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『あん』

『あん』の映画を観たのは
コロナ禍がまだ始まるずっと前のハワイ旅行時の飛行機のなかだ

いまどきの飛行機は個々に画像が見れるようになって長旅もあっという間に到着する

映画の徳江を演じる樹木希林さんの演技は素晴らしいかった
この映画でハンセン病 らい病の存在を知った

国立ハンセン病療養所は
今も何か所もある

法律が改正されて自由になっても帰る場所がない人々が切ない

劇中の徳江は14歳ハンセン病を発病
施設で一生囲われ
戸籍も奪われて
持って生まれた苗字と
親に名付けてもらった名前まで奪わた

新しい居場所と名前を与えられ

ハンセン病を出した家族は
その土地を追われる

そんな時代を生きてきた徳江

ハンセン病を発症し醜い姿になってまうことを
包み隠すように桜の背景が美しい映画だった

この映画を観た後

小説を読んだ

小説の『あん』の徳江は
ハンセン病の元患者

親指が変形して手の甲に反り返ってる

顔は鉄板が皮膚に埋め込まれたようひきつってる

足の腱は固まってしまい引きずって歩く

と描写があった

小説の中の徳江は
ハンセン病そのものリアル描写だった


健常者の樹木希林さんには表せない部分が小説にはあった

そして同じ施設の友達は文章を頭の中で画像に変換することが怖くなる描写だ

それだけに
ハンセン病の酷さが現実を帯びる

死病ではないハンセン病
完治する病

長生きした徳江は
自由を勝ち取ったが

遅すぎた

長生きした分
苦しみも長く続いた

ハンセン病は
国の判断ミスで治らない伝染病と認識され

酷い人種差別をされた

完治したといえ
醜い姿にらならなくてはいけなかった
彼らが倒れていたならば
わたしは手を差し伸べて
抱きかかえることができるだろうか

物語を読み終え
自分自身に問うてみた

今年も東京の桜の開花宣言が伝えられた

どら焼きやどら春の桜の木々ももうすぐ満開になるだろう


ハンセン病療養所にも桜並木があったのだろうか

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