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忘れられない、不思議な夢

 起きても覚えている夢、ありますか。

起きて記憶に残っている夢。そしてその後も忘れがたい夢。
あんまりないのだけど、これは、というのがひとつある。なぜかというと、すでに亡くなった人が出てきたからだ。

 保育園の年長のときにお世話になった担任の先生が夢に出てきたことがある。先生は本当に人柄が素晴らしくて、まさに天がこの人を保育士にしたんだな、と思ってしまうくらい素敵な人だった。
 卒業してからも毎年兄妹連名宛に年賀状を送ってくれて、習っていたダンスの舞台も度々見に来てくれた。大学入学のときにメールで報告したら、お祝いの品と一緒に先生の少し癖のある字でびっしり書かれた手紙もいただいた。

その先生が亡くなったと知ったのは、結婚してすぐの初夏だった。きっと喜んでくれるだろうと手紙を出したら、先生のお母さんから返信が来たのだ。そこには昨年の冬に亡くなったと書かれてあった。原因は書かれていなかったけど、きっと突然のことだったのだろう。私たちも悲しくて…と綴られていた。なんだかもうとっても悲しくて仕方がなくて、わんわん泣いた。

不思議な夢

それから一年ほど経って、私は娘を産んだ。娘が何ヵ月頃だったかは記憶にないのだけど、私は夢を見た。
夢に出てきた先生は、ウエディングドレスのような真っ白い無地のドレスを着て、白のロングのグローブをつけていた。
私はたしか、先生に抱きついたと思う。そして、伝えた。

「先生、私こどもが産まれたんです!」

この辺りは曖昧なのだけど、たしか先生は「いつ産まれるの!?」というようなことを聞いてくれた。
そして、「もういるんです!」と娘がすでに産まれていることを報告すると、先生は涙を流して喜んでくれた。

そして、
「嬉しくて涙が出ちゃう~!もう死んでるのに~!!」
と言ったのだ。
それを言ったあと、先生からフッと力が抜けて膝から崩れるような感じになり、近寄ると光って消えていった。
私たち(一緒にたしか夫もいた)は「ありがとうございます…ありがとうございます…」と言いながら手を合わせた。ありがとうございます…と口が動いている最中に、目が覚めた。


あの夢はただの私の想像かもしれない。もし先生と会えたら、こんな感じかなっていうような。だけど、私がただ想像したストーリーにしてはあまりにもリアルすぎる。だから、私はたぶん夢の中で先生に本当に会って、本当に報告できたんだと思う。

真っ白いドレスを着ていたのも、「もう死んでるのに~!」と言っていたのも、記憶に残っていて忘れられない。

先生が天国でもたくさんのこどもたちと楽しく過ごしていますように。
本物の娘と会ってもらえなかったのは名残惜しいけれど、いつも見守ってくれていると信じている。

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