょうか。

【上位指名予想】
1巡 大学生投手(細野晴希など)
2巡 内野手(横山聖哉、辻本倫太郎など)
3巡 高校生右腕(日當直喜など)or内野手

左右差に拘る立浪監督が、昨年は右腕入札だったので今年は左腕でと考えると思い、細野晴希と予想。東洋大OBの梅津もいますし、じゅうぶん有り得ると思います。外した場合、人材豊富な大学生右腕から選ぶのか、敢えて左腕で続けるのかは予想が難しいところです。

2巡目は、プロスペクト野手を指名するならここしかないので、高校生ショートの横山聖哉をスカウト陣が推すと予想。あるいは、一軍の二遊間を厚くする目的で、辻本倫太郎を監督がリクエストするかもしれませんし、そもそもこの時点で横山聖哉がいない可能性もあります。

3巡目は高校生右腕と予想。この位置まで残るとしたら、日當直喜坂井陽翔といったあたりになりそう。もしくはここで、高校生内野手である百崎蒼生を指名するかもしれません。高校生で指名するなら、右腕か二遊間でしょうから。

結局のところ、立浪監督がどこまで大学生選手を欲するか次第なところがありますが、良くも悪くも情報はかなり出る球団なので、10月になればかなり動きが分かってくると思います。

北海道日本ハムファイターズ🐻

今年は優勝を目指すという話でしたが、結局は昨年と順位変わらず最下位。最下位になるほどの戦力とは思えませんが、かといってAクラスにならないとおかしい、とはさすがに言えません。このオフはどう動くのが得策でしょうかね。

【投手】
10先発以上でQS率50%以上の先発投手は4人おり、悪くない数字ではありますが、このうち、加藤貴之と上沢直之がチームを去る可能性を考えますと、のんびりしてはいられないでしょう。
リリーフは防御率3点台の田中正義が一番悪いぐらいで、強烈なテコ入れが必要だとまでは思いません。

二軍では、数年前からのプロスペクト・根本悠楓に加え、育成の福島蓮が先発で活躍。開幕直後に故障で離脱した金村尚真もシーズン末に復帰し、好投しています。彼らが一軍定着するようなら、ローテの不安は少なくなりそうです。

【野手】
100打席以上に立ち、OPS.700以上の選手が3人。ただ、この数字以上に、チーム打率がリーグ最低になってしまっている点は見過ごせません。おそらく、打てないけれど選手層の薄さもあって使い続けることになってしまった選手が多かったのが原因と思われますので、その原因となってしまったポジション(遊撃手・中堅手・捕手)を何らかの形でテコ入れする必要がありそうです。

二軍で打っている選手はほとんど、一軍でのまとまったチャンスを与えられており、風通しの良さを感じます。ただ、爆発的な打撃指標を見せる選手がほとんどいないというのは気になるところなので、スラッガー候補は定期的に補強していきたいですね。

【過去5年の上位指名の傾向】

・ここ3年は単独指名成功
・4年連続で投手に入札(矢澤は外野メインかも?)
・右腕は毎年、1人は指名
・1巡と2巡とで投手と野手を指名(2019年もその予定だった模様)
・3巡目は4年連続で野手
・高卒右腕は基本的に長身を狙う
・逆に大社投手はあまり身長180㎝以上に拘っていない
・右の高校生三塁手を2巡目で狙うことが多い
・高校生なし➡2人高卒➡高校生なし と来ている
・特に北海道関連を上位で確実に狙いに来ているわけではない
・前年の上位指名と同タイプの選手の指名は避けている

以上のようなことが伺えます。これに加え、台湾の超高校級右腕・孫を獲得しましたので、高校生右腕の上位指名はないかなという気がします。
あまり参考にならないことも多いですが、選手の編成を見ますと、支配下の外野手がやや少ないかなという印象を受けます。ただ、昨年は矢澤宏太に入札したばかりなので、そこをどう考慮するかが難しいところです。

【上位指名予想】
1巡 大学生投手(下村海翔など)
2巡 高校生内野手(明瀬諒介など)
3巡 大学生外野手(宮崎一樹など)

入札は大学生投手になるのではと思います。四球を嫌う新庄監督が、四球の多い投手にGOを出すとは思えない部分があるのと、やや身長が低い右腕でも指名してきたことを踏まえ、下村海翔の単独指名を狙うか、あるいはクジを外したあとで下村を指名するのではと。常廣羽也斗を狙っているという見方もありますが、場合によっては武内夏暉の指名に傾く可能性もありそう(チームに国学院大OBがいる)ですし、まだ読めないですね。

2巡目は明瀬諒介かなと思います。あるいは、サードを守れるという点を評価し、森田大翔を指名する可能性もあります。もし、左右に拘らないのであれば、横山聖哉の可能性もあるでしょう。

3巡目はフィジカルエリートタイプの中堅手候補を指名すると予想し、右の強打者・宮崎一樹を選んでみました。ハムは関甲新の大学リーグの選手を指名圏内にしていますし、最近は左の外野手の加入が多かったので、右打者を選ぶと予想しました。

新庄監督としても3年目は進退がかかるため、大社選手の上位指名が多くなりそうですが、高校生スラッガーの指名は譲れないポイントなのではないかと思います。

東京ヤクルトスワローズ🐧

2年連続優勝から一転、最下位寸前まで落ちてしまった今年。メンバーの大幅な入れ替わり等はなかったものの、一歩間違えば一気に転落してしまうことがあるということを教えられた気がします。

【投手】
10先発以上でQS率50%以上の投手が3人。小澤怜史の台頭は嬉しいサプライズですが、長年、ローテを支えてきた小川泰弘が来季は34歳シーズン。高橋奎二が防御率4点台で少し苦労していたり、奥川恭伸がいまだ故障と戦っていたりと、次の世代がなかなか苦労しています。
リリーフは田口麗斗が防御率1点台で30セーブ以上という大活躍ぶりを見せる反面、ここ数年、セットアッパーを任され続けていた清水昇が1勝8敗で、防御率はそこまで悪くないものの、疲れを見せています。何かしらのテコ入れは必要かもしれません。

二軍で多くの先発回数を任される投手を見てみますと、山野太一が防御率1点台で、ついに覚醒の予感。吉村貢司郎も悪くない数字です。ただそれ以外は少し奮わないのが現状で、一軍先発を何とかするよりもまずは二軍から生えてくる先発を確保する方が先かもしれません。

【野手】
200打席以上でOPS.700以上の打者が6人、OPS.800以上の打者も3人おり、依然として打撃陣は強いですが、昨年よりは落ちています。得点数もリーグトップだった昨年より落ちて、トップから陥落。ただ、OPS.700以上の新人打者を指名するのは難しいので、これまで通り、天井の高そうな打者をうまく確保していければ大丈夫かなと思います。

二軍では、新人の澤井廉がいきなりOPS.850超えという破格の数字。同じく新人の北村恵吾も10本塁打を記録しており、相変わらず強打者が育つ土壌ができています。

【過去5年の上位指名の傾向】

上から2番目:外れ指名するも交渉権を得られなかった選手

・ここ3年は大社選手に入札(外れ以降も大社)
・4年連続で投手に入札(外れを含めると5年連続)
・上位3枠のうち大社が常に2人以上
・高校生捕手を上位で指名する球団のひとつ
・ここ3年は高校生投手を上位指名していない
・大社もポテンシャル重視で選ぶ傾向
・上位で野手を複数指名したのは昨年だけ
・ここ3年で西村を含めると左の外野手を3人指名
・Bクラスの年は2巡目で大学生投手を指名
・1-2巡どちらも大社右腕の年はない
・前年の上位指名と同タイプの選手も上位指名する

以上のことが言えるかと思います。優勝した年に大社選手を3人指名したこともありますし、基本的に大社投手を複数指名することが多いです。編成で言えば、22歳以下の外野手がいなかったり、一三塁も西村瑠伊斗しかいないといった状況があり、指名に動いてくるかもしれません。高校生捕手を上位で狙ってくる可能性もあります。

【上位指名予想】
1巡 大学生左腕(細野晴希武内夏暉など)
2巡 大学生右腕(岩井俊介など)
3巡 高校生捕手(堀柊那など)

1巡は細野晴希や武内夏暉といった、大学生左腕になると予想。上茶谷大河(東洋大)や清水昇(国学院大)を指名したこともありますし、指名に問題はなさそう。クジを外した場合、左腕に拘るのか、右腕に切り替えるのかは残りの選手次第でしょう。

2巡は1巡からスリップした大学生投手、おそらく右腕になると予想します(候補が多いので)。1巡で(最終的に)右腕との交渉権を得るなら、2巡は左腕になると思います。その場合はここで尾﨑完太高太一らが指名されるかもしれません。ただ、過去の傾向にはありませんが、ここで野手を確保する可能性もあります。その場合は、西村瑠伊斗の来季のポジション次第ですが、森田大翔などの一三塁の野手を指名する可能性が出てきます。

3巡は高校生を指名しそうだなと思い、高校生捕手の堀柊那を選んでみました。高校生捕手を上位指名する球団は限られていますから、この位置まで残ってくると思います。高校生捕手の指名間隔として、少し早いことは早いですが、内山壮真が一軍戦力になっていることを考えると、下の世代を指名する可能性も高いと思います。

ヤクルトは常に投手補強に関心を持ち、大社投手を多めに指名して打開を図り続けていますが、なかなか彼らが結果を出せていないもどかしさがあります。スカウティングを見直してみるとか、そういう時期に入ってきているのかもしれません。

埼玉西武ライオンズ🦁

森友哉の移籍に加え、山川穂高の一件も重なり、打線の破壊力が大幅ダウン。その結果もあってか、5位まで沈んでしまいました。先発投手陣はとても優秀なだけに、打力回復がカギとなりそうです。

【投手】
10先発以上かつQS率50%以上の先発が5人もおり、しかも全員が20代という安定ぶり。ドラフトでも上位で何としても大学生先発を、という感じではないでしょう。
リリーフは、クローザーとして長年奮闘してきた増田達至が防御率5点台と、苦しいシーズンになってしまいました。クローザー候補は外国人かドラフトで賄いたいところかなと思います。

二軍を見ますと、菅井信也・羽田慎之介・渡邊勇太朗らが先発で好結果を残しており、大社投手に関してはリリーフ指名に焦点を合わせれば良いかなと思います。

【野手】
200打席以上でOPS.700以上が4人いますが、トップは大ベテランの中村剛也なので、若手の主軸候補が急務です。幸い、佐藤龍世がOPS.750を超えるほど打つなど覚醒しており、一軍本格参戦の渡部健人もOPS.700に迫るほど打っています。補強するとすれば外野手のほうかもしれませんが、昨年は2人も外野手を上位指名しており、ドラフト以外の方法で外野手の打力を上げに行くと思います。

二軍でOPS.800を超えるほど打っている選手はほとんど、一軍でまとまったチャンスを与えられており、良い傾向と思います。彼らが巣立った後のプロスペクト補充が求められていそうです。

【過去5年の上位指名の傾向】

・3年連続で大学生入札
・外れも含めると5年連続で大社選手が1巡
・社会人の指名が比較的多い
・二塁手を上位指名する
・野手は殆どセンターライン
・イケメンや、ぽっちゃり体型の指名が多め
・一昨年が全員大学生なのもあってか翌年は高卒2人
・2年連続で捕手が3巡
・3巡目が割と独自色つよめ
・身長180㎝以上に拘っておらず、身長170㎝強の指名も多い
・左腕の指名が多め(2巡目で3年連続左腕だった時も)
・昨年は上位全て野手だった
・前回のBクラスの年は2021年だが、全員大学生だった
・前年の上位と同じポジション&年齢層の選手の上位は避ける
・高校生投手の上位指名は少なく、指名された2人は190㎝以上の長身

昨年は2人も外野手を上位指名していることもあり、今年は上位で外野手は指名しないのではないかと思います。2020年に上位で2人の野手を指名したのは、前年の上位3人すべて投手だったことが影響していると思いますし、今年は投手を最低2人は上位指名しそうだなと予想します。

【上位指名予想】
1巡 上田希由翔
2巡 大学生投手(古謝樹尾﨑完太など)
3巡 大社右腕(古田島成龍赤塚健利など)

入札は上田希由翔の単独指名を狙うプランではないか、と思います。ここ数年の野手指名により、だいたいのポジションに世代間空白はないですが、一三塁は渡部健人以降の世代が空いているので、ハマってくるかなと思います。先発ローテが安定しているので、大学生投手に入札する必要はないと感じます。

2巡目は、西武は割と2巡目で左腕を狙ってくることもあり、チームに大学のOBがいる古謝樹をチョイス。残っていなければ尾﨑完太らが候補になりそうですが、左腕に拘らないのであれば、スリップしてきた大学生右腕に切り替えるのもアリでしょう。

3巡目は地元(近隣)枠も兼ねて、古田島成龍と予想してみました。クローザー候補の一角です。ただ、西武の3巡の独自色ぶりを考えると、大学生右腕の赤塚健利が指名されるだとかの展開もありそう(身長190㎝以上なので狙おう、という方針があるなら・・・ですが)。

必要なのが野手なのは間違いないですが、1年で改善させるのはやはり難しいですし、リリーフが少し薄いというのは事実なので、そこを無視した上位指名は考えないだろう、と思っています。

読売ジャイアンツ🐇

今年は若手を積極的に起用したシーズンになりました。優勝できなかった時点でダメかもしれませんが、その起用方針の中、Aクラス届くかどうかというところまで戦えたのは素晴らしかったと思います。阿部新監督に代わり、今シーズン得たものを今後数年しっかり守りながら育てて、次の黄金期を目指していけるなら、今年は価値のある1年になるでしょう。

【投手】
10先発以上かつQS率50%以上の投手が6人もおり、リーグ屈指の先発陣。しかも菅野智之以外は外国人を含めても全員20代というのは先行きが明るいですね。その反面、30登板以上のリリーフで防御率3.00未満の投手は2人しかおらず、クローザー中川皓太に繋ぐまでのところで苦労しています。ここを外国人で補強するか、ドラフトに頼るか、もしくはほかの方法なのか、そこは分かりませんが、手は打ってくるでしょう。

二軍を見ますと、京本眞・松井颯・井上温大などが先発で好成績。数多く指名しているのもありますが、こと投手指名・育成に関しては良い状態にあるのではないかと思います。

【野手】
200打席以上でOPS.700以上の打者が6人もおり、こちらもリーグ屈指。チーム本塁打数もリーグトップです。期待の若手・秋広優人もこの中に入っています。序盤の不振が響いてOPSは低めですが、門脇誠の活躍も嬉しいですね。30歳未満が少ないのは懸念材料ではありますが、中堅・ベテランが打っている間に若手が出てきてくれればと思います。

二軍では、新人の浅野翔吾・萩尾匡也がどちらもOPS.700以上。2年目の岡田悠希がOPS.900に迫る数字を残し、若手外野手が充実していると思わされます。若手捕手の山瀬慎之助もOPS.750以上と上々。強いて言えば、岡本和真に続くような、一三塁のスラッガーが出てくると良いですね。

【過去5年の上位指名の傾向】

上から2番目:外れ指名したが交渉権を得られなかった選手

・その年のNo.1クラスを競合覚悟で指名
・入札が投打交互
・(主に高身長の)右腕をほぼ2人は上位指名
・左腕は敢えて狙っているわけではなさそう
・守備型野手は上位で狙わない
・かといって身体能力が低い野手の指名も避けている
・サイドスローの剛腕を意図的に指名している
・4年秋に活躍した大学生投手を指名する傾向
・東都の投手の指名が多い(六大学は少ない?)
・大学生右腕はほぼ毎年のように指名している
・大学生右腕を2人指名する際、1人はサイドスロー
・高校生を1人は上位指名することが多い
・外れ一位でもリリーフ要員として指名することがある
・野手はほぼ1人だが、昨年は2人上位指名した

編成表を見ますと、岡本和真より年下の一三塁は(秋広の外野手転向により)菊田拡和しかおらず、ここがひとつ穴になっています。指名あるのかどうか、あるとして何巡目なのか、カテゴリはどこなのか、予想の幅は広そうです。

【上位指名予想】
1巡 大学生投手(武内夏暉西舘勇陽など)or高校生野手(真鍋慧など)
2巡 高校生一三塁(森田大翔など)or大学生右腕(草加勝など)
3巡 高校生投手(坂井陽翔木村優人など)

1巡目は日刊の記事を読む限り、大学生左腕を狙っていそうで、そうなるとOBのいる武内夏暉が挙がってきそうな気がします。右腕なら同様の考え方で西舘勇陽と予想。競合は厭わないでしょう。可能性は薄そうですが、野手入札プランになるなら、真鍋慧や、横山聖哉が選ばれるかもしれません。

2巡目は一三塁の指名に動くと見て、森田大翔と予想。残っているなら明瀬諒介の可能性もありそうです。もし入札で野手指名した場合、2巡目で大学生投手を押さえに来そうで、そうなると残っていそうなのは草加勝でしょうかね。

3巡目は色々と考えてみましたが、新監督の初年度というところで、高校生右腕になるのではと考えました。坂井陽翔木村優人らが残っているのではないでしょうか。残っていれば、よもやの東松快征もあるかもしれません。

阿部新監督の任期がスタートしたことで、高校生の上位指名が増えるかもと考え、このような指名を考えてみました。

東北楽天ゴールデンイーグルス🐦

序盤は打線が低空飛行しすぎたのが悪かったのか、Aクラスがちらつきつつも、最後はギリギリ届かず4位。ドラフト予想においては、球団内のニーズに沿って、2位(外れ1位)以降、優先度の高いポジションから順に指名しているという印象で、非常に予想しづらい球団です。それに加え、石井一久監督が退任、GMも退任するとの話で、さらに予想は難しくなりそうです。

【投手】
10先発以上でQS率50%以上の投手が3人と、少し物足りない数字ですが、このうち、20代は早川隆久のみというのは不安要素。幸い、荘司康誠が新人ながら19先発・7QSと希望の光になっていますが、あと2人ぐらいは欲しいところで、外国人その他の補強で1人は補いつつ、もう1人はドラフトで確保できればと感じます。
主力リリーフは防御率3.00未満が5人もおり、かなり堅固。特に上位指名を使ってまでリリーフ補強する必要はないかなと感じます。ただ、松井裕樹が移籍濃厚の気配なので、何かしらの手は打たないといけないでしょう。

二軍で結果を出している先発陣はほぼ昇格を果たしており、少ない登板数であっても結果を出しています。彼らに期待をかけつつも、うまく割って入る先発投手が1人は必要だと思います。

【野手】
200打席以上かつOPS.700以上の選手が5人と、まずまずの火力。惜しくも漏れましたが、捕手の太田光もOPS.693で、パの捕手としてはかなりの打力。強いて言えば、一三塁にもっとスラッガーを置けるなら良いなと感じます。

二軍にも、OPS.750以上の若手打者は割と多いのですが、正直、そこまで一軍で起用されてはいません。ただ、若年層のプロスペクト野手は少ないです。

【過去5年の上位指名の傾向】

・競合しなかったのは2021年だけ
・野手が多い年の間に、投手だけの年が挟まってくる
・六大学の投手の上位指名が多い
・2015~2017に上位指名の大学生野手は山﨑以外は六大学
・東都の選手の上位指名は投打ともにない
・外れ1巡から、チーム内のニーズの優先順位で指名する
・投手を上位指名した年は必ず、右腕を指名している
・野手を上位指名する際はセンターライン
・野手を上位指名する際は1巡目から使ってくる
・身長170㎝未満の選手も指名する
・ただ、身長180㎝あるいは185㎝以上の大型選手の指名が多い
・二塁手を上位指名する
・大学生捕手を上位指名する
・ここ3年、高校生投手を上位指名していない
・3巡で投手が指名されることが多い
・特に「東北枠」みたいなものは上位指名にはない

編成で言いますと、U-26の一三塁・外野手が4人しかおらず、U-23の支配下捕手もいません。この辺を上位指名で指名するか、下位や育成でデプス調整するのか、ひとつの注目点になると思います。加えて、石井一久監督が退団するとなれば、彼がGMになる前のドラフト傾向を見ていく必要もあるでしょう。

【上位指名予想】
1巡 横山聖哉
2巡 大学生投手(上田大河岩井俊介など)or廣瀬隆太
3巡 武田陸玖or大学生リリーフ(木村仁など)

1巡目は横山聖哉としてみました。佐々木麟太郎のような打者を欲していたはずですし、ショートを守れるというメリットもあり、加えて、石井一久GM着任前は、入札は高校生というのが楽天あるあるでしたので、こういう予想にしてみました。

2巡目は、この順位で大学生先発を確保すると考え、東都以外の投手ということで、大商大の上田大河、名城大の岩井俊介らの右腕の中から選ぶと予想。ただ、今年は野手を2名以上は上位指名しそうだなと思いますし、過去にそうした年は1-2巡とも野手なので、今年もそうなる可能性は考えられなくはないです。野手の場合は廣瀬隆太を指名しそうな予感。

3巡は、少し早いかなとも思いましたが、武田陸玖。センターラインを守れるのかどうかは未知数ですが、この下の順位で指名するのは無理そうというのと、強打のプロスペクトは欲しいだろうと思いましたので入れてみました。ただ、例年、3巡目は投手が指名されることが多いですので、ここをリリーフの枠にあてがって、木村仁などを指名する可能性もあります。

よもやのBクラスになってしまいましたが、まだチームは沈み切っているわけではなく、あと1~2年は優勝争いができるはずなので、この間にうまくプロスペクトを獲得し、今の主力が衰えを隠せなくなった頃に出てこれるようにしておきたいですね。

おつかれさまでした!

今回はウェーバー前半の球団のドラフト上位指名について予想してみました。引き続き、後半の球団のドラフトについても予想してみます。またすぐにnoteにてお会いできるでしょう。では、次のnoteにて。

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