見出し画像

ねえ思ってることあるなら言って戦争

正直なところ、旦那という人物と付き合う前に、私は旦那みたいな考え方をする人とあんまり関わってこなかった。

思っていることがあるのに、伝えない(で、むしろ「察して」欲しいという圧をだす)人がいるなんて……………

ネタバラシをしてしまうと、心屋仁之助さんという方が「前者後者論」という理論について書いていて、私はそこで後者にあたり、旦那は前者にあたる。詳しい説明はここでは割愛するが、平たく言えば、後者(こと私)は、直接的な表現しかできないし、全ての注意を「手動」で張っている。怒られたり、意味のわからないことを言われると、意識が「飛ぶ」もしくは電源が「勝手に」「落ちる」。一方の前者(こと旦那)は、飛びもしなければ落ちもしない、ウィットに富んだ表現も言える(意地悪が本当に意地悪)、注意は「自動」で張れる。
私自身、この理論を知っているか知らないかによって「人間関係の諦め度合い」が大きく変わってくるのでは?と思っているのである。

1回目の記事から想像もできないような真面目な書き方になってしまっている、前置きも長い、けどこのままいくわ。私と旦那が付き合いはじめた初期、一番揉めたのが今日のタイトル

「思ってることあるなら言ってや」戦争である。

平穏な毎日に、突然不機嫌になる旦那。言いたいことがありそうで、「なんか言いたいことあるん?」と聞くと「いや。いい。」と言われる。いーーーやよくない。その感じはよくない。と突っかかると、こう言われる。

「なんでいちいち説明しないといけないの?察しろよ。」

さ、察し、察して?不機嫌になっているのを察したのだが??えっと?なんやねん?思ってること言え〜〜〜言うてくれわからんから〜〜!!!!!!!

私が今まで出会ってきたタイプ、そして付き合ってきた多くの男性のタイプは、「言いたいことがあるけど、文章として言葉にして表現するのが難しくてできない」タイプだった。言葉にできないタイプ。小田和正タイプ。そこで求められるのは、「なんだか調子がよくないことを察し、そして言葉にするまで待つ忍耐」である。このタイプの男性はだいたい、ちゃんと待って、「あなたの話をききまっせ」と向き合えばポツリポツリとでも思ったことを話してくれていた。かく言う私もこのタイプで、思っていることを言語化できるまでラグがあるので、喧嘩の席でも(どんな席?)ほんとうの気持ちを話すまでローディング時間がいる。

しかし、旦那は私にとってはニュータイプである。「言いたいことはあるけど、文章として言葉にするのは非常に面倒なので察して」タイプ。付き合い出した当初は、頭を捻って考えたことが旦那の不機嫌の原因と合致していること=この不機嫌状態を解決する術だと思っていたので、必死に頭を捻った。

しかし、しばらくして衝撃の事実に出会う。

「なんでそんなに俺がなぜ不機嫌かが気になるの?放っとけばよくない?」

頭を捻る行為は無駄だった。正解は、越後製菓!ではなくて、「放っておく」ことだった。私の中での、「察して」は「私がなんで不機嫌なのか察してよね!答えが出たら言いにきなさいよね!バカバカ!」みたいな感じなのだが、旦那の「察して」は違ったのだ。彼のそれは、

「我輩は現在不機嫌である。原因は色々あるけど説明するに値しない。したがってこの状況に適切な対応(そっとしておく)を発動せよ」である。

ちなみに、この(そっとしておく)も、明文化されない。

当初は思っていることを伝える、と言うことがこれほど人によって違うことに素直に衝撃を受けた。し、もしかしてこの感じで夫婦に限らず人間関係困ってる人、いっぱいいるんじゃないかな、という気もした。

文句を書いてるみたいになってしまったけど、私にとってはこの旦那がそばにいてくれることは最高に最強なことであり、さらには革命的なことでもあるので、「こんなことで揉めました」とか「こう言う考えなんですね驚きました」みたいなことを、どこかに残したいと思ったのがこのコラムのきっかけです。

最初は意味の分からなかったこの「察して」も、私の「まじで!まじでわからんねんごめん!まじで教えてごめん!」と言う度重なる説得により、だいぶ明文化してもらえるようになった。やはり夫婦に必要なのはコミュニケーションなのか。旦那、まじでお願いやから思ったこと言ってな。もし旦那みたいな方がいたら、できるだけ説明してあげてください。ほんまにわかってないんで。
もし私みたいな人が読んでくれていたら、放っておいて大丈夫みたいです。ちなみに、ほんとうに説明するには面倒なことが頭の中で起こっているみたい(私の聞いた感じで例えるなら、ネックレス数本が絡まってる感じっぽい、一本取り出せ!って言われてもそらめんどい)なので、あんまり「思ってることを言え!」みたいに強要しないようにしましょう。

前者後者論に関しては、こちらの向江さんのブログに詳しく書いていらっしゃるので、参考にどうぞ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?