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『余命10年』№1

2017年の発売以来60万部を突破しているベストセラー作品が
昨年主人公の茉莉を小松菜奈
和人を坂口健太郎のW主演で
映画化されていたのを見逃してしまった

小説も最初のほうに読んだだけだったが映画を見損なったこともあり
そのままになっていたのを思い出し
片道3時間の新幹線乗車の時間を利用して一気に読み上げた

自身も病と闘った小坂流加の小説『余命10年』
原作者の小坂は、主人公の茉莉と同様に不治の病を抱え
そして本作の文庫版発行直前に病状が悪化し、原発性肺高血圧症で逝去

小説も現実も何とも悲しく切ない

小説の文面に
何をどう変えたいのか、この先どうしていきたいのか
そんな展望は見つからなかった
宿命を嘆くより、目の前の楽しみを味わっている方がずっと楽だ
それを「逃げた」という人もいるかもしれないけど
どうしようもないことを嘆いて毎日を過ごすならば、逃げて笑って何が悪い
と開き直ることを選んだ

余命10年の宣告を受けてその10年をどのように生きていけばいいのかと
絶望を胸に抱きながら模索した彼女なりの答えなのだろう

10年の余命宣告を受けてから色んな物を捨てなければならなかった彼女は
命のカウントダウンから7年、3年残っている状態で愛する人を捨ててた

愛する人には、病魔に侵されていくみじめな姿を晒したくない

その3年は死にゆくための3年

今の時代65歳定年が当たり前でそこから10年齢を重ねると75歳になる
その頃はすでに死と隣り合わせな年ではないだろうか

断捨離をしながら終活への準備に

余命10年の宣告を受けた若い彼女と同じはずはないのだが
考え方が身近に感じる
同じことじゃないだろうかなんて思ってしまう

死ぬ順番なんてないのだから

【朝に紅顔ありて夕べに白骨となる】

この言葉が脳裏によぎる

この世をわがもの顔に誇る若者の血色のよい顔も
たちまちに白骨となって朽ち果てる

生まれてきた生物の余命はそれぞれ死は確実に経験するのである

永遠のテーマ「生きる」ことと「死ぬこと]

#余命10年
#原発性肺高血圧症
#小坂流加
#わたしの本棚

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